芸術の秋、スポーツの秋、なんといっても食欲の秋! いままさに美食シーズンを迎えたニッポンだが、ちょっと一服のコーヒーもその例にもれない。料理をアートにする、というブランド名をもつ「クイジナート」の新顔「ドリップワン」を早速チェック!
写真と文/モノ・マガジン編集部
ハンドブレンダーやミキサーで本国アメリカでは高いシェアを誇るクイジナート。我らが日本でもとりわけハンドブレンダーで支持を集めているが、そのクイジナートがなんとコーヒーメーカーをリリース、といった情報を入手した。商品名は「ドリップワン ミル付コーヒーメーカー〈DGB-2KJ〉」。
【ドリップワン ミル付コーヒーメーカー〈DGB-2KJ〉】価格オープン(税込実勢3万4000円前後)
こだわりのコーヒーというとハンドドリップを連想するが、本機のシステム、というか、思想がなかなかにユニークなので、今回、正直ベースで、テストレポートをすることとした。
「ドリップワン」の商品特長は、これがミル付コーヒーメーカーであること。そして一杯抽出マシンであることだ。
コーヒーメーカーのメリットと言えば、多くの杯数を一度に抽出できること、手間いらいずで安定した抽出ができること。昨今では無印良品やシロカに代表される「ミルからフルオート」タイプも増えてきているが、「ドリップワン」はミルはミルとして操作し、挽き粉の入ったフィルターカップを抽出部に移してドリップするというユニークな手順を採る。
「ドリップワン」の肝心かなめ、フィルターカップとフィルター部。
さらに個性的なのは、これは世の趨勢へのアンチテーゼと言えるかも知れないが、濃さや抽出量の選択をシンプル化していることだ。
抽出量はSサイズ(約140ml)、Mサイズ(約180ml)、濃さは粉量約9gと約11gの共に2種類。アイスコーヒー用により濃く抽出することもできるが、いずれにしろ、昨今の「細かく調整できますので、お好みでどうぞ!」というマシンとは一線を画する、ある意味潔い設計、はたまたクイジナートの考える「ドリップコーヒーとはこれだ!」という意思を貫いた男気溢れる設計とも言える。
シンプルな操作部。フィルターカップの装填など、コーヒーメーカーながらクラフト感覚をもつのが「ドリップワン」なのだ。
ミルボタンを押して豆を挽き、フィルターカップをドリッパーにスロットインして抽出ボタンを押すだけなのだが、なぜかわたしは「2001年宇宙の旅」終盤、ボーマン船長がHAL9000内部でモジュールを引き抜く作業を連想させられた。フィルターカップを本体側面に収納できるデザインも、男心にグッとくるものがある。
今回のテスト唯一の気がかりが、フィルターカップのフタのヒンジ部。細い樹脂製のため心配になる。製品耐久はテスト済みだろうが、これは老婆心でしょうか(笑)。
では抽出してみよう。
今回はUCC「ゴールドスペシャル」など定番的な豆数種で試したが、いずれもやや濃いめに抽出されるように感じられた。こういった場合は、抽出量をMサイズにするとよりスムーズな飲み口にできる。
左/フィルターカップを収納部から取り出しキャップを開いてミルにセット。右/ミルし終えたフィルターカップを抽出部に移して操作ボタンを押す。
「ミル付コーヒーメーカーとして最速!」の約90秒(2024年9月クイジナート調べ。家庭用ドリップ式として)で君の一杯をドリップしてくれる「ドリップワン」。クラフト感覚をもつコーヒーメーカーとして、そうとう貴重な存在である。
君も「ドリップワン」で“美味しさのひと手間”を楽しんでみないか!