これはリアルミニ四駆!? 電動フォーミュラレース 「フォーミュラE」が東京にやってくる!!

電動レーシングカー見参!

フォーミュラEがやってくる。名称に“E”が付くからレーシングシュミレーターのeスポーツと思うかもしれないが、そうじゃない。オールエレクトリックモデルによるフォーミュラカーレースなのだ。同レースは2014年に始まり、2021年には世界選手権に。世界選手権ということは世界各地を転戦するということでF1やWRCと同じモノ。つまり世界最高峰の電動フォーミュラレースが3月末に東京で開催されるのだ。これはフォーミュラE史上初の日本で開催されるレースになる。

フォーミュラEは内燃機関のマシンを使ったモータースポーツと違って電動のため排ガスは皆無だし、メカニカルノイズも極小。爆音が出ないマシンゆえ市街地でも開催可能。世界各地の都市部を閉鎖し、あえての公道レースということもあり人気が高まっている。海外では一般車に混ざってレーシングカーもパレードを行い、より身近に見えるパフォーマンスも。

マシンも3世代目へ進化している

電動車のレースというと何となくラジコンやミニ四駆っぽいイメージを持つかもしれない。実際のフォーミュラEはどうか。東京を走るマシンとしてはGen3(ジェンスリー)というジェネレーション3、つまり3世代目になる。2014年の開幕時、つまり第1世代のGen1はほぼワンメークであったが、第2世代、Gen2になると後述するモーター周りの独自開発が解禁。

またF1のようなリアウィングが廃止されたり、前後のタイヤを完全に覆うようなスタイリングに。バッテリーの見直しも行われ、最高出力は250kWに。第3世代はドライバーを含めた最小重量が840kgに軽量化、タイヤを覆っていたカウルがなくなった。またレース中に使用するエネルギー(乱暴な表現するならば電力)の40%は走行中の回生ブレーキから賄うことになっている。

恋人もマシンも中身が大事なの

その車体はダラーラのワンメーク。空力パーツやフロントサスペンションなどは出場車すべてが同じモノを採用する。また内燃機関の燃料に相当するバッテリーも同様だ。

クルマどころかレースを左右するタイヤもワンメーク。当初はミシュランだったが今はハンコックに。ユニークなのは1種類のタイヤでドライもウェットもこなすこと。

そして見た目よりも大事なのは中身よ、と恋人選びのようだがそれはフォーミュラEにも当てはまる。もっとも肝心なモーター・ジェネレーター・ユニット(以下MGU)やギアボックスは各チーム独自開発のモノだし、興味深いのはフロントサスはイコールだが、リアサスに関しては動力系同様各チームオリジナルを使える。MGUの最高出力だが予選は350kW(約475PS)、決勝は300kW(約407PS)と細かいレギュレーションで決まっている。フォーミュラE独特の戦略として、同じバッテリーを使うため電力が限られてしまう。そのためチーム毎に最高出力を使える時間をいかに長くできるか、というフォーミュラEならではの戦術が必要になってくる。先行逃げ切りか追い上げ重視か、競馬のようでもある。

またここゾ! という時に50kWの出力向上が可能なアタックモードを決勝では2回使うことも義務付けられている。ただしアタックモードを使用するにはレーシングラインを外れたところに設定されるアクティベーションゾーンを通過する必要がある。マリオカートのダッシュ板みたいなモノか。いや、ヨットレースで風(パワー)をとるか距離(ライン)をとるかの選択でこの辺りは見所のひとつ。

レーサーJujuも期待しちゃう静かな熱いレース

さて、レース開催に先立ってDHLによる記者会見が行われた。DHLといえば黄色と赤のブランドロゴが有名な国際的物流企業。フォーミュラEではレース発足以来レーシングカーを始めとする様々なアイテムを世界中に輸送してきたオフィシャルロジスティクスパートナーになる。なお余談だがDHLは1レースあたり380トンを超える貨物を約10万km近く運ぶという。

そのDHLのフォーミュラEアンバサダーとして就任したのが野田樹潤、レーサーJujuだ。彼女は海外でのレーススキルを重ね今季は国内最高峰のスーパーフォーミュラに日本人女性として初めて参戦する18歳。レースはアグレッシブに攻めるがコース外では若干という言葉が似合いまくるような可愛い女学生で、大学の入学式までに提出する課題が終わってないというエピソードも聞けるくらい。そんな彼女曰くフォーミュラEの見所は「限られたエネルギーをどのタイミングでどれくらい使うか、チームの作戦とそれにドライバーがどう合わせるか、合わせられるスキルを見られること」と言う。

コースは東京・有明周辺!

そんな電動格闘技のフォーミュラE、東京ラウンドのコースは現代のビグザム(編集部注:名作「機動戦士ガンダム」に登場するメカ)、東京ビッグサイトのシンボルとしても名高い東棟を囲むような「市街地」コース。この市街地は開発中の一般立ち入り禁止とかではなく、日常的に使っている公道を一時的に封鎖する超本気なのだ。

コースの全長は2.582km。この約半分は公道というからオヤクショどころかケーサツも太っ腹になったもんだ。そしてコースは3本のストレートをコーナーで結ぶテクニカルなモノ。高速コーナーやタイトコーナーありのテクニカルなモノ。サイレントフォーミュラの異名を持つレースは3月29日から31日までの開催だ!

フォーミュラE

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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