Decipher the watch #12
ミリタリーウオッチ(軍用時計)は、過酷な環境での使用を前提としたハードな耐久性と堅牢性、瞬時に時刻を確認できる高い視認性を求められ、開発され続けている。つまり、ミリタリーウオッチを追うことは、腕時計の進化の一端を見ることでもある。世界的に有名な高級メーカーがそれぞれ独特の機能を持つ時計を生産してきた。今回は日本のミリタリーウオッチをクローズアップ。
写真/WPPアーカイブ 構成/ワールドムック編集部
精工舎製のポケットウオッチ。ニッケル製のケース。裏ぶたには “秒時計一型2○砲NO”(○の中に “砲” の字)と刻印されている。
レオニダスの陸軍用ポケットウオッチ。センターセコンド付き。裏ぶたの刻印は “八九式活動写真銃改二NO.1603” いわゆるガンカメラ用と推定される。
時計メーカーは不明。ムーブメントにはシリアルナンバーのみ。裏ぶたには “秒時計三型㊌NO187号” の刻印入り。
SEIKOSHAの文字が入った7石のポケットウオッチ。数字が大きく視認性を確保していた。裏ぶたには “陸軍、3136” が刻印されている。
航空機のコクピットクロック。パイロットはこれにヒモを通して首から下げた。文字盤には “時” の文字。
日本軍の時計ベルトは、非常に種類が多く、ポケットウオッチを除いては、兵士に支給する腕時計は非常に少なかった。ただし、将官たちは指定の腕時計を自分で購入するように指示されていた。“陸海軍人用” として多くのベルトが “忠勇” “勝利” 等の商標がつけられて販売されていた。ベルトには腕時計と方位磁石が装着できるようになっていた。
シチズン社製。同社が男性用腕時計を完成させたのが1931年とされており、それ以後の製品であることは確か。10型2針式の手巻きムーブメントを使っている。風防ガード付き。
セイコー。日本海軍官給用の軍用時計。7石10型ムーブメント使用。
セイコー。ニッケルクロームに裏ぶたはステンレススチール。バリス環式ベルト装着用シングルケース。7石の手巻式。
セイコー。ニッケルクロームの二重ケースの10石ムーブメントで手巻き。裏ぶたにはイカリのマーク。文字盤に桜マークがある。
大型航空時計ウイットナー。これはロンジン・ウイットナー製。視認性が高く重用された。裏には “空兵、第970号” の文字が刻印されている。
ムーブメントを入れる前のケース。
セイコー・プレジョン。精工舎製でムーブメント15石。大型のサイズはパイロットにとって視認性の確保に役立った。海軍航空時計のケース。ムーブメントが入っていない状態でケースの形状がよくわかる。
幅広の牛革ベルトは海軍航空時計に装着したもの。この時計は長いベルトで大腿部に巻きつけても使用した。大腿部への装着は操縦を妨げないという利点があり、イギリス軍やドイツ軍も大型時計はこうした使用方法をとっていた。
海上自衛隊が使用したセイコーのストップウオッチ。裏ぶたには海上自衛隊と420069が刻印されている。
エクシオールのクロノグラフ。精度の高い時計として知られている。裏には航空自衛隊と桜の花の刻印入り。