【腕時計を読む!#15】ベトナム戦争時、パイロットの要望から生まれた24時間時計

Photo/WPP Archives 構成/ワールドムック編集部

24時間式軍用呼称で読む時計

軍では一日24時間を2400式の時間呼称で呼ぶ。午後1時であれば1300時というように昼の12時を回ったらすべて頭のなかで1200を足して呼ぶ。航空時計などには、そんな暗算をしなくても、ダイアルから直接、時間を読める24時間式時計があった。第2次大戦以降になるとすっかり姿を消してしまったが、例外があった。ベトナム戦争中に、グリシン(Glycine)から出ていたエアーマン(Airman)である。しかもこの時計には回転ベゼルが装備されており、異なるタイムゾーンの時刻を読むことができるGMT機能を搭載。念が入ったことに回転ベゼルは、クランプ状の留め金で固定できる独特のベゼルロック機構も持っていた。愚直とも思えるこのフェイルセーフ手段を必要として、一番信頼したのはいうまでもなくエアーマンである航空兵たちだった。

ベトナム戦争中の米軍PXでグリシンと共に人気のあったO&Wの時計

ダイアルに記されているOとWのロゴマークは、スイスの時計会社オレッヒ&ワイスのものである。ベトナム戦争時代に入ると、軍から支給される時計は「ジェネラル・パーパス」が大半を占めた。それはまさに一般使用目的の時計である。プラスチックを一体成型して大量生産された時計で、いわゆるディスポーザブルウオッチだった。パイロットのなかにはその軍支給の時計では飽き足らず、自費で購入する者がいた。軍の購買部PXで人気があったのが、このオレッヒ&ワイスの24時間時計であり、グリシンよりもさらに安く買えた。あるいは通信販売で入手することもできた。

ちなみにアーリーバードという名の由来は、1965年に打ち上げられた世界初の商用通信衛星「インテルサットI(通称:アーリーバード)」。

パイロット用以外の時計ではダイバーズウオッチも人気で、その理由はたった12ドルで買えたことにあった。

上はアメリカの軍事新聞『Army Times』に掲載されたアーリーバードの広告だ。以下にその訳を。

17石、24時間表示ミリタリーウォッチ
スイス直送、米国の半額!

優れた品質とデザインを誇る精密腕時計。陸軍、海軍、ナビゲーター、パイロット、無線オペレーター向けに設計されました。17石ムーブメント採用。堅牢なステンレススチール製のケースとバンド。特殊な24時間回転ベゼルにより、2つのタイムゾーンの時刻(AM/PM)を同時に確認できます。湿地帯、泥、雨、洋上勤務、スキンダイビングなどの過酷な環境に最適です。100%防水テスト済み(リューズ・風防が完全で、ケース未開封の状態)。蓄光式の針とインデックスを採用。

39.95ドルを現金(ドル紙幣)、郵便為替、または銀行小切手(個人小切手不可)で郵送いただければ、直ちに航空便で発送いたします。カタログは普通郵便なら無料、航空便なら50セントで送付します。

価格:39.95ドル(航空配送料込)差出人:OLLECH & WAJS(オレッヒ&ワイス)スイス、チューリッヒ 8039

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