
福島県喜多方市の人気ラーメン店「食堂はせ川」が、期間限定で東京駅に登場! “喜多方ラーメンの異端児” と評される店主長谷川大輔が生み出す唯一無二の一杯を堪能してきた。

看板メニューの「大判チャーシュー醤油らーめん」は、鶏と煮干しの旨みを活かした独自の味わいが特徴。喜多方ラーメンらしさを大切にしながらも新たな魅力を追求した一杯だ。


厳選した国産鶏と九十九里産の青口煮干しを軸に仕上げた看板メニュー。豚骨が主流の喜多方ラーメンにおいて、あえて鶏と魚介で勝負する独自の味わいが特徴だ。


丼からはみ出す豪快なチャーシューは、国産豚バラ肉を会津産の醤油だけで4時間じっくり火入れし、一日寝かせて仕上げる逸品だ。喜多方の縮れ麺は旨味のあるスープを口元にスープリフトしてくれる。
「食堂はせ川」の素材

「食堂はせ川」喜多方の美味しいらーめんを作り出す素材のこと、キャリア10年のスタッフ松本 大地さん、店主 長谷川 大輔さんに聞いてみた。
麺



北海道産きたほなみを軸に作った多加水麺。多加水ならではのもっちりとした食感と、小麦の風味を堪能できる。「多加水麺(喜多方の特徴)本日の加水は44%」、季節・湿度・気温で加水量を調整しています。
スープ



「真っ青な煮干しを厳選」。鶏ガラと青口煮干からじっくりと旨味を抽出。素材のうまみと煮干の香りが心地よいスープに仕上げてあります。醤油タレは会津産の醤油を使用。醤油の香りが際立ちます。
チャーシュー



「調味料を使わず、ほぼ醤油のみ」「火加減のみで色味と旨味に仕上げ」。会津産の薄口しょうゆと、国産豚バラ肉だけで作るチャーシュー。大判チャーシューは4時間火を入れ、一晩寝かせて仕上げます。旨味を凝縮させるため、仕上がりは元の50%程となります。
ご飯に合うらーめん作り



ご飯にチャーシューやメンマ、ネギをのせ、更に麺までのせて胡椒を一振り。この食べ方、喜多方の地元でいまブームを起こしつつある食べ方だ。見た目はごちゃまぜご飯だが、食べると不思議なぐらいに丼としての美味しさ。究極の喜多方らーめん丼!
喜多方らーめんを東京で作ること

この一杯を東京ラーメンストリートでなぜ始めたのか。店主 長谷川 大輔さんに話を聞いたみた。
モノマガねこやま(以下「ね」)「長谷川さんのらーめんって、どこか“食堂の温度”が残っている気がするんですよね。やっぱり、お祖母さんの食堂の影響が大きいんですか?」
食堂はせ川 店主 長谷川 大輔さん(以下、「長」)「大きいですね。祖母の店は昔ながらの食堂で、鶏と魚を基本にしたスープでした。素材にこだわりすぎず、分量や作り方で調整する柔軟さがあって。余った定食のごぼうを入れたり、そういう機転が普通にあったんです。」
ね「その“柔らかい発想”は、今のはせ川にも通じてますよね。」
長「祖母がリウマチになったのをきっかけに、僕がそのスタイルを受け継いだんです。でも、ただ守るだけじゃなくて、現代のニーズに合わせて工夫していくのが自分の役割だと思っています。」
ね「味噌ラーメンで人気だった店を、あえて醤油に振り切ったのは大胆でしたよね?」
長「あれは本当にゼロベースでした。古川農園さんのラーメンも参考にしながら、毎日試作して、食べ歩いて、インスパイアを繰り返して。“何を作ってるのか分からない”って言われるくらい独学でやってました。」
ね「結果的に、醤油の旨さに行き着いた・・・」
長「そうですね。方向性は間違ってないと感じています。」

ね「水の話も興味深かったです。東京と喜多方でそんなに違うんですね。」
長「東京は軟水なので、スープの出方が喜多方と違うんです。喜多方本店は県の許可を得た地下水で、受賞歴のある酒蔵・高倉さんと同じ水脈なんですよ。酒造りの水と同じ水脈って、品質の裏付けになりますし、本当に “水だけでも美味しい” んです。」
ね「喜多方らーめんって、今は “伝統系” と “進化系” に分かれてきてますよね?」
長「僕は進化系だと思っています。東京で出店することで、喜多方の魅力をもっと広く発信したいんです。四季彩さんとか一部店舗は頑張ってますけど、街全体では発信力や体力に課題があります。」
ね「後継者不足も深刻ですよね?」
長「そうなんです。だからこそ、若い世代として積極的にアピールしたい。若手が “自分も挑戦したい” と思えるロールモデルになりたいんですよ。らーめんの魅力を伝えて、職を持たない若者を産業に取り込むことで、地域文化を持続させたい。」

ね「朝ラー文化はどう見ていますか?」
長「今は観光客が中心で、地元の人はあまり食べないんです。文化継承と観光化のバランスが難しいですね。提供体制や顧客層を再定義する必要があると思っています。」
ね「麺づくりも、かなり職人的ですよね?」
長「うどん粉に近い粉をブレンドして、もちもち感を出しています。でも季節で粉の性質が変わるので、配合を日々調整するんです。製麺業者の季節データと、最終的な手触りによる職人判断を組み合わせる “データ+手仕事” ですね。ラーメンストリートでは麺量160gでしっかり出しています。」
ね「塩味のバランスも変えましたよね?」
長「喜多方らーめんって “しょっぱい” と言われがちなんですけど、それを解消しました。水をがぶ飲みしなくても食後感が良い塩分設計にしています。食べた方から “美味しかった” “良かった” と言っていただけて、方向性は間違ってないと感じています。」
ね「伝統を守りながら進化させる。その両輪が、長谷川さんのらーめんなんですね。」
長「そう思います。祖母の食堂から続く流れを大事にしながら、時代に合わせて進化させていきたいですね。」
ね「最後になりますが、今日は本当においしい一杯をありがとうございました。」



「食堂はせ川」
二代目店主長谷川 大輔さん
福島県喜多方市に店を構える「食堂はせ川」は、1982年創業の人気らーめん店です。現在の店主は二代目・長谷川大輔氏。「先代の味を守る」のではなく、「先代を超える」ことを目標に、自らが理想とする喜多方らーめんを追求している。
(2026年8月6日~11月23日の期間限定出店)


















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