

藤沢市の人気観光スポット、江ノ島。その本土側、江ノ島大橋から続くメインストリートに今回の主役である大山さんの美容室がある。海風が吹き抜ける心地いい環境のなかヤングタイマーなオフ車を乗りこなすその姿には、ライフスタイルを楽しむコツが詰まっていた。
写真/熊谷義久 文/岡本546

Owner:
大山スグルさん
1994年、静岡県生まれ。専門学校を卒業後、七里ヶ浜の美容室で経験を積み2023年9月に独立し、ヘアスタジオ「UISCE(ウィスカ)」をオープン。休日は登山、自転車、サーフィンなどアウトドアな趣味を楽しんでいる。
趣味と趣向をどちらも満たしてくれる最高の一台
片瀬江ノ島駅と江ノ電江ノ島駅を結ぶ「すばな通り」からひとつ路地へ入ったところ、洒落た平屋の一角にヘアスタジオ「UISCE(ウィスカ)」がある。オーナーの大山さんは、七里ヶ浜の老舗で技術を学び、昨年9月にウィスカをオープン。若きヘアサロンオーナーとして、こだわりの音響を備えた店舗空間で忙しい日々を送る。
その空間づくりの姿勢からも分かる通り趣向を凝らす性格。それはクルマに対しても同じスタンスだ。愛車の三菱パジェロは、80年代に登場するとそのポップな名前の響きとは裏腹に、オフロードをグイグイ進むパワフルな走りで世のアウトドアズマンを魅了した名車。その初代パジェロといわれる一台を大山さんは思いっきり楽しんでいる。というのも彼自身、登山や自転車などアウトドアな趣味を抱えているからだ。
「3ドアのショートボディで小回りが効くけれど、エンジンは3500㏄ととてもパワフル。サクッと山に行くにはこれ以上のクルマはないですね。純正のカスタムパーツも根気よく探せば出てくるので、当時のアウトドアな雰囲気にこだわったカスタムも楽しんでいます。遊びとスタイルその両方で、自分のやりたいことを満たしてくれる本当に面白い一台に巡り会えました」
大山さんのライフスタイルを彩るパートナーはいまだ進化途中だ。

■ 1989 MITSUBISHI PAJERO 3.5
1982年に登場したパジェロ。初代と呼ばれるモデルには前期型と後期型とがあり、こちらの一台はフェンダーミラーが付かない後期モデルとなる。3ドア、4人乗りとコンパクトな作りながら、3500㏄のパワフルな走りがフィールドでの走破性に抜群と評価される。

ウィスカとはゲール語で「水」を意味し、そのナチュラルな雰囲気を示すように店内は、ウッド調で統一された居心地の良い空間が広がる。とくに音響へのこだわりはひとしおで、アルテック社の劇場用スピーカーが備えられている。



そんなオーナー大山さんの愛車へのこだわりは“純正”であること。キャメルトロフィーを掲げられるルーフキャリア、三菱純正の軍用ホイール「73式小型トラック」、ヘッドライト&テールランプのガードなどフリマサイトやオークションサイトなどを駆使して極力当時のオリジナルを集めているという。


ナルディ社のハンドルやイタリア製のサイクルキャリアは純正ではないものの、車体の雰囲気と合うものを厳選して装着するなど、そのこだわりの強さが窺い知れる。

普段は家でお留守番という愛犬のゾーイもこの日は出勤。人懐っこく甘えん坊の愛らしい姿で常連さんからも人気者。