『香港インターナショナル・オプティカル・フェア』に行ってみた! その2

本編の前に、先の香港高層マンション火災で犠牲になった方々のご冥福をお祈りいたします。そして遺されたご家族の心の傷が、一日でも早く癒えるようお祈り申し上げます。

さて、去る11月5日から7日、香港コンベンション&エキシビション・センターにて開催された、第33回『香港インターナショナル・オプティカル・フェア』のリポート第2弾をお届け。ここでは日本であまり知られていない、海外からの出展ブランドにフォーカスすることにしよう。


■sabine be

ヨーロッパでも確たる地位を築いている、フランスのブランド『sabine be』。意外なことにアジア圏のエキシビションに出展するのは初の試みだそう。セールスレップを務めるFafa Zoaさんによれば「ブランド設立から10周年となり、そのタイミングでアジアのマーケットへも目を向けようと初出展することになりました。その第一歩として、香港インターナショナル・オプティカル・フェアを選んだんです」。
アジア圏でセールスレップを担当するFafa Zoaさん。「ブースには毎日40以上のバイヤーが訪れてくれました」と、好調な初出展となったそう。
ポップなカラーと躍動感溢れるデザインのアイウェア。それだけでなくアクセサリーや眼鏡ケースまでもネオンカラー。身に着けるだけで元気が出そうだ。

■brevno

こちらはロシア発のブランドで、シベリア産木材やリサイクルプラスチックなどを用いたエコフレンドリーな『brevno』。創設者でありデザイナーを務めるArtem Korovinさんは、2013年からアイウェアづくりに目覚めたという。「ロシア国内には10社くらいのブランドがあり、私たちもロシア国内はもちろん、欧州で100店舗の取り扱い店があります」とのこと。珍しいブランドを発掘できるのも、この展示会の魅力だ。
ブランドの創設者であり、デザインも手掛けるのはArtem Korovinさん。彼によると、管理された森林から伐採した木の1本分から8000本のフレームが生産されるという。
こちらはリサイクルプラスチックを用いたセルフレーム。廃棄されるだけだった、さまざまなプラスチック片を集めてペレット化。色を調合してクールなアイウェアへと昇華した。

■ARTHOD

昨年発行されたモードオプティークvol.58でも取材したフランスのブランド、ARTHODもアジア初出展として香港インターナショナル・オプティカル・フェアを選んだ。フレンチクラシックをツイストしたジャパンメイドの造形は香港の人々の琴線にも触れたようで、ブースには常に人だかりができていたのが印象的。日本でも厳選されたショップで取り扱いが始まっており、今後も目が離せない、要注意ブランドの一つである。
色味こそシックだが、エッジーなTVカットや張り出した智のラインなど未視感なデザイン。素材はタキロンアセテートに加え、有害化学物質を含まないHEXETATEを使用する。
アジア初出展ということもありブースは黒山の人だかり。デザイナーのJulien Vanteegerさん、オーナーのSilvie Savatdyはともに多くのバイヤーとセッションしていた。

■CLASSICO

賑やかなヴィジュアルに惹かれて足を止めたのは台湾発のCLASSICO。日本のクラフツマンシップをリスペクトしながら、クラシックなデザインをアップデートしたフレームはもとより、アーティストと協業した小物のセンスも抜群で、台湾ユースカルチャーを牽引する存在なのだ。台北と台中には6つの直営店があり、日本からのツーリストが台湾のお土産に、と彼らのショップを訪ねるケースも多いのだそうだ。
ディレクターのGaryさんは、イラストレーターのYUKI UEBOさんや台湾の若いアーティストとのコラボを介してヒトとメガネの新しい付き合い方を発信している。
プロダクトのクオリティの高さはいわずもがな、ポップカルチャーを象徴するアーティストや、伝統工芸を現代に継承する若手の職人とのコラボなど、独特の打ち出し方も◎!!
  • アイウェアジャーナリストとして眼鏡専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめとするメディアにて執筆。海外の眼鏡関係者との交友関係が広く、海外ブランドの日本進出、また国内ブランドの海外進出のサポートも兼任する。

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