monoという名のタイムマシン 昭和59年3月のモノ・マガジン(21号)

2025年12月10日現在、最新号は972号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと28号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。

※画像はクリックすると拡大表示されます。

ハイ、これが21号の表紙です。この号では、「LINE・・UP」で紹介している旧ユーゴ製「テレフォンET-A80」が鎮座ましましてます。ダイヤルフォンって、まだ一部では使われてるようですが、もうほぼほぼ目にすることがなくなりましたね。若い人の中には「見たことない」なんて人もいるでしょう。時の流れって、恐ろしいですね。

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表紙を開いて最初の広告は、Nationarl(現・パナソニック)のビデオデッキ「Hi-Fiマックロード850HD」です。この号はビデオの特集をしてるので、当然、そちらの方でビデオについて触れたいと思います。なので、ここでは何も書きません。

ちなみにデッキの上で踊っているおふたりですが、向かって左は俳優の中村雅俊さん。右は作曲家の小林亜星さんで、TVドラマ『寺内貫太郎一家』では主演としてバイオレントに大活躍されてました。

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目次です。右ページの広告は、SONYの「ベータマックスHF66」。繰り返しになりますが、この号はビデオの特集をしてるので、そちらの方でビデオについて触れたいと思います。なので、ここでも何も書きません。

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で、今号も記事の初っ端は「LINE・・UP」。8ページで7アイテムを紹介してます。特集がボリューミーになりつつあるこの頃、だんだんボリュームが減ってます。今回のラインナップは、

★読書家のアナタに送るイッティビッティ・ブックライト
★西独より上陸! これがシャフト・ドライブ自転車だ
★サープラス心をくすぐる超安価のパイロット・ヘル
★ステイタスに合わせ使いこなせ! 海外面白電話機
★使い方いろいろでDIY! 新製品ベルクログッズ
★君の情緒は安定してる? 松下バイオフィードバック
★世界初の指先入力電子メモ “カシオ・データバンク”

中でも気になった記事は、「使い方いろいろでDIY! 新製品ベルクログッズ」。フック面とループ面が結構強めに結合して、引き離すときにバリバリいうアレを使ったさまざまな製品をまとめて紹介してます。よくまあ、いろいろ考えるもんですね。ちなみにベルクロはオランダのベルクロ社の、マジックテープは日本のクラレ社の登録商標で、一般名称は「面ファスナー」です。

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今、日本で買えるサムのL.A.オリンピック・グッズ イーグル・サム大集合!」はカラー5ページ構成。そう、昭和59年(1984年)はロサンゼルスオリンピック(第23回夏季オリンピック・ロサンゼルス大会)の年。この号が出たあとの7月28日に開催し、8月12日に閉幕。スポンサーを集った初の商業五輪としても注目を集めましたよね。その公式マスコットキャラクターが、アメリカの国鳥であるハクトウワシをモデルにした「イーグル・サム」。日本では41社が300種以上のさまざまなキャラクター商品を作ったというから、当時の盛り上がりようは押して知るべし。

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カラー6ページの「在米日本人主婦が選んだアメリカ日用品カタログ」。後ろの4ページに並んでるさまざまなアイテム、今見ても楽しい、欲しい。主婦の目線は頼もしいですね。

