monoという名のタイムマシン 43年前に創刊、昭和58年6月のモノ・マガジン(12号)

2025年7月29日現在、最新号は964号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと36号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。
ちなみに昭和58年(1983年)6月の出来事はというと・・・
◎1972年3月2日に打ち上げられたパイオニア10号が海王星の軌道を横断
◎アメリカ人初の女性宇宙飛行士が乗ったスペースシャトル、チャレンジャーの打ち上げ
です。

※画像はクリックすると拡大表示されます。

ハイ、これが12号の表紙です。パーソナル無線特集なんですが、メインの写真は45mの水圧に耐えるSEA & SEA社のカメラ「モーターマリン35」。ガジェット感丸出しのデザインが実にいいですね。きっとパーソナル無線機よりも、こっちの方が映えたんでしょうね。

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表紙をめくって最初の広告が「KAGOME朝市」。半分に切ったレタスが真ん中にドーンとあって、瑞々しくも健康志向なデザインですね。原稿の中に何度も何度も「セルリー」と出てくるんですが、これは「セロリ」のことです。

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その次にSUZUKIのスクーター4連チャン。とにかくみんな赤。それぞれのロゴも赤。流行ってたんですかねぇ、赤が。

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目次です。右のページは、缶に入った「浅田飴」の広告です。故・永六輔さんのCMナレーション「せき・こえ・のどに浅田飴」を思い出された方、少なくないんじゃないでしょうか。

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で、今号も記事の初っ端は「LINE・・UP」。15ページで11アイテムを紹介してます。少しずつこのページ減って、特集のボリュームが増えてきているようですね。それはさておき、今回のラインナップは、「★距離30cmの.44マグナムをストップする防弾チョッキ」「★超ド級HiFi感覚Nakamichi mobile sound system」「★マニア垂涎のバタフライナイフがついに日本発売!」「★日本全国不眠症だらけ!今、爆発的プームの『ザX”』」(「ザX”」は「ザエッグス」と読みます)「★海の中でもバカチョン時代。45m耐圧のオートカメラ」「★これからのインテリア。ブラインド・シャッター登場」「★英国名門校のトラディションがアイウェアになった」「★走りは美しい足もとから始まる。ホイールのA・B・C」「★ただいま到着!ホッカホカのロスアンゼルスみやげ」「★風を意識して作られたウインドサーフィン専用ウェア」「★ハードに着こなせ!男のプランド “ウォルターウルフ”」。

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1953年6月1日に発足したアメリカ空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」。1982年にフォーメーションの4機とメンバー4名を喪う事故で、あわや解散・・・とはならず、使用機材をT-38AからF-16Aに機種転換し、1983年4月2日に再デビューを果たしました。これを記念して作られたスペシャルグッズ。缶入りオイルライター、ファイル、そしてNASAの宇宙開発技術から生まれた新素材 “タイペック” 製のジャンパー。みんな当時はきっとよく売れたんだと思います。

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そして、当時のモノマガ読者をお待たせしてしまったのか、もしそうだったら申し訳ないんですが、「monoジャン」ができたそうです。先のサンダーバーズのジャンパーと同じく、こちらも “タイペック” 製。スタンドカラーとフード付きに加え、エプロンをラインナップしてます。こちらも売れたんでしょうか?

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「新着、シャーパーイメージ第2弾」は、シャーパー・イメージ社の通販カタログを紹介してます。今となっては、こんなもの売っちゃダメですよ的なモノも入ってますけど、なんとも楽しいラインナップ。海外通販が素敵でしょうがなかった時代ですから。

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「OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」で気になった記事は「台所の配置がえを手軽にしたキャスター。冷蔵庫用なのです」。その内容は「アメリカのフォルトレス社は世界で一番大きいキャスター製造会社。今度は冷蔵庫用として特別なキャスターを作り人気を呼んでいる。台所の主である冷蔵庫を自由に動かしてしまおうというもの。4コのキャスターを冷蔵庫の下に簡単に取りつけるだけでOK! 最高600lbs(約272kg)の重さまで平気とスーパーストロングキャスターなのである。とにかく台所の冷蔵庫って一度おいたらなかなか動かしにくいもの。従って台所の配置がえはもちろん日常のそうじもままならなかった状態。だからこのキャスター、にくいアイデアだと思うのです。冷蔵庫を動かすなんて大胆なことを手軽にやってのけるのだから。調節可能なロックナット付で安全。ダブルフォルド・ブリスターカードは床も冷蔵庫もいたませないもの」。ナルホド! なかなかいいアイデアじゃないですかね。

