Drive to Paradise
Route005

Adventure Family
「ようこそ、冒険人生」


「インスタもいいけど、無駄話しもネ」

クルマの楽しみ方にもいろいろあるけれど、
結局のところは「走る」「いじる」「眺める」「知る」「語る」。
この5つではないかと。
特に趣味性の高いクルマ(例えばスポーツカーや旧車、クロカン四駆など)との生活は
苦労が多いわりに情報は少ない。
そこで頼りになるのが同じクルマに乗る同志の存在だ。
SNSの時代、いまやクルマ好きもネットの世界でやりとりできることは多い。
けれど同じ車種を選んだオーナーが集まる「ナマ」のイベントに顔を出せば、
同じ苦労(ていうか、あえてこれが目的ということも)をしている人と話して
「なぁんだ俺だけじゃないんだ」とおおらかな気持ちになったり、
気になっていたアクセサリーパーツの使い勝手を現物を前に実演してもらったり。
SNSと比べて情報の質、濃度と熱量はまだまだこちらが上。
オンラインもいいけど、同じクルマと結ばれた誰かと
「語る」時間はやっぱりイイものだ。

「ディフェンダー・デイ」と銘打ったイベントではあるけれど、ランドローバー車ならどの年代、モデルでも参加可能。参加条件は「ランドローバーが好きな人」。参加料は3000円(18歳以下は無料)で、参加料以上のお土産付き。はっきり言って採算度外視なイベント。参加者の中には「新型ディフェンダーを注文したけれど現在納車待ち。でも、かみさんがどうしても山の方で乗ってみたいというので連れてきました」という参加者の方もおられた。いち早い早期デリバリー再開と、次回のディフェンダーイベント開催に期待!

「特別な地。ひねりの効いた仕掛け。」

 10月16・17日、長野県白馬で行なわれた「LAND ROVER DEFENDER DAY(ランドローバー・ディフェンダー・デイ)」に参加してきた。このイベントはランドローバー・ジャパンが主催するオーナー&ファン参加型の催し。今回はランドローバーファミリーの中でも今や一番の売れ筋にしてブランド発祥のきっかけともなった新旧「ディフェンダー」をフューチャー。世界で唯一の四輪駆動専門ブランドであるランドローバーの中でも、特にアドヴェンチャー系オーナーに飼われるディフェンダーだけあって日本全国から訪れた「クルマ人生泥沼」なオーナーの新旧ディフェンダーが集まった。白馬五竜の麓に位置するゲレンデ周辺を貸し切ったロケーション抜群の広大な会場では、移動式の急斜面(最大傾斜なんと43度。坂というより、もはや崖!)を再現したスロープを上り下りしたり、高さ1メートル以上の連続するバンクを時に2輪(対角線上の2輪、完全に浮いてるし!)で走行したり。1グループ10台ほどが連なり、普段は絶対には入れない(入らないし)ゲレンデの頂上を目指す絶景ゲレンデドライブ。プロドライバーによるラフロードでの助手席ドリフト走行体験まで。新旧のディフェンダーが大暴れした映画「007 ノー・タイム・トゥ・デイ」のスタント気分、あるいは映画のプロモーションイベントか! と思うほどの内容。平坦な道では決して語れないランドローバーの世界なだけに、イベント作りにはひねりと手間がかかっている。ちなみに昨年、新型ディフェンダーに新色として採用された「ハクバシルバー」は、もちろんこの地域からインスピレーションされたモノ。白馬はランドローバー乗りにとって特別な土地でもあるわけだ。

じつを言うとこのアトラクション、3年前に同じ場所で行なわれたランドローバー社70周年イベント「LAND ROVER DAY」でもディスカバリー・スポーツというモデルで体験していていたのだけれど、新型ディフェンダーで走るとクルマの前後に新設されたカメラ映像や操作系の違いもあってまた新鮮な景色。そして、あらためて「すごいぜ、ディフェンダー!」

