
2025年10月24日現在、最新号は969号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと31号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。
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ハイ、これが19号の表紙です。表紙に散らばってるのは、どれもユニークなかたちの貯金箱。そういう特集があるワケじゃなくて、表紙のために集められたモノたちなんです。要するに、モノ・マガジンを読んでいて欲しいものが載っててもお金がなくちゃ買えない、というのは道理。だから、まずはお金を貯めましょうよ、という感じのメッセージですね。
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表紙をめくって最初の広告は、スズキ「CULTUS」です。前号とまったく同じ広告です。同じなのになぜ載せているのかというと、前号の記事を読んでくださってる方なら、なんとなく想像がつくんじゃないでしょうか。そうです、今号も真っ赤な車なんですね。
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目次です。右ページの広告は、KENWOODのパーソナル無線です。みんながみんなスマホを持つようになった今、見かけなくなった製品って随分とあるんじゃないでしょうか。それと、この女性のスタイル、映画『ブレードランナー』(日本公開1982年)の影響がちょっとあるような気がします。
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で、今号も記事の初っ端は「LINE・・UP」。11ページで9アイテムを紹介してます。今回のラインナップは、
★覗くだけで距離が測定できるレンジファインダー!
★ナイフは万能ではない! そこでハンディソーの登場
★線引きと時計と計算機が合体したカリキュルーラー
★ついにアーミーウォッチもデジタルになったのだ!
★ミドルエイジに最適のコロナは豊富なバリエーション
★今見ている画面がプリントできるビデオプリンター
★空前のスタジャンブームにとどめを刺す本物中の本物
★全ヨーロッパが選んだ今年の最優秀カメラはこれだ
★家族皆んなで使い方いろいろシャープマイコンTV
で、「ミドルエイジに最適のコロナは豊富なバリエーション」のページなんですけど、トヨタのコロナ(クルマですよ)のラインナップを紹介してます。やっぱり、真っ赤なクルマがたくさん載ってるでしょ。
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カラー5ページ構成の「みつけたぞ宝島(トスワード)」では、東芝ワードプロセッサ NEW JW-1を紹介してます。当時にしてはいろんなことができたワープロなんでしょう。ところどころにワープロ文字を使った楽しいレイアウトなもんですから、全ページ載せときました。
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カラー6ページ構成の「ハーベストフェスティバル」。サンフランシスコで開催されたアメリカ伝統の手作り製品を一堂に集めた巨大クラフトマーケットのレポートです。とにかくいろんなモノが並んでます。全部手作りです。スゴいですね。
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「OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」で、今回、気になったのは「小さなシャワー付きの便利型洗面台」です。「よく見ていただきたいのは、女性ではなくその側にある白くて四角い物体のほう。折りたたみ式ビルトイン・シャワーなのだ。(改行)まず左は、ごく普通の洗面台。お湯をひねってジャージャーやる。そして右は、あれれ、洗面台を手前に倒して、右下のようにシャワー室の床面にしてしまう。周囲はほら、ごく普通のカーペットだから、ベッドルームの一隅にそのまま置いてシャワールームに。(給水・排水工事は別にちゃんとやってくださいよ)(改行)プラスチック製で、全体が軽量。38.76kgという信じられないほどの軽さだ。高さは2.12メートル、幅90センチ。日本でいうとタタミ半分くらいの小型なシャワー。使わないときは壁に押しつけて洗面台にするが、これだと奥行き40センチくらいのもの。どうです、簡単でしょう。(改行)シャワーを身近かに置いていないと安心できない人や、シャワーを浴びながら仕事をしたいという病気体質のかたに最適品。これだけ小さいのだから、オフィスにも1台いかがですか。(改行)イギリスも日本も狭いから、と思うでしょうが、注文は世界中から来ている。アメリカからも来てしまったのが、不思議なところ。きっとアメリカらしい別の使いかたもあるのだろう。(改行)イギリス国内価格は、495ポンド。商品名ベルグラヴィアBELGRAVIA。」。
この記事見て、思い出しちゃったんですよ。その昔、2階立ての木造アパートに住んでた先輩宅を訪問したときのことを。畳の部屋の真ん中に、これと同じように四角くビニール製のカーテンで囲まれたシャワー室があったんですよ。最初、見たときはなんのことだかわからず、思わず先輩に「これなんですか?」と訊いてしまいました。畳ですよ。その上にシャワーですよ。しかも部屋の真ん中ですよ。信じられないかもしれないけど、本当の話です。後日、排水管が詰まったかなんかしたらしく、1階の天井から水がダダ漏れ。1階では大家さんがクリーニング屋さんを営んでいたそうで、大惨事になったそうです。作ってないですよ。
