日本のメディア初!アウトドアブランド「マムート」のスイス本社にモノ・マガジンが潜入!

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マムートと言えばどんなイメージ? そんな質問をアウトドアマンに投げ掛ければ、岩屋はクライミングロープと言うだろうし、ハイカーはシューズやバックパック、またある人はアパレルと答えるかもしれない。そんな多才なマムートの本質を探るべく、我々は本国スイスへ。製品が生まれる背景を本社取材を通して感じ取った。

マムートの中枢──ここがスイスの本社だ

スイス最大の都市であるチューリッヒから西へ約30キロ。中世の古城も残る田舎街、レンツブルグの郊外セオンにマムートの本社はある。ここは、1862年にロープ職人のカスパー・タナーが家族経営の事業を始めた、ディンティコンの村から数キロの場所。世界中で愛されるグローバルブランドでありながら、彼らはルーツに敬意を払い、ローカルに根を張っている。

そもそも農家のためのロープを供給していた彼らがヨーロッパ有数のアウトドアブランドになったのは、その頑丈なロープがアルプスに挑む登山家から高い評価を得たことに始まる。しかし、この161年という歴史は、ロープ一本槍……もとい、一筋縄で築かれたものではなかったのだ。マムートは1950年代から本格的に登山製品作りにシフトしていく。クライミングギアに始まり、アパレル、シューズ、バックパック、寝袋、セーフティギアなど、現在に通じる幅広い製品を展開。過去のイノベイティブなコレクションが血となり肉となり、今の雄々しいマムートを形作っているのだ。

1952年には最初の氷河用ロープを発売。クライミングロープのルーツとなるツイストナイロンロープの先駆けに。ちなみに昔はマムートのマンモスは顔が左向きだったが、未来に向かうという意味を込めて途中で右向きに変更された。

その商品群から総合アウトドアブランドと呼ぶべきだろうが、今回の取材を通してその認識が少し変わった。なぜなら、各カテゴリーがそれぞれ専業ブランドのような技術力をもっていると知ったから。たとえば寝袋は1855年創業のノルウェーのメーカー「アユンギラック」、アバランチビーコンのバリーボックスは「スノーパルス」、登山靴づくりの技術は「ライケル」など、各分野のリーディングカンパニーを傘下に収め、ひとつのブランドとして成長を続けている。これが信頼されるマムート製品の地位を確固たるものにしているひとつの理由でもあるのだ。

また、そうした機能性や快適さと並立して、高レベルでの環境配慮が行われているのもブランドのアイデンティティだ。彼らは環境問題が取り沙汰されていなかった1990年代からすでにリサイクル素材を使用しており、現在もエコロジカルフットプリントの減少に積極的に取り組んでいる。

160年以上続く歴史を、製品や映像とともに振り返れるヒストリーウォール。オフィスへ向かう動線上にあり、来客はもちろん、社員がその歴史を感じられるようにしているのだという。

シェーファーCEOに聞いた!マムートが大切にしている3つの指針

「マムートは世界50カ国以上で展開していますが、なかでも日本は毎年売り上げを伸ばしている注目の国のひとつです。とくにアパレルはアウトドア・アクテビティのみならず、街着としても活用いただいています。そんななか、私たちの161年にわたる歴史の一部を、こうして日本の読者にお伝えできることを大変嬉しく思います。取材を通して各部署の担当者の声を届けていただきますが、私からは、製品を作る上で我々が大切にしている3つのことを紹介します。

ひとつ目は、アウトドアブランドとして優れた「パフォーマンス」を追求することです。すべてのテクノロジーは、高山や岩山など、過酷な環境に対峙するために編み出されたもので、製品のカテゴリーや用途に合わせてそれらの技術を落とし込んでいきます。

ふたつ目のポイントは、資源に対する「レスポンシビリティ」。自然はマムート製品が使用される場所であり、私たちの情熱の源。だからこそ、すべての製品で環境負荷を軽減する努力をするのは責務なのです。

そして3つ目は「コンフォータブル」であること。極地に挑むアドベンチャー向けの製品も、レジャーや都市生活で使われる製品も、その使用シーンやプロダクトに則した快適性を追求しています。

これら3つの事柄は、マムートの製品すべてに共有されていることで、そのひとつでも欠いた製品は存在しません。これを念頭においてマムートのプロダクトを見ていただければ、きっとレベルの高さがお分かりいただけるはずです。ぜひ、製品開発チームの話からも、マムートのフィロソフィーを感じていただければと思います」(本社CEOハイコ・シェーファー さん)

