mont-bell エクスペディション トレールパック 100

世間のキャンプブームは落ち着いてきていて、キャンプする機会が減ると思いきや山の上でテントを張って宿泊する縦走登山がマイブームだ。2月の厳冬期に東京最高峰の雲取山でテントで寝たときは氷点下6℃まで下がったものの、信じられないほど美しい星空と朝焼けに感動した。寒い時期に生活道具一式を背負って山に登る際には大型のバックパックが必要不可欠。今回は、海外遠征登山や放浪旅が好きなバックパッカーに最適なmont-bellのエクスペディショントレールパック100の偏愛っぷりを語りたい。
私は、mont-bell(モンベル)のエクスペディショントレールパック100を愛している。なぜこれほどまでに惚れ込んだのか?
創業者である辰野勇氏が1975年、当時28歳の誕生日にモンベルを創立した。2025年で50周年を迎える。モンベルは、もはやアウトドアブランドだけにとどまらず、食を提供するレストランハーベステラス、ベルサイドカフェ等もあり、ジャパンエコトラックの設定や紹介等も行っている。ジャパンエコトラックとは、トレッキング・サイクリング・パドルスポーツ(カヤックやパックラフトなど)といった人力による移動手段で、日本各地にある豊かで多様な自然を体感し、地域の歴史や文化、人々との交流を楽しみながら、アウトドアアクティビティをプラスした旅のカタチ。さらには、SEA TO SUMMITという海から山の頂上まで、カヤック、自転車、登山で目指すイベントも開催。地域と自然、ローカルと旅人をつなげるきっかけや新しい文化までクリエイトしていると言っても過言ではない。
ブランドのコンセプトのひとつが「function is beauty」。日本語では「機能美」という意味。機能的なウエア、ギアを、安価に、そして、幅広くラインナップしてくれるのはユーザーにとって非常にありがたい。WEBページも非常に見やすく、ほんの少し調べようと思い、スマホをタップしてしまうと、あっという間に時間が経ってしまうので注意が必要である。

今回偏った愛をぶつける対象はバックパックだ。僕が以前から15年以上愛用していたのは、モンベルのゼロポイントブランドから出ていたアルパインパック120というモデルだった。120リットルは国内市場でももっとも大きく、あらゆる海外旅や山へ連れ添った相棒だった。ところが、加水分解による劣化でとうとう使用が厳しくなったため、新たに手に入れたのがエクスペディショントレールパック100だ。名前の通り、エクスペディションな旅にも耐えうる大型バックパックである。

大きければ大きいほどいいのが旅用バックパック
この巨大なモデルがいい理由は、3つ。長い期間をかけて縦走登山する際に衣食住に関わるいろいろな物が入れられるという点。たとえ山小屋が多くあるルートだとしても、飲み水やクッカーで料理する際の水は自分で持たなくてはならず、食糧、防寒着、着替えなどもあるため、筋力がある僕は大きいに越したことはない。
もう1つは、たまにポップアップストアや店舗のスタイリングの仕事をする際に(自転車キャンプやモーターサイクルキャンプの展示など)とにかく物が積めるという点。すなわち、スタイリスト業務に最適。最後に、海外放浪旅にもいいという点。2024年の9月に中国のウイグル自治区へと16日間、主に鉄道旅をしたのだが、貧乏旅行的なバックパッカーの時にいい。行きよりも帰りのほうが衣類やお土産などがどんどん増えるのと、1箇所に滞在するのではなく転々とするので、背負えるタイプのほうがフットワークが軽くなるという理由から。残念ながらスーツケースは、治安の悪いエリアでは強盗に狙われやすい。

登山用に素晴らしいバックパックはたくさんあるが、海外旅行用にもいいバックパックは案外少ないのだ。まずは、以前のモデルから継承されている部分。左右に大きめのナルゲンボトルなどを入れられるポケットがあるところ。海外だとほぼ水道水が飲めないので、ペットボトルの水を買うことになるが、2リットルや3リットルといった大きめの物も横に入るほうがいい。中国の場合は鉄道に入る際にセキュリティチェックが非常に厳しく、必ず蓋を開けて匂いを嗅いでいた。
また、ヒップベルトが分厚めなので、安定感があること。荷重がショルダーハーネスだけだと肩が疲れてしまうが、腰椎にしっかり乗せられるので、どんなに重くなっても安定する。海外だと鉄道の来る時間が曖昧、長蛇の列で人もごった返すので、荷物を足元に置けず何分も立っていなくてはならないため、安定感は最重要課題だ。