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「WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」からは、「蒸気蓄音機のなる調べに想う」です。「蒸気機関からレーダ一果てはコンピュータまで、第一次産業革命以来この世を騒がせている元大英帝国。住む人びとは保守的なのか進歩的なのかさっぱりわからぬ奇妙な国。だからこんな発明も、な一るほど・ザ・イングランドてな感じだが、エネルギー危機を克服するためと、大上段に振りかぶった目的にしては、これまた涙ぐましいほどささやかな発明。飛びいでましたるは、これまさに “蒸気蓄音機” でござーい! ご苦労な発明の主は、イギリスのステーブルフォードでバラ園を経営するトニー・グレゴリー氏。見るからにクラシックな線を追求したデザイン。ターンテーブルを回すついでにお茶もわかせば、ティーケーキをこんがりとトーストする多重機能。不測の事態にそなえた消火器などなど特色いっぱい。しかも、ターンテーブルの回転速度は1分間回転から2000回転まで調節可能と、将来の高回転レコードまでうけつけるというのがグレゴリー氏のご自慢の種、この人、レーザー・ディスクのこと知らんかなと思ったものの、せっかくの発明にケチをつけるのもケチな根性と思い直す。 それにしても『1万ポンド出すならゆずってもいい』と、石炭くべて茶をすすり、ナツメロ以前のメロに耳傾けるこの人、やっぱり変わってるんだなーというのが正直な印象。」。
この記事読んでて、ウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングによる小説『ディファレンス・エンジン』をなんとなく思い浮かべた次第です。なんのことかわからない人はググってみてください。
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「PEOPLE & SHOP」では、電話機の専門店「テレフォンストアー」を紹介してます。家電(家の電話機の方ね)なんて無いってお宅も結構ある世の中から見ると、過去のテクノロジーのアーカイブのようにも見えて、なかなか味わい深いもんであります。
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モノクロ2ページの「ニューメカニズム入門 第4回 ★ラジコン潜水艦★ 気分はすっかりUボート艦長」。潜水艦といいつつも、水中にはほとんど電波が届かないため、水面からアンテナ線を突き出した状態でないと操縦できません。急速潜航などしようもんなら、2度遠目にかかれなくなるかも。透明度の高い池で、スイスイさせるのが楽しいんでしょう。
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「My Novelty」は、「ちかごろ、なぜか、きになるものがおおくて、僕、泣けてきちゃうのです。」と題して、キャンペーンでプレゼントされた、いろんな会社のノベルティをまとめて紹介してます。細かく見ていくと、当時を知る人なら、いろんなコマーシャルとか、広告とかを思い出してしみじみとするんじゃないでしょうか。
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「ボブ加藤のAMERICAN COLLECTION」は、カラー8ページ構成。ボブ加藤さんが「10年かかって集めた10万点のコレクションからとっておきの面白モノをご紹介しよう!」というアメリカンコレクションのページです。楽しいですね。
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そして、カラー15ページ構成の特集「海外旅行グッズ」なんですが、その前にトビラの右のページを見てください。高感度カー・マガジン『ミスター・マッコイ』の自社広です。このイラストのクルマが、やっぱり真っ赤なんです。
で、特集ですが「必殺モノマガ流 旅仕度指南(とらべるぐっずのてほどき)」をテーマに、「鞄」「雨具&衣料」「カメラ」「オーディオ&ビデオ」「電卓&時計」「グルーミング&サンタン」「飲む&食べる」なんかを紹介してます。
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続きまして「モノマガ探検隊 ’84 No.1」です。「●隊長東急ハンズに打ち入る● 東急ハンズはビックリ箱」だそうです。モノクロ13ページ構成。東急ハンズ(現・ハンズ)の開業は昭和53年(1978年)。渋谷店が一号店なワケです。そこに行けばなにか面白いモノがあるはずと、みんながみんなワクワクしてました。
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最後は表4広告です。トヨタの「LEVIN(レビン)」です。このクルマも真っ赤です。以下は前回もまるっきり同じことを書いたんですが、よっぽど赤いクルマが好きな方ばっかりの時代だったんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょうか。ちなみに、百恵ちゃんが「真赤な〜」と歌って大ヒットしたのは1978年のことでした。
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では、次回の昭和59年1月(19号)をお楽しみに!


