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OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」で、今回、気になったのは「酒は社会の迷惑です。といいながら自分で造ろう」という記事。「かなりややこしい話なので、じっくり聞いてほしい。」というのがその出だし。「ビールやワインというのは、自分で作っても罪にならないので、自家製ワインやビールの製造キットも売っている。では、ジンやウィスキーはどうなのだ。ワインがよくて、ウィスキーがいかんというのは、社会的差別なのではないか。(改行)もっと深めに解説すると、醸造酒はいいのだが、蒸溜酒はいけないのだ。醸造というのは、モノとカビがあれば地球上どこでも起きてしまう(南極はこういうとき常識的に除外して考えるのだ)。だが、蒸溜は機械を使ってわざわざやるので、恣意的になるのだ。(改行)それでは、蒸溜酒を醸造酒として作ったらどうだろう。これなら問題はないのである。調査に来た国税庁のお役人も、これは違法とは言えない、と結論を出して帰って行った。天下晴れて、これは認められたのだ。(改行)しかし、何がどうなっているかは、一切がトニー・カーソン氏の企業秘密なので、明らかにはできない。長い研究の結果、あるフォーミラを作り出し、これを発酵させればジンの味になることを発見したのである。(改行)トニー・カーソン氏はもともとクラシック・ギターの奏者。指をケガして休業状態のときに〈酒さえあれば〉と思ったのだそうだ。そこでインスタント・ジン&トニックを考案した。」。結局のところ詳細はなにもわかりませんという話でした。

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WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」でありゃっと思ったのは「ワクワクしないテレビの告白」という記事。本当にワクワクしない話です。「英国のカメラマンが、初めてアメリカを訪れ、バス・ターミナルの待合室で有料テレビ・セットを発見して、さっそくワクワクわーるど編集部に取材した写真を送ってきた。『アホ、そんなテレビ20年前からアメリカのバスはおろか空港ターミナルなど、どこへいってもお目にかかれる代物。もっと珍しいワクワク取材せんとあかんよ!』と編集長は怒鳴ったが、じつをいうとボクもアメリカいったことないので、これを見るのはじめて。だとすれば、読者のみなさんのなかにも、まだアメリカへいったことがなく、こんな有料テレビ見たこともないというひとの4人や5人はいるはず。つねに少数派の立場を擁護するボクとしては、そこであえて掲載にふみきったところ。編集長は怒るだろうが、そのときは『あれ、キャンセルしたはずだがな』とかなんとかゴマ化すつもりですねん。」って、ページが埋まらなかったんだな、きっと。

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My Novelty」はカラー4ページ構成。今回は「ペンタックス(現・リコーイメージング)」です。ノベルティのウェアを纏うモデルさんたちが時代感あります、というか撮影のせい、印刷のせい? 「ドリトル先生航海記」をもじったサブタイトル「撮り取る先生乞う買い機」も時代感出てます。時代感出てるというより、その時代そのものですね。

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続きまして、カラー5ページ構成の「無印良品 モノが自立した。これは、ニュースだ。」。西友のプライベートブランドとして、1980年にスタートした「無印良品」。この号が出た前年の1983年、東京・青山に初の路面店をオープンしました。この記事の最後のページの左上に小さな囲みで「700種類以上もある、“無印良品専門店” がこのお店。スペースの都合により、あいにく全種類揃ってはいないが、注文すればすぐに取り寄せてくれる・・・」というキャプションが付いてました。ちなみに1989年に良品計画として西友から独立してます。

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そして、「特集 最新ビデオ大研究」。カラー16ページ、モノクロ15ページの特集です。表紙を開いて最初の広告は、Nationarl(現・パナソニック)の「Hi-Fiマックロード850HD」、そして目次対抗の広告がSONYの「ベータマックスHF66」でした。で、ビデオテープには1975年発売の「ベータマックス(Beta)」と1976年発売の「VHS(Video Home System)」があって、このふたつが攻防を繰り広げてたんですね。前者はカセット自体がコンパクト。後者は前者よりやや低画質でカセットが大きめ。これだけ見て考えると前者の方が圧倒的に有利な気がするんですが、結局のところ後者が勝利したのは、みなさんご存知の通り。というか、若い人はベータもVHSも知らないでしょ。テープじゃなくてデータの時代ですからね。

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最後にモノクロ6ページ構成の「ウインター・バイク・ウェア・テストリポート モノ・マガジン極寒を走る!」。最初の見開きは4名のライダーが極寒の中、バイクを走らせ、ラーメンに続けてアイスクリームを食い、お腹を壊すという話。あとの4ページで、それぞれのウェアを徹底解析してます。

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では、次回の昭和59年4月(22号)をお楽しみに!

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