「DEFENDER EXPERIENCE TOKYO 2023」で
ランドローバーの世界観を体験してきたゾ!!

ロイヤルワラントのSUV

高級ブランド、レンジローバーを抱える英国屈指のSUVメーカー、ランドローバー。同社のディフェンダーは主力モデルとして世界各地で活躍している。そして同ブランドは英国王室御用達の「ロイヤルワラント」を下賜された由緒あるモノだ。

今回、東京・豊洲でそんなディフェンダーの世界観を体験できるイベント、「DEFENDER EXPERIENCE TOKYO 2023」が開催された。ディフェンダーは貴族が自分の領土を走り、その広さを再確認するクルマとしての側面もあったことから、催しも華やかなモノに。例えば海外のヨットレースよろしく一部の招待客には前夜祭パーティからプログラムが用意されており、モデルで歌手のSumireさんのが歌を披露。また期間中はプロボクサーの名須川天心選手など多くの特別ゲストが毎日来場し、ステージを盛り上げていた。

メーン会場では「ディフェンダー110 CARPATHIAN EDITION CURATED FOR JAPAN(カルパチアン・エディション・キュレーテッド・フォー・ジャパン)」が初披露。同車は2024年モデルに設定された限定グレードに人気オプションを標準装備させた100台限定の日本専用特別仕様車。

搭載されるエンジンも日本初導入の5リッターV8のガソリンエンジン、スーパーチャージャー付きのそれから発揮されるパワーは525PS/625Nmのスペックを誇る。価格は1749万6100円から1770万5100円までとインテリアの仕様によって異なる。購入特典として優れた走破性を体感できるオフロードエクスペリエンスイベントに招待予定という。

3台のディフェンダー

会場入り口には3台のディフェンダーが並ぶ。いずれもブランドの歴史を象徴するモデルだ。中央が初代モデルともいえる1948年に作られたシリーズ1。1600ccエンジン搭載でボディは腐食に強いアルミパネル。もちろんこれはクルマの軽量化にも一役買っている。

このシリーズ1は英国陸軍の特殊部隊S.A.Sに採用された実力「車」。第二次大戦後の中東ではこのクルマを砂漠に溶け込むようピンクに塗装し、「ピンクパンサー」と呼ばれ活躍。70年代生まれの筆者にはTVアニメのルパン三世セカンドシリーズのオープニングで登場するヤツという方がわかりやすい。

歴史の順だと、次はボンネットにタイヤを載せてるクルマ。これはシリーズ2Aと呼ばれる一台。シリーズ1からシリーズ2へモデルチェンジしたのは1958年。シリーズ2として作られたのは1961年までの3年間だけで同年シリーズ2Aへと進化した。

展示車両は1964年のモデル。ランドローバーの方程式に則ってホイールベースはロングとショートの2種類用意され、会場にあったのは後者の方だ。マニアック的な視点からすると砂漠など熱帯地方を強く意識しているサファリルーフと呼ばれる屋根が特長。これは2重構造で風抜けをよくしている。

1番新し目なモデルはディフェンダー90。展示車は1996年式。1990年のフルモデルチェンジをきっかけにホイールベースで呼ばれていた車名から正式に「ディフェンダー」のネーミングがつくようになった。ホイールベースを表す数字はサブネームとして今も残っている。

ワンダホーな体験

イベントは名称からして経験や体験がメーン。ジャンピングブーケやカッティングボード作成体験、ヨガ、オリジナルウォーターボトル作りなどオトナのキッザニア状態。オトナばかり楽しまないよう、ディフェンダーのラジコンもあるなど家族でも楽しめるよう配慮されている。

主催者側の方がいかにオトナか(笑)。英国の社会福祉政策のスローガンで「揺りカゴから墓場まで」というのがあったがイベントは子供から昔のコドモまで楽しめた。またオーナー向けには純正アクセサリーの展示販売も行われ、モノによってはその場でなんと無償で取り付けてくれるブースも。

ナマで絶叫寸前!?