「名物イベントの予感」

 新型ディフェンダーオーナーに声がけした日本初のオフィシャルイベント。ということで実はレポーターの今回の一番の楽しみが参加者(車)との「俺のディフェンダー話し」だったのだけれど、土・日曜日と行なわれていたうち日曜に参加したのがどうにも失敗。というのも日曜日はプレス(報道関係)がメインで、一般の参加者のほとんどが前日の土曜日組だったので数台のオーナーさんとしかお話しできなかった。主催者によると土日の両日で約800人が来場、という盛況ぶり。例の半導体供給不足などの影響でデリバリーが大幅に遅れている新型ディフェンダーはそれでも参加車のうち2割ほどだったというからかなりの出席率だ。たぶんこの「大入り」に驚いたのは、参加者よりも主催者の方だったと思う。前日の会場では新旧モデルのディフェンダーオーナー、それにレンジローバー、ディスカバリーオーナーが混じり、そこら中でクルマ談義に花が咲いていた(らしい)というのも、いかにもランドローバー。4輪駆動専門ブランドならではの光景。次回のイベント日時は未定だけれど、その頃には日本上陸を果たした新型ディフェンダーもぐっと増えてさらに盛り上がること間違いなし。かつてのミニやビートルがそうであったように、長く愛されるクルマにはイベントがつきもの。第一回目にしてすでに名物イベントの予感がプンプンの「ディフェンダー・デイ」。ぜひ、この地で毎年、いや夏・冬、年2回の開催をお願いいたします!

会場内のクラブハウスではランドローバー歴代モデルの冒険ヒストリーの写真パネル展示、Tシャツなどのアパレル、純正アクセサリーの販売のほか欧州のスポーツブランドを扱う「カメイ・プロアクト」も出店。会場限定のセール品もあり、こちらは奥様方に好評。オープンエリアでは、本誌でもおなじみのアウトドアブランド「A&F」が自社ブランドのギアをスタイリングしてセンスのいいキャンプサイトを立ち上げ。オーストラリアのルーフテントメーカー「オーバーランドジャパン」は新型ディフェンダーにルーフトップテントと展開すると270°を覆う大型シェード、リアラゲッジに収納式のオリジナルキッチンなどを備えた冒険仕様を展示。このクルマはキャンプ用品などとセットでクルマごとのレンタルも行なっていて、気になる費用は1泊2日で7万1060円~。

新型ディフェンダー110にジュラルミンの幌馬車「エアストリーム」を牽引。会場前のキャンプサイトで前々泊して参加の篠田岳(しのだ たけ)さん。「50歳で牽引免許を取得して、今年エアストデビューしました!」と笑う篠田さんだけど、新型ディフェンダーでトレーラーの登録を取得するまではかなりのご苦労があったようで。こんな熱量のあるオーナーさんと出会う機会があるのも趣味性の高いクルマイベントならではの楽しみ。タープ&焚き火の下、おたふくソース純正のコテでサーブしていただいたアツアツの焼きそば、ごちそうさまでした!

北條(ほうじょう)さん親子は、国内未導入のワイドボディ・ダブルキャブのディフェンダーである130(ワンサーティー)ベースのキャンピングカーで参加。まるでクルージングヨットのような機能的で上質なインテリアは、フランスの「L’AZALAI(アザライ)」社の手によるもの。キャンパー部分はFRP成型のハンドメイドで室内高と走行時の収まりを両立させたポップアップルーフ仕立て。「何処へでも行けて、そこで寝泊まりできる究極のランドローバースタイルを長年夢見ていました。このクルマは海外で売りに出ているのを見つけて「これだ! って」。長年レンジローバーにも乗ってきたと言う、ランドローバーLOVEな北條さん。なんと息子さん(写真:左)のお名前は「廉士(れんじ)」さん。いやマジで恐れ入りました!

https//www.landrover.co.jp/vehicles/defender/index.html

写真/安部英明 文/サク★ライダー
協力/LANDROVER JAPAN

  • 52歳、雑誌編集者。モノ・マガジン本誌では主に乗り物全般とアウトドア、DIY、ミリタリー方面を担当。乗り物もファッションも道具選びも「迷ったら重いほう」が信条。特技は都内コインパーキングの車庫入れと、予算ギリギリの極上モノ中古車探し。