
オーストラリアにおいて、2年に一度、多国間共同訓練「タリスマン・セイバー」が行われています。これは、米豪が主催し、主として太平洋に面した国々が参加するオセアニア地域で最も巨大な軍事演習です。
日本は2015年から参加しております。それも陸海空自衛隊を統合運用するかなり大規模な陣容です。
直近では、2025年7月13日から26日の間に「タリスマン・セイバー25」として実施されました。今回で11回目を数え、歴史ある演習ともなってきました。
今回は、アメリカ及びオーストラリア、カナダ、フィジー、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、パプアニューギニア、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ、トンガ、イギリス、日本の19か国計3万5千人が参加し、実弾射撃や各機能別訓練など、連日オーストラリア内の演習場に留まらず、周辺空海域を舞台として、様々な訓練が繰り広げられていきました。
陸上自衛隊からは、水陸機動団や第2特科団、第8高射特科群などが部隊を派遣しました。数々の演習場の中でも、主たる場所となったのが、オーストラリア大陸東側にある都市ロックハンプトンの北にあるショル・ウォーターベイ演習場でした。同演習場の最寄り…と言ってもどんなに急いでも40分近くかかる場所にあるキャンプ・グレイルが、各国軍の宿営地となっており、その中に第8高射特科群の姿もありました。

この第8高射特科群は、03式中距離地対空誘導弾の射撃を行いました。陸自は、「タリスマン・セイバー」の枠組みの中に、国内では空域及び海域の制限などから実施できないミサイルの実弾射撃訓練を盛り込んでいます。同じ理由で、第2特科団は、12式地対艦誘導弾の射撃訓練を行いました。次回は、航空自衛隊も弾道ミサイル対処の要であるPAC-3ミサイルを参加させ、この場所で射撃訓練を行う計画です。

正確には、「タリスマン・セイバー25」の開始前となる7月12日に、日本を含めたいくつかの国による実弾射撃訓練が行われました。
まず午前中にアメリカ、オーストラリアのHIMARS及び韓国陸軍のK239多連装ロケットによる射撃が行われ、引き続きお昼頃に03式中距離地対空誘導弾の射撃となる予定でしたが、HIMARSの射撃に時間がかかり、スケジュールは大幅に遅れていきます。さらに陸自用の標的機にも不具合が生じ、結局日没迫る17時過ぎに射撃ができることになりました。
夕陽により赤く照らされた発射機から炎と煙が吹き上がりました。まっすぐ上空へとミサイルが飛び出して行き、ある高さまで到達したら方向を変え、ほぼ水平に飛んでいきました。白い煙の先を追っていくと、数秒後に、大きな爆発音とともに上空に火球が浮かび上がりました。見事目標となる標的機を撃破したことを意味します。

この様子を見ていた第8高射特科群長以下、隊員たちから拍手と喝さいが巻き起こりました。“撃破” を成し遂げるべく、今日まで訓練を続けてきたのですからこの喜びは当然です。陸自にまた新しい1ページが刻まれました。



































