ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑115 飽きが来ず、長く使える耐久性とバニラのような香りが特徴の日本製野球用グラブ

タイシークラフト オーダー ファーストミット

野球人気低迷が叫ばれるなか、今年はWBC(ワールドベースボールクラシック)も開催され、近年MLB(メジャーリーグベースボール)へ挑戦する日本のプロ野球選手も多くいるため、高年齢層には未だに注目されているスポーツだ。僕も、小学生の頃から少年野球チームに入って、今もなお草野球を楽しんでいる野球フリークの1人。そんな中、野球歴35周年となるメモリアルイヤーに手に入れたのが、こちらタイシークラフトのオーダーファーストミット。今回は、こちらの偏愛っぷりを語りたい!

私は、タイシークラフトのファーストミットを愛している。なぜこれほどまでに惚れ込んだのか?

タイシークラフトは、2023年にスポーツ玉澤というグラブメーカーに30年間勤めていた冨澤常彦氏が独立して立ち上げたブランド。千葉県松戸市に自宅兼工房があり、現在は、Instagramやオンライン上でのオーダーをはじめ、ベースマン、スワロースポーツなどの野球ショップで取り扱いがある。

tyssyとは、ご家族の名前と飼っているワンちゃんからきたネーミングで、お子様が恐竜好きだったため、そちらのモチーフをロゴマークにしているとのこと。当初は、野球用グラブの修理をやるつもりでスタートしたが、今では、キックボクシングのグローブ、サンドバッグなどの修理依頼があることも。それだけでなく、長年関わりを大切にしている職人さんとの関係性があったからこそ、オリジナルブランドを生み出すことができたと冨澤氏は語る。

冨澤さんが仕上げるためにグラブに紐を通しているところ。

オーソドックスでありながら、軽量性、操作性に工夫がある

タイシークラフトのグラブは、奇をてらったド派手なデザインや形状というよりは、オーソドックスな形を追求している。奈良や大阪の職人の手によって作られる正真正銘のメイドインジャパンである。アメリカ、日本ともに多くのグラブメーカーが日本の工場から、フィリピン、ベトナム、中国へと移るなか、日本製のグラブはもはや世界最高峰、高級品と言っていい。縫製が美しいだけでなく、特殊な芯材を使っていて手が動かしやすい。なぜなら、内野手用にはフェルト羊毛を、ピッチャー、ミット、外野手用にはやや硬めの芯材をチョイスしているから。今回は、僕が草野球で使う予定のため軟式野球用のオーダーだが、硬式野球のものも、もちろんオーダー可。軟式といっても革の質感はかなりいい。張りがあって、シッカリとした造りになっていながら、軽量で操作性も抜群にいい。さらに、グラブ・ミットともに捕球面内側には指を曲げやすくする為の工夫(MOジョイント)を採用していて、使い込むほどにボールを包み込むイメージができるようになっている。

ロゴマークの頭文字には恐竜の頭のモチーフにしたTが付く

匂い付きのグラブがお守りのような役割に

もう一つの特徴は、グリスの匂いだ。グラブの内側には通常グリスが塗られているのだが、硬式グラブとミットには、江戸時代から日本髪・ちょんまげや歌舞伎役者さんが愛用している独特な匂いの「びんづけ油」を調合している。ピンチの時には緊張がほぐれ、やさしい香りがお守りの役目になるようにという思いを込めている。

僕がオーダーしたファーストミットには指先に補強革が当てがわれていたり、ウェブというネットになっている部分の紐がクロスになっていて耐久性を高くするためのギミックもある。軟式グラブのオーダーが39,600円、軟式ミットのオーダーが38,500円とかなり良心的な価格だ。

冨澤さんはこう語る「少しでもプレーヤーのためにタイシークラフトをやっていきたい。野球を続ける人が少ないので。誰かと誰かを繋げることが楽しい。グラブを通して、人の繋がりが増えてほしい」物価高騰が叫ばれるなか、ユーザーのためを思った大胆な低価格を続けるブランドとも言えよう。野球プレーヤーにとっては有難いかぎりだ。

