現代の名工・片山次朗さんが手がける大塚ローテックの最新作「9号」に驚愕する!!

時刻表示は文字盤の右半分に配置され、上のディスクが時、下のディスクが分。暗所で時、分の数字を照らすよう、下に蓄光ブロックが組み込まれている。正時になるとジャンピングアワー、リワインディングミニッツ、アワーストライキングが作動。中央に位置するリワインディングミニッツは、レトログラード機構の一種であるが、アナログ体重計のような動きをする—ディスク中央のひげゼンマイがバネの役割を果たし、1時間に一度、分ディスクを巻き戻す。ぜんまいの残量は、文字盤中央右にある棒状のパワーリザーブインジケーターにより表示。
ケースバックはステンレスの塊をくりぬいたソリッドバック。アーチ状のフォルムで手首にフィットする。
Cal.SSGTの表側。
Cal.SSGTの裏側。
アワーストライキングは文字盤左のパイプライン形状のゴング(ピンセットで摘んでいる部分)をハンマーがたたき、インダストリアルな音色を鳴らすという。残念ながら、発表会ではその音色を聴くことはできなかった。
アワーディスクの中心軸、アワーストライキングのハンマー可動軸にはミネベアミツミ社が9号のために開発した、ルビーボール・ボールベアリングを採用している。
マッチ棒の先の左に載っているのが、5号改にも使用されたミネベアミツミ社製、世界最⼩ボールベアリング「DDL-004」。サイズ:外径1.50mm、内径0.50mm、幅(厚さ)0.65mm
9号のために新たに開発された特製ルビーボール・ボールベアリング「DEL-008」。サイズ:外径2.50mm、内径1.00 mm、幅(厚さ)0.70 mm
ルビーの輝きは意匠のアクセントとなり、固有の硬度と滑らかさがベアリングの摩耗を極限まで抑制。温度変化にも強く、複雑な機構に長期的な精度と信頼性をもたらす。

大塚ローテック
ミネベアミツミ

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