去る11月5日から7日に香港コンベンション&エキシビション・センターにて開催された、第33回『香港インターナショナル・オプティカル・フェア』。そのリポートの最終回をお届けしよう。タイトルの画像からも判るとおり、香港インターナショナル・オプティカル・フェアでは “Japan Pavilion” と題して、ジャパンブランドにフォーカスしたエリアを設けている。ほんの一部だが、日本からの出展ブランドにお邪魔してみた。
■SHUYU
国内の自社工場で生産するガラス製の偏光サングラスが北米市場に浸透している『シューユウ』は、日本やアジア市場に向けてドライビングサングラスの『DEEC』と、渓流釣りやアウトドアを主眼に置いた『136』を展開。香港では現地のユーザーたちに影響力の高いショップで取り扱っており、すでに高性能サングラスの魅力が伝わっているようだ。
■ORIENS
戦前から眼鏡産業に従事し、昭和や平成の国内アイウェアムーヴメントを盛り上げてきた『オリエント眼鏡』。長らく疎遠となってしまっていた筆者を惹きつけたのは、代表の梅田将臣さんがずっと抱いていた想いをカタチにした宝珠のコレクション『ORIENS』。クラフツマンシップに基づく高品質に、モノづくりに一家言あるバイヤーたちも足を止めた。
Japan Pavilionエリアには常に人だかりができる状態だったが、香港の人々にとって日本のアイウェアブランドとはどう見えているのだろうか。地元の同業者ならその疑問に答えてくれるだろうと話を聞いたのは、圧倒的な取材力とファッションビジュアルで他を圧巻する香港のアイウェアメディア “V MAGAZINE” の編集長、Jordan Chunさん。香港インターナショナル・オプティカル・フェア内で同メディアが主宰する展示エリア “VOS” も手掛けており、ジャパンブランドにも明るい人物だ。
「香港人、特に男性はアイウェアを唯一、顔につけられるアクセサリーと捉えており、ファッションとして眼鏡フレームに明確な価値を見出しています。特に若い世代は日本人よりも眼鏡に対してポジティブなイメージをもっていますね。好まれるのは派手なデザインや色使いよりも、革新的な機構とデザインを兼備する欧州ブランドや、静かで力強いデザインとクラフツマンシップに秀でた日本ブランドですね。とりわけ香港人はずっと日本のカルチャーに親しんできましたから、モノづくりに対する姿勢やデザイン感をよく理解していますよ」。
この他にも、サステナビリティに特化した素材メーカーや、眼鏡というよりデジタルツールとしてカテゴライズしたいAIグラスなど、見どころ満載だった香港インターナショナル・オプティカル・フェア。多くの関係者が交わり、その輪を広げることでさまざまなコラボレーションが生まれる。そんな活気に溢れた展示会であった。