世界No.1シェアを誇るオフィス家具メーカーの進化するオフィスチェア!!

1912年米国ミシガン州にて創立。創業113年の「Steelcase(スチールケース)」、2024年度売上実績32億ドル(約4800億円)、世界のオフィス家具市場で売上No.1のシェアを誇るメーカーだ。とはいえ、ただオフィス家具を製造するだけの会社ではないという。オフィス空間そのものの機能性、快適さを徹底的なグローバルリサーチの元に設計する、というのがSteelcaseのスタンスだ。なので、ここで作られるオフィスチェアは単なる腰掛けではなく、仕事を捗らせるためのツールのひとつといっていいだろう。そのオフィスチェアが、いったいどのような進化を遂げてきたのか? 広尾にあるSteelcaseのWorkLife Tokyo(ライブオフィス、兼ショールーム)にお伺いし、セールスディレクターのロバート・ラウさんに解説していただいた。

Steelcase Japanのセールスディレクター、ロバート・ラウ(Robert Lau)さん。

創業100年以上、売上世界トップを誇るオフィス家具メーカー、さらに徹底的なグローバルリサーチを行う会社という以外に、Steelcaseの大きな取り組みとして注目したいのが、ESGEnvironment “環境”、Social “社会”、Governance “ガバナンス”)。具体的には「ネットゼロ」の未来を目指している。その道筋を以下に。

2020年8月達成「カーボンニュートラル」
温室効果ガスのひとつ、二酸化炭素の排出量を除去などを行い差引ゼロに。ちなみにのちほど紹介するチェアはすべてカーボンニュートラル(Carbon Neutral®)認証製品だ。

2030年までの目標「カーボンネガティブ」
排出するより多くの二酸化炭素を除去する。

2050年までの目標「ネットゼロ」
バリューチェーン(製造拠点12ヵ所)全体で、炭素排出量を90%削減する。

すでに2020年の時点で、カーボンニュートラルを達成しているところがスゴイ。2050年といわず、前倒しでネットゼロを達成してくれるのでは、と期待が高まるところだ。家具の製造メーカーとしては非常に難しい課題だが、サプライチェーンの見直しから、設備投資まで含めて、目標達成に向けて動いているとのことだ。

加えて、業界の中でも最高基準の保証を提供していることもSteelcaseの強みのひとつだ。構造体(フレームやベースの部分)に関しては「永久保証」、機構や可動域に関しては「12年保証」。使い捨てのご時世で、こうしたサービスの提供も明らかにサステナビリティに通じるものだろう。
※上記の内容は、企業向けの保証です。

ここからはロバートさんによるSteelcaseのオフィスチェアの解説だ。発売された年順に4つのチェアを紹介しよう。

Leap
(1999年発売)

最初に紹介するのは1999年に発売が開始され、バージョンアップも兼ねてベストセラーとなっているLeap(リープ チェア)。バイオミミクリー、つまり自然界の仕組みや、人体の動きなどを模倣することから開発されたオフィスチェアだ。その開発時に着目したのは、人の背骨というのはひとりひとり形も動きも違うということ。このすべてをサポートできるようにするというのがLeapのコンセプト。以下の3つの機能により、非常にカスタマイゼーションの高いチェアが完成した。

ライブバック(Live Back®)機構 どんな身長、体型の人が座っても、背骨全体をしっかり支えると同時に、座りながらの身体の動きもサポートする。医療機関からも推奨されるようになった、すぐれた機構だ。加えてランバーサポートにより、ライブバックの硬さ(テンション)も調節できる。

ナチュラルグライドシステム リクライニングと同時に座面が前方にスライドすることで、座る人の視界や手の届く範囲が変わらない。チェアに密着したまま自由な姿勢をとることができる。

4Dアーム 肘掛けの前後、奥行き、高さ、角度を自在に調節。座る人に合わせた位置にすることができる。

Think
(2005年発売)

次に紹介するのはThink(シンク チェア)。座る人の重さ、体格、動きに直感的に反応し、快適さを調節してくれるオフィスチェアで、その名の通り「考えるイス」である。発売当時、オフィスは固定席の会社が多かったが、Steelcaseはフリーアドレスになることを予測。つまり、ひとつのオフィスチェアに不特定多数の人が座ることになる。このことに着目して開発されている。

