織本知之のデジカメ紳士録 おまたせ! OM SYSTEMの新フラッグシップOM-1 Mark Ⅱ


入学式シーズンにちょうど桜が満開となる予定だった千葉県南部。楽しみにしていたところに、あいにくの花散らしの雨風。気づいた時にさっと写真は撮っておかねばと感じた自然の儚さと同時に「カメラは常に携えねば」と再認識。そこで常時携帯にぴったりの小型軽量なカメラは……本文参照。

写真と文/織本知之

OM-1 MarkⅡ

OMデジタルソリューションズ/OM-1 MarkⅡ

こんなトコロに戀をする!

携帯性、堅牢ボディ、スピード性能。

オリンパス時代から定評のあった堅牢性や耐候性能に加え、最新のAI被写体認識AFや最大8.5段分もの超強力な手ブレ補正、最大8000万画素もの大画素記録のハイレゾ撮影機能や120コマ/秒の超高速連写機能にプロキャプチャーモードなどハイスペック大盛です。

ライブGNDのさじ加減に恋をする

GND効果はグラデーションの境目をモニタータッチで縦横、シャッター前ダイヤルでナナメを調整することができるのでドンピシャの場所を探してください! 明暗コントラスト部分ぴったしじゃなくても面白い効果が期待できるので積極的にトライしてみて使いこなせれば思わぬ傑作に結びつくかもしれませんぞ!

極大ズームM.ZUIKO DIGITAL ED150-600mm F5.0-6.3 IS登場!

150㎜(換算300ミリ相当)ごく普通の望遠レンズの画角です。これくらいの望遠レンズが運動会でも使いやすいです。

テレ側600㎜(換算1200ミリ相当)で7キロ弱離れた高さ57mの観音様を撮影。これくらい離れると大気のゆらぎや空気のよどみまで描写に影響してきます。おそらく実用的な超望遠レンズとしてはこのあたりが限界の焦点距離ではないでしょうか。

こんな寫眞に戀をする

近づくのがわりと面倒で不安定な滝つぼからスローシャッター&ライブGNDで瀑布をショット。コンパクトでOM-1 MarkⅡはこういった場所では最高のフィールドカメラになることを実感。ささいなサイズの違いとバランスの良し悪しが結構感覚に影響するんですねアウトドア撮影。あと三脚もなるべくなら持ち歩きたくないケースもございます。強力手ブレ補正と各種撮影機能の充実したタフネスボディOM-1 MarkⅡとクリアな描写で超小型超ワイドED 9-18mm F4.0-5.6 Ⅱの組み合わせに惚れてしまいそう。

【撮影DATA】
シャッター速度:1/10秒
絞り:f11
撮影感度:ISO200
ライブGND:GND8、フィルタータイプ Medium

「令和6年度 ニッポン浚渫工事写真コンテスト」(架空)があれば入賞くらい狙えた気がするカットが撮れました。東京湾と相模湾という二つの湾をまたぎ関東平野を二分した場所から富士山を背景に引き寄せて切り撮ったED 150-600㎜ F5.0-6.3 ISのシャープさよ。マイクロフォーサーズのレンズとしては巨大ですが、その望遠性能は第一級です。ほかのフォーマットでこの効果を狙いたいならばより高価で巨大なレンズになることを覚悟されたし。

【撮影DATA】
シャッター速度:1/1250秒
絞り:f8
撮影感度:ISO200
ピクチャーモード:Natural

OM-1 MarkⅡで撮ってみた!

現時点でレンズ交換デジカメの主なセンサーサイズは中判、35ミリフルサイズとAPS-Cサイズ、そして4/3型センサーいわゆるフォーサーズのだいたい4種類でございます。それぞれのメリットデメリットを説明するにはとてもとても文字数が足りないので今日はフォーサーズのメリットだけをご説明したいと思います。そう、フォーサーズとはセンサーとレンズのイメージサークルのサイズから小型軽量コンパクトなカメラシステムが構築できるのです。

活気あふれる若人であればカメラの重さもなんのその、レンズのボリュームは幸運の道しるべくらいと思うかもしれませんが、ベテラン勢にはそうはいかんとです。若い頃は電車で機材を運ぶのはなんともありませんでしたが、おっさん勢は一苦労。青春は18きっぷですが、中年は縦横湿布なのです。

