
ディープな特撮ファンもビギナーも集まれ! ニッポン放送アナウンサー・新行市佳さんの特撮愛が炸裂する連載が読めるのはモノ・マガジンだけ! あなたに伝えたい特撮を熱く語ります!
文/新行市佳(ニッポン放送アナウンサー)

★本連載は『モノ・マガジン』誌面と同日公開です!
カイジュウは貴方だ
特撮造形師の村瀬継藏さんの特別展「追悼 特撮造形師 村瀬継藏」が東京都瑞穂町の郷土資料館けやき館で開催されています。


『ゴジラ』、『ガメラ』、『大魔神』シリーズをはじめ、数多くの特撮作品の造形を手掛けられた村瀬さんは、昨年7月26日に総監督を務められた映画『カミノフデ~怪獣たちのいる島〜』を世に送り出した後、10月5日に逝去されました。
『カミノフデ』は、佐野史郎さん演じる特殊美術の造形家・時宮健三が亡くなり、「お別れの会」の会場で、時宮健三の造形物の展示にファンが感動するシーンから始まります。
村瀬さんの人生をオマージュした作品が『カミノフデ』ですが、追悼展のプレ展示期間に伺った際、まさにその世界に入り込んだかのようでした。


プレ展示の模様。現在は『カミノフデ』がメインの本展示が開催中。
展示会場には、飛び立つモスラ、『メカゴジラの逆襲』(1975年)に登場したチタノザウルスの頭部や遊泳形態、背中のとげをゴムホースを切って製作したというエピソードでお馴染みの大怪獣バランの背部や頭部(技術継承のために再現されたもの)、無邪気な笑顔を浮かべながら大魔神の着ぐるみを試す村瀬さんの写真などが展示されていました。
また、常設展示の瑞穂町全体の航空写真が印刷された床には、瑞穂町にも跨る横田基地の滑走路上にモスラの幼虫のフィギュアが置かれており、モスラゆかりの地ならではの演出もありました。
『モスラ』(1961年)の作中で、モスラは小美人を救うためにインファント島から海をわたり、ダムを破壊し、その後に横田基地に出現しているんですよね。
けやき館を訪れたお子さんたちも「モスラを作った人なんだ!」と興味津々でした。
私も、子供の頃に偶然テレビで放映されていた『ゴジラVSモスラ』(1992年)を観たことがきっかけでゴジラ映画を好きになり、村瀬さんが命を吹き込んだ怪獣たちに魅了された一人なので、展示を眺めながら、寂しくも感謝の気持ちでいっぱいになりました。
村瀬継藏さんは、子供たちに特撮の醍醐味を伝えることにも尽力されました。
特撮の神様・円谷英二さんの故郷である福島県須賀川市で、市内の中高生を対象に開講されている特撮のワークショップ「すかがわ特撮塾」では、講師として、着ぐるみ作りを通して造形の技術を特撮塾の2期生に伝授しました。
村瀬継藏さんの遺作となった映画『カミノフデ』は、ヤマタノオロチの操演を「すかがわ特撮塾」の1期生が担っています。
特別展「追悼 特撮造形師 村瀬継藏」は、東京都瑞穂町の郷土資料館けやき館の企画展示室で8月24日まで開催されます。
『カミノフデ』に登場した怪獣をはじめ、村瀬さんが魂を込めた造形物をじっくりと眺め、創意工夫の数々を肌で感じ、想いを馳せる機会になるのではないでしょうか。


ニッポン放送アナウンサー。1992年東京都生まれ秋田県育ち。朝のニュース番組『飯田浩司のOK!Cozy up!』(月~金・6時~8時)で月曜から木曜のアシスタントを担当。大の特撮好きであり、8月14日放送の『アメトーーク!』仮面ライダー芸人特集にゲスト出演! モノ・マガジンwebで連載コラム「新行市佳のイチから特撮!」を公開中(連載終了)。

ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』
月曜日~金曜日の6時から8時まで生放送! ニッポンと世界の今が分かる朝のニュース番組。パーソナリティは飯田浩司アナウンサー。アシスタントは新行市佳アナウンサー。radiko、ポッドキャストでも聴ける。
『新行市佳の特撮放送局』はモノ・マガジンの誌面とwebを同日公開します。
次回は9月2日更新。ご期待ください!