ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑118 「手に入りやすいCB缶」を過酷な山岳仕様へと昇華させたシングルバーナーの革命児

SOTO TrekMaster(トレックマスター)ST-331

今年は夏山の縦走登山計画をしていて、ここ最近は鍛錬のために静岡、埼玉、神奈川の山に登っている。何日間も山旅をするとなると、フリーズドライやカップ麺などを持ってテン場で食事をしたい。そんな時に強い味方になるのがシングルバーナーだ。標高3,000mを超えれば夏場でも気温はグッと下がるため、暖かい飲み物があるだけで幸せだ。今回は、山でもCB缶が使えるSOTOのシングルバーナーのトレックマスターの偏愛っぷりを語りたい。

私は、 SOTO(ソト)のトレックマスターを愛している。なぜこれほどまでに惚れ込んだのか?

SOTOは、新富士バーナーが作る、キャンプやアウトドアフィールドで使う燃焼器具ブランド。ネーミングの由来は、アウトドアを意味する日本語の “外” から来ているのは周知のとおり。工業用バーナーの製造会社として設立し、キャンプギアだけでなく、配管工事等に使うプロパンバーナー、そして、雑草処理に使用する草焼灯油バーナー等もあり、プロ御用達。それだけでなく、趣味商材でもあるキャンプ用、登山用などの外で扱う調理用火器類や調理器具類のラインナップは年々増えており、シングルバーナー、フォールディングテーブル、焚き火台、チタン製ポットなど。あらゆるギアがあり、サイトのラインナップを見るだけでアウトドア旅に出かけたくなる!

嬉しいことに、ファミリーキャンプだけでなく、ソロキャンパーにも嬉しい、軽くて、コンパクトかつデザイン性の高い商品を輩出し続けている。

安定した五徳と46mmの火口。その左サイドにあるのがジェネレーター。ガス缶を立てて着火したあと30秒ほど待つと火力が安定する。

経済的で身近な「CB缶」を、あえて高山へ連れていくという贅沢

最近の山行で圧倒的な信頼を寄せているシングルバーナーが、昨年に発売された「TrekMaster(トレックマスター) ST-331」だ。こちらは、一般的に「ファミリーキャンプ用」や「家庭用」として認識されているカセットガス缶(CB缶)を燃料としながら、気温がマイナスにもなりうるの本格的な山岳エリアでも、SOTOのタフ仕様のガス缶を使うことで、平然と機能する「液出し分離型ストーブ」だ。

「山のバーナーと言えばOD缶でしょ」という、アウトドア界の常識という名の固定概念を、この美しいプロダクトは小気味よく破壊してくれたのだ。

白いタイベック製のポーチが付属しているのがエロい!(カッコイイ)

機能がカタチになった、無駄のないソリッドな佇まい

まず、付属する収納ポーチがなんと軽量で強靭、かつ独特のシワ感がファッション的にもカッコイイ「タイベック製」だ。こういうディテールひとつをとっても、僕らの所有欲を満たしてくれる。収納ポーチから取り出した瞬間の佇まいも素晴らしいだけでなく、ホースを含めてわずか「約195g」という点。ウインドマスターのような超軽量ではないものの、登山に持っていくにも十分軽いといえる。本体はステンレスを基調としたソリッドなメタル感でまとめられており、無駄な装飾が一切ない。分離型バーナーでありながら、手のひらにすっぽりと収まるほどコンパクトに折りたためるのもイイ。

折り畳むと非常にコンパクトになり、僕の手のひらにスッポリ収まる。

このトレックマスターには、ここのところ一般的なバーナーには必ずと言っていいほど付いている「圧電点火装置(イグナイター)」が付いていない。カチッと押すと火がつくアレのこと。そこは、ライターやマッチで火を点ければいい。僕がいつも愛用しているSOTOのスライドガストーチで火を灯す一手間すら、山の中では最高に贅沢な儀式に思えてくる。着火と消火の方法は少し慣れが必要なので、後ほど説明したい。