ロゴマークがプリントだと長年使っていくと剥がれてしまう可能性があったり、リフレクター素材だと縦走登山にはいいが、海外バックパッカー旅だと目立ったり、かえってNG。理由は日本人だと分かり、狙われやすくなるから。もし、治安の悪い国に行くのならば、ステルスカラーに塗っておいたほうがいい。


前回モデルに比べてアップデートしている部分は、まず全体的な重量が軽くなっているところ。強度の高いリップストップナイロンをふんだんに使っていながら、本体の軽量化がなされている。つまり、強度アップしても重くなっていない。背負い心地も格段にレベルアップ。また、背面長がショルダーストラップの上部を外すことで簡単にできるところもいい。一度バックルから外して、S,M,Lとあるホールに付け替えるだけ。デフォルトではMになっていたので、身長182cmある僕に背中に合わせるとLがちょうど良かった。背面のSUPER WISHBONEというフレームが背骨にそっているので、腰への負担が少ない。
雨の日には別売のアクアバリアサックを
前述の通り、山岳登山のために作られているので、縦走登山に最適なのは言うまでもない。本体に防水性はないので、アクアバリアサックという内側に入れる防水バッグで対処すれば問題なし。もしくは、レインカバーをつけることも可能だ。


縦走登山全装備を並べてみた
左上からプラズマ1000アルパインダウンパーカ、その右側がpeakdesignの衣類メッシュバッグ(着替えやレインパンツなど)、DONKEのカメラバッグ。中段はムーンライトテント1型、グランドシート、クライミットのインフレータブルマット、シングルバーナー、クッカーのセット、エマージェンシーキット。下段は、ブラックダイアモンドの登山用ヘルメット、ドライシームレスダウンハガー900 #3の寝袋、インフレータブルの枕、モバイルバッテリーなどが入ったポーチ、リゾッタガパオ味のドライフード、ブラックダイアモンドのヘッドランプ、モンベルの保温ボトル、ナルゲンのボトル、お財布、防寒用グローブ。これで縦走登山ができるギア類は全て入っているが、それでもまたバックパックには余裕があった。

ソロキャンプが好きな人は次は縦走登山にチャレンジしてほしい
コロナ禍でソロキャンプを始めたという人は多いと思う。その後、キャンプをやめてしまった人も多いそうだが、ソロキャンプの道具をこちらのエクスペディショントレールパック100に入れて、縦走登山旅や宿泊を兼ねた登山旅をしてほしいと思っている。とくに小さくなるシングルバーナー、チタンのクッカー、ナイフ類はそのまま山でも使え、登山用のシューズ、アルパインウエア、山岳テントさえあれば簡単に始められ、健康にもよく、素晴らしい自然の中を歩くことでメンタルを整えられるというおまけまで付いてくる。冬場の高い山に行くにはアイゼンという登山靴に付ける金属の爪がついた用具が必要になるが、低山であれば軽アイゼンだけでいい。なので、公共交通機関+キャンプ場+低山という組み合わせにすればいいのだ。例えば、千葉県のCCCキャンプ場と伊予ヶ岳(標高336m)のセットやサンビレッジ金谷キャンプ場と鋸山(330m) のセットなどがいい。
海外遠征登山旅、国内縦走登山旅、スタイリスト向けのバッグ、海外放浪バックパッカー旅とオールマイティーに活躍するエクスペディショントレールパック100はとにかくオススメだ。

モンベル エクスペディション トレールパック 100
価格: | 2万7490円 |
仕様 | |
素材: | 【本体】420デニール・バリスティック®ナイロン・リップストップ[ウレタン・コーティング] 【底部】1000デニール・バリスティック®ナイロン・リップストップ[ウレタン・コーティング] 【背面】EVAフォーム |
重量: | 1.87kg |
カラー: | ネイビー(IND) |
容量: | 100L(高さ90×幅42×奥行き33cm) |
背面寸法: | 49、53、57cm |
機能: | 調節可能なトップリッド/隠しポケット/デルタリッド/サイドストラップ/樹脂テープ/ワンドポケット/チェストサポート/トレールウォーターパック対応 |
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