体重感知機能 座る人の体重に合わせてバックテンションを自動的に調整する。

ライブバック(Live Back®)フレクサー機構 腰回りは硬く、背中は柔らかいテンションを持たせており、個々人の体格や動きにあったサポートがされるように設計されている。

ランバーサポート 腰部分のサポートの高さを調節できる。

4Dアーム Leapと同様。

Gesture
(2013年発売)

世界6大陸、2,000人以上の被験者を対象に行われた「グローバルポスチャスタディー(座位姿勢調査研究)」の結果をベースに開発されたGesture(ジェスチャー チェア)。このリサーチで明らかになったのは、人の座り方が変わってきているということ。その大きな理由は使用するデバイスやテクノロジーがどんどん変化してきているからだ。それまでのオフィスチェアでサポートできない新しい座り方、姿勢に対応することが、Gestureのコンセプトとなっている。

3Dライブバック(Live Back®)機構 ライブバック機構をさらに進化させ、背骨をしっかりと支え、自然なS字カーブを維持できるようにサポートする。

360°アーム 使っているデバイスが、スマホやパッド、あるいはキーボードなどそれぞれあるので、アームの可動域や柔軟性をさらに高めている。360°全可動域を調節可能。

ソフトエッジの座面 座面の縁に柔軟性を持たせ、足を組んだり、胡座をかいたり、どんな姿勢でも、太腿への圧迫を軽減する構造で快適な座り心地をサポートする。

マニュアル調節 座面右下に2つの調節ダイアルがある。前のダイヤルは座面高さと奥行き、後ろのダイヤルで背もたれリクライニングの角度とテンションを簡単に調節でき、その時の作業にあったベストなポジションを作ることができる。

Steelcase Karman™
(2023年発売)

最後に紹介するのは、独自開発された特許取得済み高機能テキスタイルのIntermix(インターミックス)を採用したSteelcase最新のオフィスチェア、背中も座面もフルメッシュのKarman(カーマン チェア)だ。それまでは人の動きなどのサポートをメッシュで対応することができなかった。Intermixの登場で、しなやかな弾力性であらゆる身体形状にフィットしながら格別のホールド感をサポートできるようになったのだ。

体重感知機能 Intermix自体を構造体として用いており、体圧が自動的に調整され、姿勢を変えるたびに座面も背中もその動きに滑らかに追従する。

ランバーサポート 柔軟性のある樹脂を使用した超軽量フレームの採用。LeapやGestureのノウハウを活かし、しっかりと腰をサポートする。

コンフォート・エッジ 超軽量フレームがしなることで、エッジの硬さによる身体への圧迫や痛みを解消。

コンフォート・ダイヤル 座面右下にあるダイヤルで、4つのリクライニングポジションとテンションを設定できる。

4Dアーム LeapやThinkと同様。

さらにもうひとつ、Steelcaseのカテゴリーでは、「オフィスチェア」ではなく「ミーティングチェア」に分類されるのだけれど、ユニークなチェアなので、合わせて紹介していただいた。

Turnstone Buoy
(2013年発売)

Buoy(ブイ チェア)という名は、海に浮かぶブイ(浮標)をイメージしてその名がつけられた。360°、どの方向にもゆらゆら動くチェアだ。これはSteelcaseが推奨するアクティブシッティング、つまり座った状態でも活発に動けるということをかたちにしたチェアだ。その自由な動きから、会話やクリエイティビティーの促進、緊張の緩和などがもたらされるという、座っていて楽しいチェアだ。

高さ調節が可能 レバー操作で14cm範囲の高さ調節が可能。

Steelcaseのチェアは、もちろん個人購入も可能だ。ご興味のある方は、まずショールーム見学を申し込んでみてはいかがだろう。

【Steelcase WorkLife Tokyo】
試座体験・見学の申し込みはコチラ
所在地:東京都港区南麻布5-2-32 興和広尾ビル4F
営業時間:平日 10:00~17:00
休業日:土日祝日
その他お問い合わせはコチラ

Steelcase Japan

ロバートさんのわかりやすい解説を動画でもどうぞ!

関連記事一覧