
2025年11月20日現在、最新号は971号。昭和から令和へと続く『モノ・マガジン』です。あと29号だせば、なんと1000号。目指せ1000号!!! ってなワケで、昭和57年に発行した創刊号から1号ずつ順繰りに見直していこうという企画「monoという名のタイムマシン」なんですが、今回はその番外編として、平成9年3月発行『宇宙人大図鑑』を紹介したいと思います。本編ではまだまだ昭和を抜け出せませんが、この本は平成生まれ。といいつつ、なかなかな昭和テイストのいい本です。ご堪能ください。
※画像はクリックすると拡大表示されます。

『宇宙人大図鑑』はカバー付き、A5サイズ(横148 × 縦210mm)です。160ページあり、32ページまでがカラー、それ以降はモノクロになってます。発行所はワールドフォトプレスではなく、グリーンアロー出版社となっています。当時、ワールドフォトプレスの関連会社で、現在の同名の会社とは別の会社です。カバーの下に本の内容が簡潔に2行でまとめられてるんで、引っ張っときましょう。
「過去50年間にUFOに伴って出現した宇宙人の膨大な目例から68例を厳選し、それぞれの宇宙人がどんな行動をしたかを簡潔に解説するとともに、身体的な特徴をイラストで図解したビジュアル版宇宙人ハンドブック」だそうです。
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これは扉です。左は表紙の裏で白です。なんか抜けちゃったワケじゃなくて、もともと白です。で、扉のイラストは146〜147ページに登場する「ラグーナ・カルタヘナ事件—————頭でっかちでヤセッポチの小人宇宙人」の顔面のアップを白黒反転してます。折角なんで、その事件の概要を以下に。
【出現日時】1900年8月31日
【出現場所】 プエルトリコラゲーナ・カルタヘナ
【目撃者】ミゲル・フィゲロア(55歳)
【事件の概要】プエルトリコで、UFOや宇宙人の出現事件の数が目に見えて増加したのは1987年5月末からで、そのハイライトともいえるのがオルミグロス事件だった(140ページを参照)。このUFOウェーブは1990年になっても終息せず、この島のあちこちからUFO目撃の言が続いていた。そうした状況の中で、この事件は発生した。8月31日の午前3時30分。自宅でぐっすりと眠っていたミゲル・フィゲロア(55歳)は不安を感じて不意に目が覚めたのである。カーボ・ローホから10キロほど南東の、ラグーナ・カルタヘナの北を走っている101号線沿いで、フィゲロアはエル・タマリンドというカフェを経営していた。寝ているときに、彼は自分のカフェで何かよくないことが起きていると感じがして、非常に不安になって目が覚めたのである。フィゲロアはすぐさま車でカフェに向かった。彼が店に到着すると、驚いたことにエル・タマリンドの前には10台も車が停まっていた。そして、何ごとかに気を奪われたような感じの人々が、フィゲロアの店の前に立って騒いでいた。フィゲロアはカフェの前を少し行き過ぎてからUターンして戻ってくると、いったいどういうことなのか、そこにいた人々に質問した。すると、興奮した面持ちの1人の女性が「小人の宇宙人が現われたの」と彼に向かってまくしたてた。フィゲロアがきょとんとしていると、そばにいたドライバーたちが、101号線を走っていたときに、その道路を頭でっかちの「火星人」が行進しているのを見たのだと彼に説明した。あまりにぱかぱかかしくて、フィゲロアは彼らの話を笑い飛ばした。だが、そのドライバーたちが本当に火星人がいたのだとしつこく言い張るので、彼は自分の目で確かめるため、車で宇宙人を追跡することにした。101号線を1キロほど走ったとき、フィゲロアは50メートル前方に奇妙なシルエットをしたら人の宇宙人を見つけた。
【UFOとの関連度】目撃者はUFOを見ていない。だが、前に述べたように、当時プエルトリコではUFO目撃が頻発していた。特に、ラダーナ・カルターナではこの宇宙人目撃事件の前後、多数のUFOが目撃されていた。
【宇宙人のタイプ】タイプ1 ヒューマノイド(小人型)
【身体的な特徴】宇宙人は2人が大きくて身長1.5メートル程度、残りの3人は1メートル足らずだった。宇宙人たちはひどく痩せていて、ほとんど骸骨のようだった。頭が非常に大きくて西洋ナシのような形をしていた。耳も異常に大きくて先が尖っており、大きな目はアーモンド型をしていた。鼻と口はとても小さかった。腕は長く、端には指が3本しかなかった。足も3だった。
【服装】宇宙人は頭のてっぺんからつま先まで一様に灰色だったが、フィゲロアには彼らが服を着ていたのか、それとも裸だったのかわからなかった。
【宇宙人の行動】宇宙人は目撃者に無関心だった。 5人の宇宙人は、フィゲロアにはまったく無関心で、そのままいずこかに姿を消してしまった。フィゲロアが後から語ったところによると、彼がその宇宙人たちを見ていたとき、たしかに恐怖を覚えたが、同時に宇宙人に非常な魅惑も感じたという。
こんな感じで、ちょっぴり怖くてほんのりシュールな世界各国で起こった68の事件を年代順に紹介しています。
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2〜4ページが目次です。それぞれの年代ごとに中扉を設けていて、その時代のあらましが記されているので、以下に扉の文章を抜き出しておきます。
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1947年——発端
1947年6月24日に、アメリカの実業家で自家用機パイロットのケネス・アーノルドが、ワシントン州のレーニア山付近を飛行中に9機の奇妙な飛行物体を目撃したことから、いわゆるフライング・ソーサー(空飛ぶ円盤)が世界的に注目を集めるようになった。この空飛ぶ円盤という謎の飛行物体、すなわちUFO(未確認飛行物体)がアメリカの国防に脅威をもたらす可能性を考慮して、米空軍がUFO調査機関を設置するほどだった。
もちろん、アーノルド事件以前にもUFOとおぼしき謎の飛行物体は世界の各地に出現していたし、それにともなって宇宙人と想定されるUFOの搭乗員も、少なくとも19世紀の終わりには目撃されている。だが本書では、UFO時代の幕明けとなったアーノルド事件以後に目撃された宇宙人に限定して紹介することにしたい。まず最初に取り上げるのは、1947年に起きた3つの事件である。


