Saucony(サッカニー) SILO TREKKER S(サイロ トレッカー エス)

冬も登山やハイキングなどが好きで、昨年は2月の厳冬期に縦走登山でテント泊をしたほど。山に行かなくても、里山のトレイルランニングや公園散歩にも出かけるようにしている。街での生活をしていると緑が多い自然に身を置きたくなるからかもしれない。そんな時にオススメのシューズがSauconyのSILO TREKKER Sだ。街でもフィールドでも最適なファンクションを持ちながら、ファッションとしても美しいアート作品的なシューズに感動。こちらの偏愛っぷりを語りたい!
私は、 Saucony(サッカニー)のTREKKER S(トレッカーエス)を愛している。なぜこれほどまでに惚れ込んだのか?
サッカニーは、1898年に米国ペンシルバニア州カッツタウンで創業された老舗アスレチックブランドの一つだ。ブランド名とロゴマークは、創業当時の工場の近くにあった Saucony Creek(サッカニー クリーク)に由来している。アポロ計画の月面靴の製作にも携わった高い技術力を持ち、80年代の名作「ジャズ」などでランニングシューズ界を席巻した。現在も、ファッショナブルで機能的なシューズブランドとして世界中で愛されている。誰もがランニングへアプローチでき、自己表現を称賛し、より良い世界を創造することで、最高の人生を送れるように鼓舞し、貢献するためにあるというのがブランドフィロソフィーだ。

見た目の野暮ったさが、一周回って「粋」
こちらは、今回サッカニーが世に出したSILOシリーズの中でもトレイルシューズ寄りのTREKKER S(トレッカー エス)である。一見して、これはゴリゴリの機能靴。流線形でキラキラなハイテクスニーカーとは真逆をいく、タフで無骨な佇まいなのがいい。履き口が高くミッドカット風になっていて、小石や小枝が入りにくく、登山用のゲイターのような役目がありつつも、伸縮性のあるニット素材が足首に優しくフィットし、ここが唯一未来的なデザインを演出してくれているように思う。アッパーは、耐久性の高いフルグレインレザーで、はじめの履き入れこそ硬さがあるものの、履いていくうちに馴染んでいくのもレザーブーツと似ているところだ。そして、その配色もまた絶妙に“野暮ったい”感じがいい。僕が愛用しているカラーは、パイン(松)というグリーンカラーを基調としつつも、トゥやサイドの補強パーツに、少しくすんだベージュカラーが差し色として入っている。

昨今のファッションシーンでは、機能性を重視した「テックウェア」や「ゴープコア」が定着している中で、トレッカー エスが持つ、ある種の「真面目さ」や「素朴さ」は、逆に新鮮。過剰なデザインがなく、全てのディテールが「トレイルで必要だから」という理由に基づいている。その実直さこそが、かえってコーディネートに奥行きとリアリティを与えてくれるのだ。僕は、トップ画像のように、ALLYOURSのロングコート、ジョンスメドレーの緑色のタートルネックニットにグレーのワイドパンツを合わせて、メガネをかけて、モードな感じにしてみた。実物を見ると本当にデザインがいい。
足入れした瞬間に、世界が変わる
また、このシューズは見た目だけではない。サッカニーの真骨頂は、やはりそのランニングシューズメーカーとしての「履き心地」にあると思う。トレッカー エスは、足を入れた瞬間に包み込まれるようなフィット感がある。これは、前述のとおり、足首のニット素材によるもので、甲にかけての一体感が尋常ではない。登山靴のようにガチガチではなく、非常に柔らかくなっているので、トレイルシューズ特有のホールド感がありながらも圧迫感は一切なし。

サッカニーのトレイルランニングシューズである Exodus 4 から受け継いだ、アップデートされたツーリングに柔軟性の高いPWRRUN PBミッドソールが採用されていて、昨今流行りの反発素材をもりもりに入れ込んだランニングシューズまでフカフカではないが、地面からの衝撃を確実に吸収し、長時間の歩行でも足裏に疲れを残さない。また、アウトソールは、Vibram® MegaGripになっていて、深いラグ(溝)と多方向に刻まれたブロックパターンは、まさに地を掴む感覚といってもいい。舗装路から、ぬかるんだトレイル、岩場まで、あらゆる路面で信頼できるグリップ力を発揮する。キャンプやハイキングで、バックパックを背負って不安定な斜面を歩くときであってもなんら問題ない。一歩一歩が安定し、足元の不安がないため、景色や会話に集中できるのだ。

神宮前の原宿にフラッグシップショップを構える
ある程度ファッションについてのテクニックは使いつつも、トレッカー エスはデザインがいいので街ファッションにもアクセントになる。デニムやコーデュロイパンツでもいいし、アウトドアファッションに振ってもいい。グリーンのフーディーにスウェットパンツのセットアップ、頭にNEWERAのDPW別注キャップを合わせたのが下記の画像。実物を見たい、もしくは、試し履きしたい方は、渋谷と原宿の間くらいの明治通り沿いにあるサッカニーの路面店に行くことをオススメしたい。地下にSILO シリーズが全種類あり、トレッカー エスも置いてあるので是非手にとってみてほしい。素材感の素晴らしさも分かると思う。



僕にとって、このトレッカー エスはアウトドアシューズというカテゴリーでありながら、ファッションとしても抜群におしゃれなので非常に使いやすいのだ。カフェに行く時も、自転車移動の時も、山に行く時もこれ一つでこと足りてしまうから。とくにこれからの季節は、朝晩が冷えて霜が降りることもあるため、泥道にも強いVibramソールが心強い。次は、千葉の鋸山にも登ろうかと思っているところ。兎にも角にも、こいつがいれば街でも山でも最高の週末になることでしょう!
Saucony SILO TREKKER S
| 価格: | 4万700円 |
| スペック | |
| サイズ: | 22cm-30cm |
| カラー: | PINE/SAND(着用カラー)、BLACK、MAUVE/SHALE |
| 重量: | 432g(片足28.0cm) |
ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑108
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