日本の独立系時計ブランド「大塚ローテック」の機械式腕時計「6号」と「5号改」が、世界最大級の時計専門博物館であるスイスの「国際時計博物館(Musée International d’Horlogerie、以下MIH)」に永久展示品として収蔵されることが決定しました。

扇型に表示されるアナログメーター(2015年発表)
GPHG 2024 チャレンジ部門グランプリ / 国際時計博物館永久展示品(スイス)
表示:レトログラード時分針/秒表示ディスク(中央)/ 日付表示(右)
仕様:自動巻 / 26石 / SSケース(径42.6mm)
備考:永久展示品は現行仕様品(2024年より製造)

国産初のサテライトアワー時計(2025年発表)
GPHG 2025 プティエギーユ部門ノミネート / 国際時計博物館永久収蔵品(スイス)
表示:「時」の円盤と、右側の「分」目盛りの重なりで現在時刻を表示(右)/秒表示ディスク(下)
仕様:自動巻 / 25石+2ボールベアリング / SSケース(径40.5mm)
■ 異色の経歴を持つ「現代の名工」片山次朗

大塚ローテックは、元カーデザイナーの片山次朗氏が2012年に創業したブランド。ネットオークションで卓上旋盤を手に入れたことを機に、独学で時計製作をスタートした異色の経歴を持ちます。現在はすべての時計を自社で一貫製造。“時計界のアカデミー賞” と称されるジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)では、2024年に「6号」がチャレンジ部門グランプリを受賞、2025年には「5号改」がプティエギーユ部門にノミネートされるなど、いま世界中から熱い視線を集めています。
■ 建築美でも知られる聖地「MIH」に並ぶ

スイスの時計製造の中心地、ラ・ショー=ド=フォンに位置するMIHは、世界最大規模を誇る時計専門の博物館。5,000点以上の稀少にして貴重な収蔵品を擁しています。1974年、建築家ピエール・ゾエリー氏とジョルジュ・J・ヘーフェリ氏が協働で設計。 半地下構造を採用し、公園とシームレスに融合。ブルータリズムとテラテクチャーの要素を見事に組み合わせています。コンクリートとレンガを用いたその独特の建築様式は、訪問者に洞窟のような独特の空間体験を提供します。この建築自体、評価が高く、1977年にベトン賞、1978年にサンビューロー賞を受賞。さらに、同年にはヨーロッパを代表する博物館のひとつに選出されています。
今回選定された背景には、大塚ローテックが持つ「独創的なインダストリアルデザイン」と「高い独立マニュファクチュール技術」があります。この永久展示は、日本の独立時計製造が世界の頂点に認められた快挙といえるでしょう。
