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1950年代——展開
1950年代の前半に、UFOに同乗して友好的な宇宙人(スペース・ビーブル)と親しく会見したと主張する人々、いわゆるコンタクティーが登場してくる。その代表的な人物が、アメリカのジョージ・アダムスキーである。彼らの出会った宇宙人は人間とほとんど見分けがつかず、姿形が美しい者ばかりである。だが、コンタクティーたちが宇宙人から聞いたという話の内容は現代の科学知識と矛盾していたり、客観性に欠けるものだったため、多くのUFO研究家は彼らの体験をインチキだと批判した。一方、1954年10月にヨーロッパ特にフランスでUFO着陸事件、攻撃的な小人宇宙人との遭遇事件が多発したかと思うと、11月から12月にかけて南米で宇宙人遭遇事件が続発するようになる。しかも、1957年にはブラジルでUFOの中に連れ込まれた農夫の青年が、女性宇宙人とセックスしたという奇想天外な事件まで発生している。このように、1950年代は善玉と悪玉の宇宙人がそろって登場した時期だった。




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1960年代——深化
1960年代には、UFO史上でもきわめて重要な宇宙人目撃事件がいくつか起きている。1つはアメリカのヒル夫妻事件で、UFOを目撃後、夫妻は2時間ほど記憶を喪失してしまった。専門医の催眠治療によって、2人は宇宙人に誘拐され、UFOの中で身体検査されたことを思い出したのである。ヒル夫妻の体験はドキュメンタリー映画にもなり、いわゆるUFOアブダクション(誘拐)が広く知られるようになっていった。また、1964年のソッコロ事件は、宇宙人を目撃したのが信頼できる警官だったので、それまで宇宙人の存在に懐疑的だったUFO研究家たちも本格的にこの問題に取り組むようになった。



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1970年代——拡散
宇宙人の問題がもはやタブーではなくなった1970年代になると、世界各地で宇宙人目撃事件が報告されるようになってくる。奇想天外な形態の宇宙人が増加したわけではないが、宇宙人の行動はますます邪悪になり、人間をUFOの中に連れ込んで身体検査を行なうという「アブダクション・ケース」が特にアメリカと南米で急増するようになる。1973年には、UFOウェーブと呼ばれる広範囲にわたるUFOおよび宇宙人目撃騒動がアメリカと西欧で発生している。そして1977年のスピルバーグの映画「未知との遭遇」の大ヒットで「第3種接近遭遇」という言葉が世界中に広まるとともに、一般の人々も宇宙人というと特定のイメージを思い描くようになっていった。

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1980年代——混迷
1980年代に入ると、宇宙人による人間誘拐、いわゆるアブダクション・ケースがますます注目を集めるようになった。UFO研究家のバッド・ホプキンスが1981年に『ミッシング・タイム(失われた時間)』という著書を出版し、いくつかの実例を挙げてUFO遭遇体験すら記憶していないアブダクションの犠牲者が驚くほど多数いる可能性があると指摘したからである。そして、80年代の終わりごろになると、グレイと名づけられた小人型ヒューマノイド宇宙人が米政府と密約を結び、アブダクションの犠牲者から採取した細胞を用いて、人間と宇宙人のハイブリッドを作る遺伝子工学の実験を行なっているという、信じられないような推測までが取りざたされるようになっていった。

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1990年代——謀略
1989年から1990年にかけて、ベルギーで三角形のUFOを目撃したという報告が殺到した。さらに、ブラジル(1992年)やイギリス(1993年)、アメリカ(1995年)でも、大規模なUFO目撃騒動が起きている。だが、宇宙人の目撃は、UFOほど頻発してはいない。マスコミで話題になったのは、1995年に発表されたロズウェル事件の宇宙人だという解剖フィルムだろう。だが、解剖フィルムの宇宙人は身長が高すぎるし、体格も立派すぎる。目撃者たちが宇宙人は4本指だったと証言しているのに、フィルムの宇宙人は指が6本ある。 撮影日時も、ロズウェル事件が起きる前である。フィルムに写っているのは宇宙人かもしれないが、ロズウェル・エイリアンではないことは明白である。これは宇宙人の実在を隠蔽する陰謀なのだろうか。

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156〜158ページの「宇宙人のタイプおよびサイズ別索引」を載せときます。7.5cm〜5mと、ずいぶんいろんなサイズの宇宙人がいるもんです。そりゃそうでしょう、宇宙は広いですからね。
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怪しい図版で構成されたカバーで締めくくりとします。
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楽しんでいただけたでしょうか。またなにか発掘できたら、紹介したいと思います。


