そこで俄然おススメしたいのがマイクロフォーサーズシステムのコンパクトさ。ただコンパクトだけではいけません。責任ある撮影にはそれなりの機材を用意しなくてはなりませぬ。その重責を任せるにぴったしなのが、この冬発売されたばかりのOM SYSTEM OM-1 Mark Ⅱ 。強度充分防塵防滴頑健ボディは約511gのフラッグシップカメラであります。フラッグシップとしては異例の軽さのボディに裏面照射積層型の有効約2037万画素イメージセンサーを搭載し、画像エンジン「TruePic X」で処理する高レスポンスなスピードシューターであります。 AF/AE追従で最高約50コマ/秒の連写速度はAF/AE固定にすると最高約120コマ/秒の超高速連写が可能になりデジカメ界トップクラス。

どれくらい凄いかというと米軍の防空火器システム「ファランクス」でも75発/秒の連射速度です。動画やアニメでブィー!とミサイル撃ち落とすアレです、男子ならわかりますね。その倍近い速度での連写ができるというそれだけで充分買いなスペックですが、まだまだありますぞOM-1 Mark Ⅱ。

「モータースポーツ」、「鉄道」、「飛行機」、「鳥」、「犬・猫」 などの「AI被写体認識AF」に新たに「人物」を加え、認識精度が向上しAFの精度にもより磨きがかかりました。

さらに特筆すべき機能にライブGNDと呼ばれる特殊な機能も採用。これはハーフNDフィルターと同等の機能をカメラ内に内蔵して撮影時にフィルター効果をGND2、4、8と3段階選択し、フィルタータイプもSoft/Medium/Hardから選べるというもの。ハーフND効果の境界線は背面モニター等で調整することができ、露出の明暗がある被写体や風景などで威力を発揮するというモノ。シャッターレリーズ後、連写コマの合成処理を経てすぐにその効果を確認できるので風景撮影の楽しみが増えました。

でね、散々小型軽量がイイ! コンパクトさが正義! と言いながらいきなり質量2065gの大レンズM.ZUIKO DIGITAL ED 150-600㎜ F5.0-6.3 ISをおススメすることをお許しください。ただ、マイクロフォーサーズにしては巨大で重たいですが、35ミリ判換算にすると300-1200ミリ相当のレンズになるのです。換算1200ミリ相当のF6.3が約2㎏ぽっち!ベテランのカメラファンなら記憶のどこかにございませんか某1200ミリF5.6の……ね。このレンズが俄然小さくコンパクトな気になってきたでしょ。手に持って撮影できる超望遠システムとしては最軽量なので望遠効果が必要なカメラマンにはとても心強いレンズではないかと思います。

もう1本、コンパクトな広角ズームレンズがM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18㎜ F4.0-5.6 Ⅱ 。沈胴式で154gのちっこかわいいズームですが換算18ミリから36ミリ相当の超ワイドな画角を備えた実力派ズーム。最短撮影距離25㎝、テレ側準標準域まで全域でシャープというこれ一本である程度の撮影はまかなえてしまいます。「そうそう!」と、いまうなずいたズームはワイド側に強いほうが扱いやすい事を知っているアナタ、相当な手練れですね。

そうです、貴殿のようなベテランにおススメなボディレンズ合わせて約665gの肩腰楽ちんなズームセットと1200ミリ相当の本格望遠システム、あなたの選ぶOM SYSTEMはどちら⁉

※本企画の情報、コメントはすべて、機種発売当時のものです。ご了解ください。

  • フォトグラファー。1972年千葉県出身。1999年平凡社動物写真アニマ賞の最年少にして最後の受賞者、撮影テーマは「ニホンザル」。以降、カメラ誌、情報誌、タウン誌、ミリタリー誌など幅広く撮影・執筆。私鉄協会誌「みんてつ」表紙などを長年担当。monoマガジンではこれまで150機種300本を超えるデジタルカメラ、交換レンズをレポート中。甘党下戸。You Tubeの「サバ三ちゃんねる」@sabasan 鋭意更新中!

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