monoという名のタイムマシン 昭和59年10月のモノ・マガジン(28号)

2026年4月6日現在、最新号は979号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと21号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうというこの企画。1000号が出るまでに終わってるのか、どうなんでしょうか。

※画像はクリックすると拡大表示されます。

ハイ、これが28号の表紙です。黒いスーツケースは「LINE••UP」で紹介している、ドイツのケルンで1898年に創業したRIMOWAのマグネシウム・バッグですね。「軽量ながら頑丈な衝撃性に長けた作り」ってことで、編集部が推してます。

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表紙を開いてひとつ目の広告は、National(現パナソニック)のパーソナルコンピュータ「キングコング」。グッとくるネーミングです。いったいどんな性能だったのか、コピーを引用しときます。

「では、新しいキングコングの性能について詳細に報告します。①キーボードと本体を分離したセパレートタイプです。ひざの上に抱いたり身体の向きに合わせたり、セッティング自由自在。②16色マルチRGB対応です。21ピン端子付のテレビに接続すれば、グラフィックスも文字もくっきり鮮明画像で楽しめます。③RF・ビデオ出力も内蔵、テレビを選びません。④大容量RAM64KB搭載。拡張RAMなしで市販のMSXソフトのすべてが使えます。⑤数字の入力が素早くできる独立10キー。⑥スロット部には、操作が簡単な新開発のソフトインサートコネクタを採用。⑦プリンタインターフェイス内蔵。⑧外部電源コンセント付で機器拡張に便利。⑨スーパーインポーズ端子付。〔専用ユニット(発売予定品)接続用〕⑩これで、この価格。」

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ふたつ目の広告はSONYの「ウォークマン」。モデルは聖子ちゃんこと、松田聖子さんです。写真ではヘッドホンをつけるために耳を出されてますが、前髪を目の上ギリギリで揃えてからの、サイドからバックにかけてはレイヤーを入れて毛先を後ろに流した、ふんわりボリューム感のある「聖子ちゃんカット」は80年代の女子たちの間で大流行してたんですよ。街中に聖子ちゃんの髪型をした女子がいたんですよ。

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目次です。右ページの広告は、日本でラジオ放送が開始された1925年に創業、日本を代表する老舗ハイエンド・オーディオブランド、ラックス(現ラックスマン)のインテグレーッテド・アンプ。コピーがなかなか味わい深いんで、これも引用しときます。

「夏がゆく。窓辺の椅子がその影の色をわずかにやわらげる頃、心は新たな季節を迎えていた。プリメインアンプL-510X。あらゆる色付けを排除すると、音楽はかぎりなく豊かな素顔を見せ始める。『X』との出会いは、『音楽』との出会いです。」

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で、今号も記事の初っ端は「LINE••UP」。11ページで11アイテムを紹介してます。今回のラインナップは、

★軽くて丈夫な西ドイツ生まれのマグネシウムバッグ
★伝統とスイスの土壌が作りあげた超高級オルゴール
★フィッシングファン必携のスプリングハンマーナイフ
★アウトドアで使いたいステンレスボディのポット!
★大人のオモチャです。スーパーシューティング・ガン
★ホンダの新しい3輪バイクは50c.c.ロードフォックス
★雨の日が好きなライダーに贈るレインウェアがこれ
★今世界中で注目の的!暗号付きジグソーで一獲千金だ
★車イスのまま乗り降りできるシティカー “オスプリー”
★日本の子供達よ驚くなかれ! 電動3輪バギーなのだ!
★なんとグライコが付いたヘッドフォンステレオ登場

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海外通販ピックアップ」のページ、今回は「Cuddle Toys」という手作りぬいぐるみの通販カタログです。どのぬいぐるみもイマイチ垢抜けてないというか、味があるというか、時代特有の空気を纏ってます。

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1984年8月30日、銀座・松坂屋別館(2012年8月末に閉館)1Fにモノ・マガジン編集部の直営店「モノ・ショップ」がオープンしましたというお知らせと、店舗に並ぶモノの中から見繕った「今月の面白グッズ24」です。今見てもなかなか楽しいラインナップ。カラー4ページ構成。

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My Novelty」はカラー6ページ構成で、いつもの倍のボリューム。今回は特別編でJALの通販から。スチュワーデスの時代です。そういう物語もありましたね。

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OVERSEAS NEW-PRODUCTS NEWS」で気になった記事は、「テント付きフィッシング用のボートは便利器」。

「魚釣りが趣味で、湖か海に近い所に住んでいる人で、雨が降っても釣りに行く、ていうほどの人にはこれが必要だ。もち論、テントは雨だけでなく、冬の寒さや夏の日射しを防ぐこともできる。いずれにせよ、遊びたい人向き。日本の屋形船の形にも似たテントで、デザインそのものもなかなかよろし。(改行)ということを書いてしまったら、他に書くことが何もなくなってしまった。毎月おなじみの、〈資料なしシンドローム〉なのである。しょうがないので、魚釣りの話でも書こうか。現在アメリカでは、フライ・フィッシングが大流行している。理由がふるっている。ほかのフィッシングよりも知性を使うので、大企業の重役たちが秘かに熱中しているのだそうだ。どうもアメリカのエグゼクティブたちは、知的というマジック・ワードに弱いようである。(改行)あら、まだスペースが余っている。ついでにもうひとつ流行物を。キャベッジ・ローズといわれるキャベツみたいなごしゃごしゃの花弁のバラが、シーツや枕カバー、カーテン、壁紙などに流行している。ピンクとグリーンで、いかにもロマンチック。ちょっとうるさいほどだけど。」