デイフェンダーといえば、生粋のオフローダーでその性能は、当たり前だが普段使いでは経験できはしない。仮に未舗装路に行き、クルマ自体は岩場をガンガン乗り越えて行けるけど、そんな場所はレアだし、でもクルマがどのくらいの性能か体験したい! そんな筆者のワガママを叶えてくれるアトラクションがある。それはツインテラポッドと呼ばれる急坂の上り下りだ。

インストラクターの運転で高さ5m、最大斜度43度のスロープを走るアトラクションだ。「後ろの席の方が迫力ありますよ」とインストラクターに言われ即座に後席中央に陣取ると、後席の広さがまずびっくり。順番になりゆっくり走りだすディフェンダー。これが静かで力強く、乗り心地がいい。

そうこうしていると坂道入り口に到着。後席から見るそれはボンネットからスロープのラインが垂直に立っているよう。筆者、絶対こういうシーンに遭遇したら「見せてもらおうか、ディフェンダーの実力とやらを」とか言いつつ、勢いをつけて登ろうとするが、ここはイベントとはいえディフェンダーには狭い敷地内。この傾斜でも徐行ですか! と思わず言おうとしたが何事もなくスロープを登り始めた。

驚いたのは最徐行にもかかわらず、タイヤが滑ることもなくクルマが進んでいく。前は空しか見えましぇん。頂点に達すると下り用にスロープが動く。ちょ、ちょっと地面って壁だった? というくらい前は地面しか見えない。しかも下りも最徐行。ヒルディセントコントロールとはいえ何事もなく下りていく。地面にフロントを当てないようにする意味もあるがこの傾斜でこの速度で滑らずブレーキも踏まず進めるクルマの性能にびっくり。

続いて体験したのはバンク。その名の通り傾斜路をクルマがクリアしていくモノ。似非セーラーの筆者、ヒール(傾き)は大丈夫な気がすると、再び後席へ。斜路にはいると「転ける! 転ける! 転けるから!!」と言いたいのを飲み込み、車内の傾斜計を見ると22度を指しているが筆者の顔は引きつったまま。だってヨットは艇体にバラスト(錘)があるから転けても復元力があるけどクルマにはない。しかしディフェンダーは何事もなく進むのだった。

最後に体験したのはトレイントラックス。段違いの足場が互い違いに設定された道を行くモノ。さすがにこれは平気だったが、これだけの段差(しかも1輪は地面に設置していない)でも後席に座っている限り、車内はまったく普通。地面にタイヤが着地(?)するときはドン、とほんの少しの揺れがあり、ああ着いたな、とわかるくらい。試乗車はガラスルーフ装着車なのだがそのつなぎ目やボディからの音は一切しなかった。すごいゾ、ディフェンダー!

ラグビーといえば

ランドローバーはラグビーワールドカップのワールドワイドパートナーでもある。力強く頑丈なクルマはフルバックやフランカー(編集部注:いずれもラグビーのポジション)を彷彿させるし、多様なプレーに対応できる足の速さや懐の深さはフランカーやウィング(編集部注:いずれもラグビーのポジション)に通じるモノがある。

ブランドのアンバサダーを務める稲垣啓太選手は「ディフェンダーの力強さやクルマがもたらす探究心は自分のラグビースタイルと重なる」とし、松島幸太郎選手は「迫力と走りの力強さは選手としての持ち味に通じる」とラグビーワールドカップ2023を戦った2人の言葉だ。そして解説としても活躍し、現在医学の道に進んだ福岡堅樹さんは「医学の道に挑戦する自分はランドローバーの高みを目指す姿勢に共感します」と。この3人は最終日にはステージに登壇、大会のエピソードを披露してくれた。

ランドローバー
ディフェンダー
問 ランドローバーコール 0120-18-5568

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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