プロダクトチームが語る「マムート」の魅力

マムートというブランドを語るには、あるひとつの側面を見るだけでは不充分。それぞれのカテゴリーで製品開発の担当者に話を伺い、魅力を探った。

■クライミング部門~ロープから始まったマムートの誇りを繋ぐ

「PPE(個人用防護具)としてクライマーの命に直結するギアなので、間違いは許されません。ユーザーのフィードバックやコンピュータによるシミュレーションだけでなく、あらゆる角度から安全性を徹底的に追求する必要があるため、社内には試験装置を設け、試作と検証をすぐに行える環境が整っています。その小さなアップデートの成果が現在の製品というわけです。W杯で優勝しているクライマーの森 秋彩さんも使っている『センダーライトハーネス』は、重量わずか230g。機能性を求めながらもリサイクル素材を採用し、環境にも配慮しています」(クライミングギア部門 マグナス・ラスティム さん)

ハーネスの強度をテストする落下試験装置。このほかにも、カラビナのひっぱり試験や国際規格を満たすロープの試験場も社内に備える。

■バックパック部門~行動を邪魔しない快適な使い心地を

バックパック作りで一番気にしているのは、長時間使っても不快にならず、使用者が行動に集中できること。そのためにプロ・アマ問わず寄せられる意見に耳を傾けますし、大学と協力した研究によって新技術を開発することもあります。あと、意外と知られていませんが、男女での体格差に合わせた細かな設計を行っているのも特長です。市場には背面長の違いだけで作り分けているブランドもありますが、用途によってそれだけでは不十分。マムートは背面長はもちろん、ショルダーストラップの形状や取り付け位置、ヒップベルトまで作り分けています。(バックパック部門 エリアス・ウェルリン さん)

壁にかけられた無数の製品サンプル。バックパックはとくにクライミングギアやアパレルとの連携が求められるため、緻密な設計が必要となる。

■シューズ部門~山靴専業メーカーのノウハウをすべての靴に

「マムートのシューズは、外部の靴メーカーで企画されるOEMではなく、テクノロジーも含めてすべて自社で開発しています。マムートブランドとして広くシューズを展開したのは2009年からですが、そのノウハウは、1909年に創業したスイスの登山靴メーカー『ライケル』が蓄積したものです。ライケルはもともと、登山靴やハイキングシューズなどに注視してきたブランドですが、マムートが培った山での経験を取り入れることで、テクニカルなレンジにも商品群を広げ、今ではトレランやアプローチシューズの開発にも活かされています。(シューズ部門クオリティマネージャー ロメオ・ハイターさん)

モデル、サイズ毎に作られるラスト。用途によって足の使い方も快適さの考え方も違うので、一般的な靴以上に深い知識が必要になる。

■アパレル部門~自然を慈しむためのアウトドアウェア

「私がもっとも伝えたいことは、マムートの製品はエクスペディションモデルがすべての源流になっているということ。より良い性能を追い求めた末の技術革新が、すべての製品に波及していくのです。23年の秋冬はスノースポーツに注力したのですが、アスリートのジェレミー・ハイツと作った『アイガーフリーシリーズ』はその最たるもの。タフな素材使いやパターンの探求など、各所に何百時間も費やしています」 (アパレル部門プロダクトマネージャー ティム・フェルン さん)

「機能と快適性を担保しつつ、環境に配慮した素材を使うことも私たちが取り組んでいる重要なミッションです。とくにPFCフリー製品への移行というのは今が過渡期。最近のPFCフリーDWR加工のシェルは、使用後にきちんと汚れを除去すれば高い機能性が復活しますし、製品を通して業界のマインドシフトに貢献できればと思っています」(アパレル部門 ヘレナ・テーバ さん)

アパレル部門には自社内でプロトタイプを作ることができる設備があり、工業用ミシンだけでなく、防水透湿メンブレンのボンディングマシーンの姿も。

マムートが力を入れる環境への取り組み

「WE CARE」というスローガンのもと、具体的な目標を掲げているマムート。豊かな自然と人が末長く共存できるよう、彼らは先進的な取り組みを行っている。
「私たちは、アウトドアブランドとしてもかなり早い2008年の段階からFair Wear財団に加盟し労働環境改善に目をむけ、環境負荷の軽減という観点においても、bluesign®やHiggといった第三者機関の監査パートナーとの取り組みながら、より良い環境作りに努めています。
またプロダクトチームが作業をしているエリアに通じる廊下には、2025年までに私たちが達成するべき数値目標が項目ごとに示されたウォールがあります。ここではカラビナの数で現在の達成率がひと目でわかるようになっていて、たとえばPFCフリー製品の割合は90%まできたけど、全体におけるbluesign®製品の割合は課題だな……と、スタッフは常にこの数字を日々目にすることが可能。みんなで現状と課題を共有しています。
変わった取り組みでいえば、大気中の二酸化炭素を石にして除去する技術をもつ『クライムワークス社』との提携。地球温暖化防止に貢献する、新たな活動も行っているんです」(CSR担当 エイドリアン・フーバー さん)

マムート スポーツ グループ ジャパン 03-5413-8597
https://www.mammut.jp/

Photo/中矢昌行 Text/鈴木純平

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