見出しにある「便利器」という言葉、AIに調べてもらってもなんだかわかりませんでした。そして、本文。本当に書くことがなかったんでしょう、あっぱれです。

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WAKU WAKU WORLD ビックリするような珍発明」では「これ芸術作品に見えますか?」という記事をクローズアップ。

「ゴミの山に埋もれていたポンコツ車を引っ張り出してきたような、この元ファルコンは、カリフォルニア州フェアファックスの住人で自称 “発見芸術家” のデイッケンズ・バスコム氏の愛車。なんでも手当たりしだいに発見したものを材料に、創造的芸術に挑戦するというその心意気は買うにしても、その結果たる作品がご覧の通りでは『ゲージュツかねえ』と首を傾けるのがセキの山。情緒奥ゆかしき日本人が見れば、10人中9人までは『なんだこれは!』とのコメントを発するにちがいない。ちなみにフェアファックスの住民のコメントは『私に処分をまかせてもらえば、奴を中に閉じ込めたまま、爆薬で吹っ飛ばしてやる!』となかなかきびしい。その点バスコム氏も自覚していると見えて『このあたりでは気狂い扱いにされているが、バークレーあたりへ行くと、みんな手を振ってくれる。要は審美眼の問題ですな』と判ったような判らんようなことを言う。で、テーマとか題名はないのかと訊くと、べつに芸術的メッセージはないそうで、あえて題をつけるとすれば『はしゃぎ』だそうな。まあ、どうでもいいけど、この人どうやら芸術家として名を残すことは、まちがってもなさそうだ。」

写真がモノクロなんでよくわからないけど、カラーで見たらめちゃ楽しそう。映えるんじゃないでしょうか。そうそう腐したもんでもないと思うんだけどなぁ。

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近未来の商品ページ」はモノクロ2ページ構成。今回は「お茶の間の下に設置する自走式核シェルター」の紹介、というか、ほぼほぼディストピアSF小説のようなお話です。

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カラー5ページ構成の「ハイテックチェアカタログ」。どんな記事かと言いますと、リードを引用しとくんでご覧ください。

「椅子族。あんまり身ぢかすぎて、しみじみ考えることはない相手だけれど、こんなに相性が問題になるものはない。たまに椅子を替えてみると、前のヤツの欠点や長所がよくわかってくる、配偶者みたいな存在かもしれない。嬉しいことに、こちらにはいちいち婚姻届はいらないから、『これこそは』と思う椅子を求めて、世界中をさまようこともいい。椅子を替えてみると、突然、世の中が新しく見えたり、仕事が大好きにったりする。オフィスだと一日八時間。家にいて仕事をする人ならそれ以上も、椅子とは交際しているのだから、ちょっと椅子族のバリエーションも見ておきたい。」

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アウトドア人間が待っていたハンディタイプ これは、まったく新しいパーソナル無線」はカラー4ページ構成。ちょこちょこ登場するパーソナル無線は、2021年末に完全に免許制度が終了。現在では使用できなくなってます。「ハンディタイプ」ではあるんですが、スマホと比べるとデカイ! でも、スマホのない時代なんですから、確かに重宝されてもおかしくないワケです。それにしても、技術の進化ってスゴイですね。

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そして、「特集 パワフル・アウトドア・スポーツ」です。カラー16ページで「レーシングカート」「モトクロス & ATC」「BMX」「ロードサイクリング」「ウインド・サーフィン」「スキューバ・ダイビング」「カヌー」「フィッシング」「ハングライダー」「パワフル・アウトドア・スポーツを楽しむためのグッズいろいろ」「レジャー・ビークルを抜きにしてアウトドアは楽しめない」をギュッと詰め込んで紹介してます。

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続きまして、モノクロ15ページで「特集 VENDING MACHINE 自動販売機は都市生活のワンダーランド」。リードには「えっウッソー。これも? あんなのも? アメリカもアッと驚く日本の自動販売機(ベンディングマシーン)。うまく使えば自販機だけで生活も可能!!」とあります。実に自動販売機がワンダーランドたり得た時代なんですね。24時間やってるコンビニが出てくるのがもうちょっとあとなんですよ。コンビニがあれば事足りる時代、便利になりましたねぇ。

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さらにモノクロ6ページ構成の「人気沸騰 サバイバルゲームとは?!」。装備についても解説しながら、モノ・マガジン編集部 VS コンバットマガジン(休刊)編集部の熱い戦いをレポートしてます。

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表4の広告はトヨタの「ハイラックス4WDサーフ」です。赤い地にクルマの切り抜き写真。バックには白ヌキ、シャドウ付きの “AMERICAN OFFROAD MACHINE”。ビシッと見た目にインパクトのあるレイアウトです。

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では、次回の昭和59年11月(29号)をお楽しみに!

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