こちらが革のカラーサンプル。要望があれば都内のカフェなどで打ち合わせ等も要相談

グリーンカラーが好きな人にはたまらない

今回ファーストミットをオーダーした経緯は、とあるファッションのアンケート会場で出会った女性から「知り合いで野球用グラブのメーカーをやっている人がいるんです」と教えてもらってInstagramをフォローしたのがきっかけだ。掲載されている少年用、大人用グラブどちらもグリーンのタイプが多く、緑が大好きな僕はいつかファーストミットをオーダーしたいと思っていたのだ。これは時期にもよるが、オーダーしてから約3週間で届くというスピード仕上げなのも有難い。(人気メーカーだと半年くらい待たされるケースもある。)

オーダーのためウェブ部分はファーストミットによくある2枚ものではなく、MLBのメジャーリーガーが使っているダブルクロスウェブタイプにした(下の画像)こういったウェブ部分などもオーダーであれば相談に乗ってもらえる。

高校の時に使っていたファーストミットより少し大きめの作りにしてもらった。ロゴマークもグリーン×Dグリーンに。

実際に手にはめてみると、ファーストミットという比較的長いモデルにも関わらず、手首から先が非常に動かしやすい。先端側より手首側に重心があり、手口も広く自由度があるため、小指2本入れ派の僕も収まりがいい。これは聞いた話だが、最近の若いプレーヤーは手を奥までしっかり入れるのではなく、ハンドリングしやすいように手を少し出しているらしい。

平裏の型押し加工で手のひらから滑りにくい仕様に

手の中の平裏という部分には型押し加工がしてあり、手が滑りにくいようになっている。指先の部分が二重に当て革が付いているので耐久性も高い。カラーオーダーもできるので、大好きなDグリーンと革紐はブラウンとした。これは、「ビーブロ」と言って、主にティンバーランドの「フィールドブーツ」における「Beef & Broccoli(ビーフ&ブロッコリー)」カラーのことを指し、ブラウンとグリーンの配色が特徴で、90年代のニューヨークのヒップホップシーンで人気だった配色である。

ビーブロは、牛肉(Beef)とブロッコリー(Broccoli)の炒め物(アメリカ中華料理の定番)の色合いから名付けられたカラー。手の先の部分には当て革があり、耐久性と硬さの両方を兼ている。
平裏に型押し加工がしてあるため、手の平に大汗をかいた際も滑りにくい構造になっている。

「選手のためになることをしてあげたい」という思いが詰まっている

タイシークラフトは、まだ知る人ぞ知るブランドだが、今後は安定してスポーツ店に置いていきたいと思っているのが一つ。もう一つは、冨澤さんが中学三年生のときに病いを患い、高校野球を断念せざるを得ない経験があったため、障害者などの弱者のためのカスタムやオーダーをサポートしていきたいと考えている。現在は、青鳥特別支援学校の選手たちの修理なども行っていたり、障害者チームである千葉ドリームスの選手が使う道具にひと工夫して使い勝手をよくする活動もしている。

「選手のためになることをしてあげたい」という思いがあるからこそ、職人魂が宿るグラブにも具現化されているのだと感じる。

定期的にスポーツ店のポップアップイベントとして販売、修理相談会を行っているので今後の動きはぜひタイシークラフトInstagramをチェックしてほしい。

グリーンの芝に映えるタイシークラフトのDグリーン。

タイシークラフト ファーストミット(軟式用オーダー)

価格 3万8500円(2025年1月18日現在)
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山下晃和(akikazu yamashita)
  • 本業はファッションモデル(タイクーンエージェンシー)。自転車、バイク、クルマで旅をしながら旅の素晴らしさや旅に最適なアイテムを紹介するトラベルライターとしても活動。地方自治体サイクルマップやWEBで連載ページを持つ。 趣味は、旅行、キャンプ、草野球、オフロードバイク、自転車全般(ロードバイク、MTB、ランドナー、小径車)、トライアスロン、トレイルランニング、登山、パックラフト、サーフィン、スニーカー収集、NEWERAキャップ収集、ウエイトトレーニング、読書、インドカレーの食べ歩き、MLB観戦など。  スポーツトレーナーの資格はNASM-PES、小型船舶一級免許、小型特殊船舶免許、大型自動二輪免許、JCTA認定自転車ツアーガイドなどを持つ資格マニアという一面も。かつて、海外30か国以上を自転車で旅したこともある放浪癖あり。好きなファブリックはキューベン、好きな金属はスカンジウム、好きな筋肉は三角筋。20代の頃は某アウトドアショップでバイトをしていた経験も。
  • http://akikazoo.net

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