
2025年8月15日現在、最新号は965号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと35号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。
ちなみに昭和58年(1983年)7月の出来事はというと・・・
◎ 任天堂が「ファミコン(ファミリーコンピュータ)」を発売
です。
※画像はクリックすると拡大表示されます。

ハイ、これが13号の表紙です。特集の「RAINY GOODS」から、ルッカのレインスーツ、グローブ、オーバーブーツのセットがメインを飾ってます。
■ ■ ■

表紙をめくって最初の広告は、前回同様「KAGOME朝市」。ただし、絵柄がレタスからニンジンに。2本並べてハート型というアイデアがいいですね。どうでもいいんですけど、畑で間引いた若いニンジンの葉っぱを天ぷらにして食うと、これがうまいんですよ。
■ ■ ■

その次にSUZUKIのスクーター4連チャン。とにかくみんな赤。それぞれ続いてSONYの「リモコン留守番コーダー ホームサット」の広告です。コピーは「何があるかわからない世の中だから、何があっても大丈夫、の、リモコン留守番コーダー」。「大丈夫、の、リモコン」の「の、」が効いてますね。
■ ■ ■

目次です。右のページは、DENONの「Wカセット・フィールドコンポ DOing H-3」の広告です。昔は「デンオン」でしたが、今は「デノン」です。ふたりの素敵なお姉さんは、双子ではなく、どうやら合成写真のようです。当時の合成としては、うまいことやってるんじゃないでしょうか。
■ ■ ■



で、今号も記事の初っ端は「LINE・・UP」。15ページで13アイテムを紹介してます。今回のラインナップは、
★プレート交換可のスーパーサバイパルシステムナイフ
★アウトドアズマン必携のポケットテントが日本上陸
★信頼の時計!ブライトリング・スーパーオーシャン
★アメリカ空軍正式採用のフィッシングキットが登場
★NASA御用達! 電池のいらないモナコ・シェーパー
★超精密、本物のリアル感で迫るモンキーメタルキット
★PALもSECAMも恐くない! トリプル・ビデオ
★風は君と僕の友達•••コギーのオリジナル・サイクル
★“結び” のメカニズムを徹底的に合理化した荷物ペルト
★こいつただの石? アメリカ生まれのキーストーン
★原子レベルで磁性体を蒸着した今注目のテープ「Å」
★ヘピーに使え! オールウェザーのヘッドホンステレオ
★世界でたった80台。これが車のステイタスシンポルだ
最後から3番目のAの上に○がついた「Å」は、オングストロームと読みます。長さの単位で、100億分の1メートルを意味します。
■ ■ ■

そして、「創刊1周年記念 “飛び切りのプレゼント” Part1」です。23ものプレゼントグッズが並んでて豪勢だなと思っていたら、なんと左ページの左下に「P.140に続きます。見てね」と。見てみると、あと19のプレゼントグッズが載ってました。すごいですね。
■ ■ ■

「世界のデザイン」で紹介されているのはドイツの工業デザイナー、有機的な流線型フォルムを得意としたルイジ・コラーニ(1928〜2019年)。当時、日本でも大人気で、作品集なんかも出てましたね。
■ ■ ■



「OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」で気になった記事は「電話のメッセージがポケットにしのび込む。これは魔法」。その内容はといいますと、「メタグラム・レシーバーMETAGRAM RECEIVERは、ちょっと説明が難しい。 電話のシステムが日本とうんと違うからだ。でもそう言ってしまうと原稿にならないから、がんばって説明しようと思う。(改行)まず、メタコム・システムという通信会社が存在していると思って欲しい。こういう会社は消費者サービス用の800という番号をもっている。受信者支払いという制度だ。あなたはメタグラム・レシーバーを買って、メタシステムの会員になり、特定のコード番号をもらう。さて、誰かがあなたに電話をかけたとする。あなたは重要なミーティングで外出中、ポケットベルでも反応できない。その場合、 送話者はメタシステムの係員にあなたあてのメッセージを、プッシュボタンで送る。その伝言はあなたのポケットのレシーバーに、文字となって現れる。〈××さんから電話、返事が欲しい〉とかもっと長いメッセージも、次から次へと現れる。また、コンピュータに連絡すれば、800番の係員を通さなくても、電波に変えてポケットのレシーバーに送ることもできる。メタシステムが認可されている都市なら、どこでも使える。複数の相手に同じメッセージを同時に送ることも可能だ。(改行)レシーバーが受信して保持しておけるメッセージは合計940文字まで。表示板には20文字まで入るので、最大 47行の文章になる。忙しいビジネスマン、外出の多い人は必携の品だネ。あのシリコン・バレーの産物だ。価格不明」とのこと。スマホもメールもなかった時代の魔法のような超スグレモノのお話でした。
■ ■ ■


「WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」からは、「ネバダ山中にかかる “紙橋”、トラックだって通れるのです」をピックアップ。「紙といえばもろいもの、とだれもが思っている。ペイパー・タイガーつまり “張り子の虎” などは、弱いものの代名詞にさえなっているほど。もっとも、製紙業界のひとにいわせると、これほど弾力性があり、張力がある丈夫な材質はないそうで、一般の先入観とは、まるっきり正反対の見方が常識になっている。そこで論より証拠とばかりにアメリカの製紙会社が、よりによって “紙橋” を製作した。設計からテストを経て完成まで2ヵ月をかけた紙と接着剤のほかは、なにひとつ使っていない正真正銘の “紙橋” で、重量9000lb(=4082.331kg)、長さ9.75m、幅3.05m、高さ1.2mの構造。技術者の計算では最大荷量13.5tに耐えるとのこと。テストでは総重量5.4tのトラックが、ごらんのとおり無事に通過。それにしても、このトラックの運転手の勇気は大変なもの。もっとも、社長自らハンドルを握ったとの噂もある。いったいなんでこんなことをしたかというと、新素材の登場で紙の需要が激減している折りから、その巻き返しのPR効果を狙ったわけ。だが、紙橋は見事でした」という、わかるような、わかんないようなPRの話でした。
■ ■ ■


ノベルティを紹介する「My Novelty」の第3回。今回はかつて世界最大の写真用品メーカーだった「コダック」です。フィルムが入ってた紙のボックスの黄色と黒と赤が、それぞれのノベルティのカラーにも踏襲されてるようですね。
■ ■ ■



でもって、9ページでお送りするのが、特集「RAINY GOODS」。サブタイトルは「雨の日が待ち遠しくなるご機嫌なグッズ」です。いわゆる雨具だけじゃなく、防水系のアイテムが一緒に並んでて、サブタイトル通りのラインナップになってます。
■ ■ ■



その次が、創刊1周年記念特別企画と銘打った「特集・テレビ」。まずカラー14ページで「新メディアはあの四角いマドから」。そして、モノクロ11ページで「過去〜未来/テレビ今昔物語」の計25ページ。当時のモノ・マガジンとしてはかなりのボリュームで、その力の入れようがわかります。
■ ■ ■

「戦後ヒット商品の系譜 玩具編4」。クローズアップするのは「オセロ」と「ルービックキューブ」。大見出しは「“余暇時代” のパイオニア・オセロ&ルービックキューブ」、リードは「減速経済をきっかけに、世の中は余暇時代へと移る。行き場を失ったモーレツパパ達はファミリーで玩具・ホビー市場に集い、新しいホビー商品の誕生を促す」。この頃は「余暇、余暇」ってよく言われたましたけど、最近はあまり使ってないですかね?
■ ■ ■









最後に紹介するのは「PX ZERO ISSUE」。カラーで16ページ。この号の一番最後から逆に開いていくようになってます。扉と最後のページがつながった絵で、当時としてはかなり凝ったデザインです。実は弊社刊『コンバットマガジン』の別冊として、3年後の1986年に『PX』という雑誌が創刊されるんですがその予告編的な感じでしょうか。このコーナーが1986年あたりになったら、引っ張り出してきて紹介したいと思います。
■ ■ ■
では、次回の昭和58年8月(14号)をお楽しみに!