
オーストラリア国内の演習場や周辺海空域を舞台として、2025年7月13日から26日にかけて、多国間軍事演習「タリスマン・セイバー25」が行われました。詳細は前編をご参照ください。
今回注目したいのは、7月14日に行われた「Combined Joint Live Fire」です。現地ではCJLFと略して呼ばれていました。日本語に訳すと「合同統合実弾射撃」となります。今回の演習の中でも重要な訓練と位置付けられており、オーストラリア政府や軍の高官、各国軍の高級幹部などが視察に訪れました。
そこまで注目される理由は、訓練名の “Combined(合同)” に意味があります。ここで使われる合同とは各国軍の連携を意味しており、まさにこの本演習の象徴でもあるからです。

CJLFは射場地域の標的がある地域から敵が侵攻してくるという一連のシナリオに沿って繰り広げられていきます。
まずは対地攻撃デモとしてオーストラリア空軍のF-35Aが演習場上空を飛びぬけて行きました。
引き続き、各国野砲部隊が攻撃を仕掛けていきます。圧巻だったのが、アメリカ、オーストラリア、シンガポールによるHIMARSの一斉射撃でした。射撃号令と共に各車がほぼ同時に発射していき、次々と白い煙の尾が空へと伸びていきます。各車連続射撃を行っていくのですが、土煙が巻き上がり、2発目以降、車体は全く見えなくなってしまいました。しかしその土煙の中から、白い煙が噴き出していきます。数分間にわたり演習場に轟音が響き続きました。
続いて韓国陸軍のK239多連装ロケットが射撃しました。HIMARS同様の箱型ランチャー型の兵器ですが、こちらは、完全なる韓国国産の多連装ロケットです。ハンファ8×8トラックをベースとした装輪式の車両の背中に、箱型のランチャーが載っており、そこには133㎜ロケット弾であれば最大40発、230㎜ロケット弾であれば最大12発が搭載可能です。こちらも連続射撃をしていくのですが、先ほどと同様に2発目以降は発射機が土煙で見えなくなりました。


この射撃が終わると、今度は米豪のM777 155mm榴弾砲や韓国のK9 155mm自走榴弾砲が射撃をしていきます。さらに韓国は、K1A2戦車も参加させました。米クライスラー社が設計し、ヒュンダイロテムが製造した韓国初の国産戦車がこのK1です。当初主砲は105㎜砲でしたが、その後120㎜砲へと改めたK1A1戦車が開発されました。さらにこちらのシステム等をアップグレードしたのがK1A2であり、2022年までにすべてのK1A1がK1A2へと入れ代わりました。


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すると、敵がこちらに対し、ミサイルを射撃してきました。これを迎撃する役目を担ったのが日本です。第8高射特科群の03式中距離地対空誘導弾がスタンバイします。ミサイルの入った筒は垂直に立てられており、いつでも射撃が可能な状態でした。
特に無線も入らず、突然ランチャーから炎が巻き上がりました。そして轟音を纏いながら、ミサイルが飛び出して行きます。最初は白い煙を追うことでミサイルの位置を把握できたのですが、いつしか肉眼では見えなくなりました。すると上空にピカッと火の玉が見えました。敵ミサイルを見事撃破した瞬間です。
こうしてCJLFは無事終了しました。



































