豊かな瀬戸内海の魅力を存分に満喫する、広島県備後エリア! 【後編】

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本州・広島県尾道市と四国・愛媛県今治市にわたる全長約70kmのサイクリングロード「しまなみ海道」の発着点である尾道は、サイクリストの聖地として有名だが、今回はここ尾道で、オランダから来た16人乗りの自転車「ICHIROKU ONOMICHI」に挑戦!

オランダから来た、ユニークな16人乗りの自転車「ICHIROKU ONOMICHI」登場!

一般的な自転車とは異なり、一斉に皆でペダルを漕ぐため、ハンドルを握る必要もなく、ドリンク片手にみんなでトークを楽しみながらサイクリングを満喫できる。「尾道今昔ツアー」では、観光客がなかなか足を踏み入れない尾道市市街地の東側エリアを散策することができ、江戸時代から歴史を刻む歓楽街「新開」や「東京物語」のロケ地なども見学可能だ。

尾道の美しい景観を眺めながら楽しくサイクリングできる!

尾道の食文化を支えてきたお酢を使った、特製ドリンクと地元のパン屋で焼き上げたクロワッサンを楽しみながらのサイクリングに、気分も上々! どこを走っても心地良くサイクリングを楽しむことができた。

ドリンク片手にトークを楽しみながらサイクリング。天気も良くて、気分が上がる!

BETTER BICYCLES
住所:広島県尾道市土堂二丁目10−24 2F ONOMICHI SHARE内
電話:0848-38-2912

また、通常は一般公開されていない日本最古といわれる酢蔵「尾道造酢」を見学することもできた。造酢の歴史や醸造過程を楽しく学べたほか、長い歴史の中で代々守り継がれてきた「酢酸菌」から生まれるお酢をベースに、尾道では定番の「そのまんま酢のもの」や、尾道産のイチジクや柿、ブドウを使用した飲む酢など、様々なお酢が開発されている。

「ICHIROKU ONOMICHI」に乗って、日本最古といわれる酢蔵「尾道造酢」を見学!

尾道造酢の田中丸 善要さんが、昔ながらのお酢の製造方法を教えてくれた。尾道産の果物を使用した飲む酢も開発されている。

さらに尾道市向島に船でわたり、向かった先は海辺にあるガレット&クレープの店「Les Dix-Sept Bateaux(レ ディセット バトー)」。フレンチのシェフである桐生裕介シェフが手掛けるお店で、店内はフランスから取り寄せたという家具や調度品が並ぶ、フレンチ カントリースタイルで、ブルターニュ地方の伝統料理であるガレットを楽しむことができる。

Les Dix-Sept Bateaux
住所:広島県尾道市向島町立花2982-6
電話:0848-448-221

ガレットとは、仏語で「円く焼いた料理」を意味し、そば粉を使用し、フランス製の鉄板で直火焼きするため、外側はパリッと中はもっちりとした食感になる。地元・尾道の特産物や旬の野菜を使ったガレットに加え、桃やマスカット、イチジクなど果物を使ったガレット、塩バターキャラメルのクレープなどスイーツも楽しめる。

地元・尾道の特産物や旬の野菜を使った、華やかなガレット。

桃やマスカット、イチジクなど旬の果物を使ったガレットも楽しめる。

「非日常的な景色とプライペートな空間を演出したいと思い、ここにガレット&クレープ店を2023年の夏にオープンしました。地元の人は皆あたたかくて気さく。フランスの田舎町のような感覚に浸れます。気軽にガレット&クレープの美味しさに触れてほしいです」と語る桐生裕介シェフ。

広島県 向島のガレットレストラン「Les Dix-Sept Bateaux」の桐生裕介シェフ。

ガレットは一人分から注文可能で、ガレットに加え、スープ、シードル、シーズンのクレープがセットになったコーススタイルのメニューもある。テイクアウトもできるので、気軽に本格的な絶品ガレットを楽しむことができる。

お土産を選ぶなら、尾道市向島という島の南の山の中腹に位置する、チョコレートメーカー「USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)」がお勧めだ。チョコレートは、香料もバターもミルクも使わない、カカオ豆と砂糖のみのシンプルなもので、原材料であるカカオ豆の産地によって、異なる味わいのチョコレートを堪能することができる。

原材料であるカカオ豆の異なる味わいの楽しむことができる「USHIO CHOCOLATL」のオリジナルチョコレートがショーケースにズラリと揃う。

カシューナッツの甘さを引き出した「ネクストホワイト」「ネクストミルク」、ハッカを使用した「チョコハッカ」、ワインにも合うチョコレートなど、バリエーションも豊富。ミュージシャンのイラストを使用したという、パッケージもオシャレでギフトにも最適!

オリジナルチョコレートや美味しいドリンクは、見た目もお洒落な雰囲気で気分が盛り上がる!

店内ではチョコレートを購入できるほか、尾道店には工場やカフェも併設しており、テイクアウトドリンクもその場で楽しめる。セレクトされた雑誌やZINE、CD、グッズなども取り扱っているので、是非チェックしてみよう!

USHIO CHOCOLATL 尾道店
住所:広島県尾道市向島町立花2200
電話:0848-36-6408

最後は、瀬戸内海と緑が生い茂る山々に囲まれる「瀬戸内醸造所」。かつて瀬戸内で主要産業のひとつだった造船所のあった場所に、2021年に地元出身のオーナーの太田祐也氏が、「新たに地元の人々が集う場所にしたい」という思いのもとオープンした醸造所だ。

瀬戸内醸造所
住所:広島県三原市須波西1-5-26

建物の設計を手がけたのは、菅原大輔氏。杉板の表面を焼いてつくる、日本の伝統的な外装材である焼杉を使用し、瀬戸内の情景と自然とマッチする建物が完成した。

菅原大輔氏が手がけた建物の外側はオーシャンビューの庭になっており、貸切り・完全予約制で、バーベキューも楽しめる。

オーシャンビューの庭には、クレーン跡などがあえて残され、造船所の名残が感じられる。展開するワインは「SETOUCHIを旅するワイン、ワイナリー」がコンセプトで、瀬戸内海に面した三原市や竹原市などの農園で収穫したブドウを使ったワインを開発、製造、販売している。

オーナーの太田祐也氏がワイナリーを案内してくれ、醸造所で丹念に作ったワインを披露してくれた。

もともと広島県竹原市は、赤玉ポートワインの工場があったといわれ、古くから海沿いでぶどうを栽培している土地だった。「瀬戸内醸造所」では、そんな肥沃な瀬戸内のテロワールを活かし、栽培家が丁寧に栽培したぶどうを使用し、醸造所で丹念にワインを製造している。

“ワインに合うSETOUCHI料理”のローカルワイナリーレストラン「瀬戸内醸造所 レストラン mio」。

さらに醸造所だけでなく、レストランも併設しており、瀬戸内海を眺めながら、瀬戸内醸造所のワインや地元の旬の食材を使った美味しい料理を楽しむこともできる。レストランを利用した人を対象に、醸造棟見学ツアーも行われているので、ここでしか造れないワインの魅力に触れてほしい。

温暖な気候と瀬戸内海の自然の恩恵に育まれた広島県福山エリアと、尾道エリア。歴史や文化を始め、美味しい食の宝庫でもあり、世界に誇れる魅力を持つ。春夏秋冬で異なる奥深い魅力があるので、ここでしか体験できない特別な時間を満喫しに訪れてほしい。

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