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「WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」からは、「イギリスで弾痕のある車が激増」という記事をピックアップ。実に物騒なタイトルですが、実はこんな内容。「これ日本で売ったら、たちまちベストセラーになること請け合い。なに、なにを売るの?・・・・・・慌ててはいけません。写真は、殺人現場で刑事が弾痕を調べているのではなく、ごっこをしているだけ。で、その売り物て一のが、車のガラスに貼りつける “弾痕スティッカー”。イギリスでもテレビでドンパチものが流行っているせいか、こんな他愛もないイタズラ・スティッカーに人気が集まっているとのこと。この “弾痕スティッカー” には窓ガラス用とボディ用の2種類がある。お値段のほうはガラス用穴が3枚とボディ用の穴4枚のセットで約300円。まとめて買って “俺達に明日はない” 風にアレンジしてもオモシロイかもネ」。何度も出てくる「スティッカー」は「ステッカー」のことですね。他愛もないで済むのか、済まないのか、これを貼って、いろんなところを走ってみればわかります。

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ノベルティを紹介する「My Novelty」の第2回はホンダのCITYに続き、ラングラーの登場です。いいですねぇ〜。いやホント、今でも欲しくなるようなモノばっかりがずらっと並んでます。ラングラー・キャンペーンの「アメリ缶プレゼント」って聞いて、涙する御仁もいらっしゃることでしょう。

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続きまして、「特集 ベーシックファッション研究」。ファッション特集を8ページでやってます。リードは「流行なんて知らない。ボクたちは永遠不滅のモノを愛する」です。内容はというと①「ジーンズの原型が今も生き残る〈リーバイス501〉」、②「本物と呼べる数少ない一本が〈リーライダース〉だ」、③「今年の夏もこれしかない。アメリカ人のライト感覚が生んだ〈ヘインズ〉」、④「〈B.V.D.〉の丸首シャツとブリーフ。その着心地のよさは親父も体感済みだ」、⑤「〈コンバース〉初体験をするならばオックスフォードの白しか考えない」、⑥「“良き物は真似される” 実証を〈クラークス〉に見る」となっております。

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でもって、今号のメイン特集。14ページでお送りするのは「●特集 パーソナル無線 エレクトロニクスが電波を解放した」です。今となっては特集されにくい内容ですが、ネットもスマホもない時代ですから、リードでも最後を「エレクトロニクスが拓いた新しい電波に、みなさんピッピッ。感度はいかが?」と、RCサクセション風に締めてます。内容もわかる人にしかわからないと思いますが、一応お伝えしときましょう。「●PART1 じっくり見つめると機能がわかる、CM-1のパネル」、「●PART2 ROMを送るとROMが返ってくる、それで免許取得!?」、「●PART3 誰でもできる取付実践講座。準備がすべてを決める」、「●PART4 いよいよ交信開始、はいいが、まだお友だちが少なくて」、「●PART5 パーソナル無線で広がるコミュニケーションの “ワ”」、「●PART6 ズラリそろった各社の第一世代機。個性的な顔はどれ」という感じです。

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さらに、15ページを使ったモノクロページの企画「インスタント食品総点検」。「ナポレオンに食べさせたかったなあ即席ラーメン」というインスタント食品の歴史から始まり、ラーメン、カレー、和風・洋風のインスタント食品がずらっと並びます。で、現代のレーション(戦闘糧食)がきて、締めくくりは宇宙食。モノ・マガジンっぽい並びです。

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今回最後に紹介するのが「戦後ヒット商品の系譜 玩具編3」。クローズアップするのは「超合金」です。その最初の商品にして爆発的にヒットしたのが、永井豪原作で知られる「マジンガーZ」。ポピー(現・バンダイ)企画・開発。ダイキャスト(亜鉛合金)を素材とし、それまでにない重量感を持ったロボット玩具。ページの左上に掲載されているのは、「超電磁ロボ コンバトラーV」。“変型・合体システム” を最初に完成させた商品だそうです。

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では、次回の昭和58年7月(13号)をお楽しみに!

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