エディオンは売るだけじゃない。商品性能テスト研究所が描く未来。家電の裏側を支える技術者集団「四天王」は凄かった!

写真:エディオンJR尼崎駅店

「買って安心 ずっと満足」を掲げるエディオンは、全国に約1200店を展開する家電量販店。社名のエディオンは、アルファベット表記の「EDION」が「Exciting Discovery In One Network」の頭文字であることに由来。現在は、家電販売だけではなく、リフォームや住宅設備、アフターサービスにも力を入れている。店舗では何万点にも及ぶ陳列・販売される家電の数々。エディオンは家電を販売するだけではなく、「買って安心 ずっと満足」の視点から、「エディオン 商品性能保証監査部 商品性能テスト研究所(以下、エディオン 商品性能テスト研究所」という他の大手量販店ではあまり見られない部署がある。一体何をやっているのか? 初めて聞く部署に、monoWeb編集部は新幹線に飛び乗り、研究所のある兵庫県尼崎まで取材に行ってきた。

この部署は、約40種類のテスト機器を備え、「安全性、耐久性、実用性」などの基本性能に加え、カスタマーの視点にたって「操作ボタンの押しやすさ」や「作動音の静かさ」などテストを行っている。国内の大手メーカー製品は、メーカー自体の厳正な製品テストを経て、市場に流通しているので、商品性能テスト研究所のテスト対象となるのは、大手メーカー以外の国内メーカー製品、輸入代理店が扱う海外メーカーの製品が対象となる。特にエディオンとの取引実績がない新規の家電商品、またバイヤーからの仕入れ対象家電のテスト要請などに対応・実施している部署だ。

エディオン 商品性能テスト研究所の歴史は古く、1987年デオデオの前身であるダイイチの時代に開設され、2004年、2002年の事業統合(デオデオとエイデン)によりいったん休止されたが 、2010年に再開している。

開設当時は、海外の家電製品が日本の市場に入り始めたころで、安価だけれども不良品が多いという商品が数多くあった。

・2010年LED電球の普及
・2013年モバイルバッテリー初テスト
・2018年PBブランド「e angle」テスト開始。加熱式タバコの普及により商品テスト
・2021年コロナによるCO2センサーテスト。ポータブル電源テスト
・2024年 PBブランド「e angle」カラーデザインシリーズ拡充

時代と共に数々の商品をテストしてきた商品性能テスト研究所の歴史は古く、また安全な家電商品を昔も今も世に送り出してきている。

エディオン 商品企画統括部
商品性能保証監査部長 兼 商品性能テスト研究所長
馬場 猛(ばば たけし)氏

具体的に例えば、電気製品には消費電力などが表示されているが、実際に使用した際に表示通りかどうか? 電圧の変動によって大きな影響がないか? あるいは家電製品を使用しているうちに、本体や電源コードなどが異常に熱くならないか? 熱くなるべきでない部分が熱くなるのは、故障しやすい傾向となってしまう為、使用時の温度の測定などを行っている。 そして一番の要、電気用品安全法、家庭用品品質表示法、電波法など、各種法律・規格に適合しているかどうかの確認を入念に行っている。

2018年度からはエディオンのプライベートブランド「e angle(イーアングル)」が展開中。monoWeb編集部は「e angle」のグリル鍋を取材。使ってみて分かった、デザイン性・機能性・安全性・利便性のいい家電は実証済みだ。

eangle では、サンプル品から量産品までテストを入念に行っている。買い求めいただく全てのカスタマーを想定し、カスタマーの視点にたって、自分たちの目で品質を確かめ、自信をもって届けることがブランドとしての責任であると考えている。エディオンのコーポレートメッセージ 「買って安心 ずっと満足」 商品性能テスト研究所は、まさにその信念を形にするための重要な拠点であり、品質管理の要として日々取り組みを続けているとのこと。

エディオン商品性能テスト研究所の検査担当「四天王」

左から)エディオン商品性能テスト研究所長 馬場 猛氏/同アシスタントマネージャー宮本 貴裕氏/同アシスタントマネージャー佐々木 祥伍氏/同チーフ三ヶ尻 真吾氏

エディオン商品性能テスト研究所のオフィスには、見慣れない検査器具と膨大な書類が所狭しに置いてある。ここがエディオン約1200店に並ぶ家電商品、安全の担保を取る、検査、承認をしている場所だ。エディオンスピリッツを継承する「買って安心 ずっと満足」を貫く、それに適応しないものを初動で封じ込める検査担当「四天王(馬場・宮本・佐々木・三ヶ尻)」たちの日々の戦場である。