スライドトーチで点火する。これ以外にも蓄光タイプのルミナスグリーンも購入したほどスライドトーチ信者の筆者。CB缶は着火時に立てておく。

氷点下でも火力が落ちにくい「液出し構造」の男気

一般的なガスバーナーは、缶の中で気化させたガスを燃焼させる「気化出し式」だ。しかしこれだと、長時間使い続けたり、冬の寒い時期に使用したりすると、缶がキンキンに冷えて火力が落ちる「ドロップダウン現象」に見舞われる。山の上で凍えながらお湯が沸くのを待つ時間は、本当に切ないものだ。

しかし、このトレックマスターは違う。ガス缶をセットし、液体状態のガスをそのままバーナーヘッドの直前まで送り込む「ジェネレーター内蔵の液出し燃焼構造」を採用している。

そのため、点火と消火手順には少しコツがいる。最初にガス缶を立てて、つまみを回しガスを出し、ライターなどで着火。30秒くらい待ち、炎が安定したら、ガス缶を横にする。消化の際も同じ手順で、ガス缶を立て、30秒くらいしたらつまみを閉じて火が消えるまで待つ。

もう1つは、燃焼中に本体を移動しないように気をつけること。

MUKAストーブなどのガソリンストーブでもポンピングや火の安定までの待ち時間があったが、それと同じで「燃焼器具を操っている時間」は案外楽しいもの。歌でも歌って待てばいい。

炎が安定してきたら、CB缶を横にし、バルブスタビライザーが安定するように地面にこのとおり。(※正式にはもう少しCB缶と本体を離したほうがよい)

ひとたび安定してしまえば、外気が寒かろうが、燃料が少し減っていようが、2,400〜2,600kcal/h(使用ボンベによる)の安定的な火力をキープし続けてくれる。冷え込む山頂で、高火力の炎がまっすぐ力強く立ち上がる姿を見たときに、僕は思わずウットリしてしまった。

低重心が生む安定感と、旅のコストパフォーマンス

実際に山で使用して感動するのは「低重心」だ。CB缶とバーナーヘッドがホースで離れている「分離型」のため、不整地やゴロゴロした岩場や柔らかい砂地の上でも安定する。直径160mmのゴトクは、ソロ用の小型クッカーはもちろん、少し大きめのアウトドア鍋を載せても安心感がある。(耐荷重は2kgで、僕みたいな少食には十分過ぎるくらい)

CB TOUGH125はこの小ささ。帽子を隣に並べるとこの通り!

さらに、このギアのニクイところは、同社から発売された山岳用タフ仕様のガス缶「CB TOUGH」の性能を100%引き出せるのはもちろん、ホームセンターや大型アウトドアショップでも手に入る安価な「レギュラーガス(ST-700)」も使える点だ。(他製品ではなく、SOTO製品使用を推奨)

チタンポッド750にはCB TOUGH125がすっぽり入るのでこれまた便利!

ガチの雪山や長期縦走には「CB TOUGH」を。里山ハイキングや、ふらっと行く自転車ツーリング、キャンプでお湯を沸かすだけのようなシーンには、コスパのいいレギュラーガスを。

用途に合わせて燃料を賢く使い分けられる柔軟性は、長期間の放浪旅を繰り返すバックパッカーにとっても、これ以上ない強みになるだろう。次はトレックマスターを北アルプスに持って行くつもりだ!

SOTO TrekMaster(トレックマスター)ST-331

価格:1万2870円
スペック 
製品サイズ(W×D×H):幅500 ✕ 奥行140 ✕ 高さ105 mm(使用時・ホース含む)、幅90 ✕ 奥行70 ✕ 高さ105 mm(収納時・ホース含む)
重量:約195g
材質:バーナー/器具栓つまみ/ゴトク:ステンレス
ボンベホルダー:樹脂
収納ポーチ:タイベック
原産国:日本
使用燃料:CB TOUGH(シービー タフ)(ST-711 / ST-712)、SOTOパワーガス(ST-760)、SOTOレギュラーガス(ST-700)
点火方式:マッチやフリント式(ヤスリ式)ライターなど、別の点火器具を使用して着火してください。※圧電装置はついていません
耐荷重:2kg
ゴトク寸法:直径160mm(使用時)
付属品:収納ポーチ(素材:タイベック)
備考 ボンベは別売です。屋外使用専用です。

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