ポン菓子とブルーインパルス、その関係は?

特殊な圧力釜で米を加熱、膨張させて爆発させ製造する「ポン菓子」という駄菓子をご存じでしょうか。昭和世代の人たちにはお馴染みかもしれませんが、その食感や味で、今でもファンの多い、伝統のお菓子です。

「杏庵 ぽんや」の店舗入口

静岡県浜松市天竜区でそのポン菓子を扱う「杏庵 ぽんや」は、元航空自衛隊パイロット、ブルーインパルスの飛行班長としてもお馴染みの元イーグルドライバー/ドルフィンライダー、Suitこと春山維彦さんが開いたお店です。義理のお母様がポン菓子職人で、その味が忘れられずに退官後、お店を始めたそうですが、製造・販売はもちろん、週末祝日にはカフェも営業、若いころから好きだったコーヒーや紅茶もサーブしてくれます。

店主の春山維彦さん
春山さんのブルーインパルス飛行班長時代

ぽんやのポン菓子には白砂糖を使ったオーソドックスなものを含め9種類のフレーバー、3種の形状(板状、塊状、バラ)があり、店舗での販売のほかイベントでの販売、通販もしているとのこと。もともと「元ブルーのパイロット」ということを前面に出すことには抵抗があったそうですが、研究し、素材にもこだわりぬいて製造しているその商品の評判は知れ渡り、全国から来客や注文が来ているそう。また浜松基地での教官の経歴もあることから現役自衛官や飛行学生の来店も多く、噂を聞きつけた航空機ファンにもリピーターがたくさんいるようです。「ヒコーキのことをまったく知らずに来ていただける人はもちろん、ブルーなどをきっかけにポン菓子のファンになってくれる人も、大歓迎です」と話してくれました。

航空機パッケージの各種フレーバーぽん菓子。順に「しろ」「あか」「静岡茶」「ナッツ」

お店は浜松の市街地からクルマで1時間以内の郊外、天竜川沿いの山間にありますが、こうしたロケーションを選んだのは、製造の際に菓子の名の由来ともなっている「ポン」という大きな爆裂音がすることから、住宅街からは離れたところでの営業を決めたというのが理由だそうです。浜松基地の航空祭や撮影、航空自衛隊浜松広報館エアーパーク訪問などとあわせて、ドライブがてら足を延ばしてみてはいかがでしょうか(ただし原則平日は製造のみで店舗営業はありません。エアーパークの売店でも一部商品を取り扱っています)。

みずからコーヒーを淹れる春山さん。神対応は現役時代と変わらず
豆にもこだわったコーヒー
ぽん菓子とアイスの相性が抜群のぽんパフェ
どこかで見たことのある形状の、ぽんやオリジナルパッチ

店舗では、ここでのみ取り扱う「ぽんやパッチ(ワッペン)」(春山氏も在籍した第32教育飛行隊のパッチデザインをイメージさせます)も販売しており、ブルーインパルスをはじめとした航空関係のディスプレイもあります。また「航空機ラベル」のスペシャルパッケージの商品もあったりと、航空機ファンにも楽しいお店です。春山さんが自ら淹れてくれるコーヒー、紅茶に加え、コーンフレークの代わりにポン菓子を使った「ぽんパフェ」や米粉シフォンケーキもぜひお試しください!

店内には現役時代のさまざまなパッチも
浜松といえば、航空自衛隊浜松広報館エアーパーク

「杏庵 ぽんや」所在地:静岡県浜松市天竜区谷山21−1

杏庵 ぽんや

  • 1967年千葉県生まれ。1991年4月に(株)文林堂入社。『航空ファン』『世界の傑作機』『航空ファン・イラストレイテッド』など航空雑誌の編集に携わり、2022年10月から『航空ファン』編集長。
  • https://note.com/bunrindo_kokufan

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