環境試験室テスト

各種機器や機器に実装される各種部品が想定される様々な条件下で使用した場合に問題なく仕様通り動作することを事前に確認するため、様々な環境条件を疑似的に作り出す試験室だ。

・低温-10℃ ~ +40℃・湿度70% ~ 80%に置き約8時間経過後、異常無く動作するか確認。・熱衝撃検査では、約4時間-10℃の環境後、約4時間・+40℃・80%RHの環境にて熱衝撃を与え異常無く動作するか確認している。見学当日は冷蔵庫が試験されていた。

そんな過酷な環境下で使用することは無いが徹底的に検査を行っている。温暖化が進む中、耐久温度は今後50℃設定になっていくかもしれない。

給排水テスト

洗濯機・食器洗い乾燥機など水回りの商品テストと、操作スイッチのテストを行っている。設備は蛇口×1 ・洗濯機用水栓×1 ・排水口×1だ。

耐圧テスト

使用電圧に対して規定されたACもしくはDC電圧を印加し、絶縁破壊を起こすかどうかで絶縁不良を検出するテスト(絶縁の強度を見ている)だ 。定格電圧が150V以下の機器1000V1分間 、定格電圧が150Vを超える機器は1500V1分間電流を家電に流し込む。家電使用中感電や、火災などの事故を防ぎ、安全性を確保するテストだ。

テスト筐体は電子レンジであったが、頑丈な手袋装着で電流を流し込む瞬間後ずさりしてしまった。

リチウムバッテリー検査

リチウムバッテリーの発火・火災などのニュースが流れる時代。便利なバッテリーも、一つ一つ本体から取り出し本体に記載のある定格銘板と仕様書が一致しているか検査する。リチウムバッテリーは発火・破裂・科学火傷を引き起こす可能性がある為、分解することは出来ないが目視することにより安全を確保している。

取扱説明書テスト

取扱説明書通りに本体が稼働するか、スイッチを始め、首振り角度などのテストを実施。また、部品など使い難い箇所はメーカーにフィードバックをして改善の要請までしている。

フォ-スゲ-ジテスト

押付・引張力を計測する。イヤホンなど小さな接続ジャックの耐久性をテスト。どのくらいの力で着脱するかを確認している。すぐ外れてもNG、外れにくくてもNGだ。

モバイルバッテリー給電テスト

モバイルバッテリーの動作確認と、各ポートの出力電圧が確実に供給されているかのテスト。一定の電圧を確実に供給しているか、使用頻度の高いバッテリーだからこそこのテストは必要だ。

赤外線サ-モグラフィテスト

これから使用頻度が高くなるヒーター。本体自体が高温にならないかをチェックテスト。一台一台稼働させて、本体表面温度を確認する。

「e angle(イーアングル)」

「e angle(イーアングル)」グリル鍋。デザイン性・機能性・安全性・利便性のいい家電。手にするまでに四天王の検査を受け、安全性を確保したうえで美味しい料理が作れることに、エディオンのこだわりを改めて認識した。「買って安心 ずっと満足」フロンティアスピリットだ!

エディオン商品性能テスト研究所の役割

エディオン商品性能テスト研究所は、まさにその信念を形にするための重要な拠点であり、品質管理の要として日々取り組みを続ける部署だった。

商品性能テスト研究所
◎家電製品の品質テスト
◎製品の性能評価・試験業務の立案と実施
◎信頼性・耐久性試験の設計
◎安全性サポートの実施
◎異常発生原因の解析・検証と報告書作成
◎電気用品安全法などの技術基準に基づいた実務経験が求められる専門職社員が在籍

エディオン

エディオン 商品性能テスト研究所
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  • 昭和‐平成‐令和とグルメからファッション、ペット(猫専門)まで幅広いジャンルの情報誌を手掛ける。現在は、執筆の傍ら全国地域活性化事業の一環で、観光・地方に眠るお宝(ギアもの)ご当地グルメを全国旅取材する日々。趣味は街ネタ散歩とご当地食べ歩き。自宅は猫様の快適部屋を目指し、日々こつこつ猫部屋を造作中!!

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