ファッションモデル「山下晃和」の偏愛モノ図鑑 13

安全にキャンプ、焚き火ができる堅牢なレザーグローブ

ファッションモデル「山下晃和」の偏愛モノ図鑑 13

GRIP SWANY G-1 ベーシックモデル

 アウトドアシーンで盛り上がりを見せている焚き火。「春夏のキャンプは以前からも集客はあったが、ここ最近は冬もキャンプ場は賑わっている」とは全国のキャンプ管理者の話。ソロキャンプ、ソロ焚き火台の人気もあり、相乗効果である。薪を割ったり、木っ端を作ったり、木を削ぎ落としたり、手を動かして、火を育てる楽しみは他になかなかない遊びだ。そんな時に安全に手を守るレザーグローブ、GRIP SWANY(グリップスワニー)のG-1ベーシックモデルの偏愛っぷりを語りたい。

ファッションモデル「山下晃和」の偏愛モノ図鑑 13
友人が焚き火をする時は必ず貸している。火傷の心配がいらなくなる。

 私はGRIPSWANY(グリップスワニー)のG-1ベーシックモデルを愛している。なぜこれほどまで惚れ込んだのか?

 1848年ゴールドラッシュで一攫千金を狙う採掘者に向けGRIPSWANYグローブは誕生した。かつてバッファローの革を使っていたが、改良を重ね、現在は牛革(ステアハイド)を採用している。ステアハイドとは、(英:Steerhide)、生後2年を経た雄牛の皮のこと。 生後3ヶ月~半年くらいの期間内に去勢がなされ、穏やかな気性になることによって、キズが少なく厚みが均一な皮革の種類のことだ。
 たとえば、野球の守備のときにはめるフィールディンググローブでも、主にステアハイドが使用されている。やや硬めで頑丈なので、私も好みだ。もう一つ野球用によく使われるのが、柔らかくて手の馴染みが良いキップレザー(仔牛からとる革)。こちらは値段が高いので高級品。硬式野球用のグローブだと軽く5万円を越えてくる。日本のプロ野球選手の内野手はこのキップレザーにこだわる人もいる。

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ウルトラライトなギアをセレクトする岩本町の名店ムーンライトギアのチヨちゃんとコミネくんにレザーグローブを貸し出し中。

 話を戻すと、GRIPSWANYのグローブは写真のとおり、黄色いカラーリングが特徴で、これをベースに他のメーカーも似たような物(模倣品)を出しているが、こちらが元祖といっていい。グローブを落とした時に見つけやすいように、という知恵が入っているのだ。
 
 もともとレザーグローブの縫い糸は天然繊維でもある絹糸や綿糸だった。50年代に入ると、天然繊維と比べて風化や老化に強いナイロンを中心とした化繊の糸はあったものの、皮革の強さと比べるとまだ弱く、特に摩擦と熱に弱いという問題があった。
 そこで、GRIPSWANYは世界で初めてグローブの縫い糸をデュポン社のKEVLAR(ケブラー)を採用してから、解れは、なんと0.8%に激減したという。「538℃まで耐熱性があり剛鉄と比べ5倍の強度がある魔法の繊維」とも呼ばれているらしい。しかも、解れた時は、現在も無料修理を受け付けている。それほどの自信作ということ。

 1983年に日本上陸し、瞬く間にアウトドアフリークの愛用者が増えたが、欧米人との骨格差があり、手にフィットしなかったため、1985年に国内生産に移行。日本人の骨格に合い、裁断を調整し、より革が馴染むようになった。アメリカで生まれ、日本で育ってきた世界最高峰のレザーグローブの誕生である。今では、グローブだけに止まらず、焚き火でのウエア作りにも精力的。ファッション性も高く、グローブを入れられるビッグポケットのパンツなどは、再び他メーカーがマネをするようになっている。

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このライトなギア類を厳選したなかで、一際目立っているのがヘビーデューティーなレザーグローブ

 さて、ここまでは製品の話をしたが、このGRIPSWANYへの愛はどう生まれたのか。それは2019年、次々と台風が襲った秋。色々なイベントが中止になり、千曲川、多摩川、道志川など数多くキャンプ場を有する日本の宝とも言える大河が氾濫した。そんな中で行われたジムニーのカスタムでお馴染みAPIO主催のイベントは開催されることとなった。第1回とあって、盛り上がりも凄かった。生ライヴに、ダンスに、焚き火に。台風の影響も心配されたが、なんとか無事に終了した。
 その夜。焚き火をしていた時に手を滑らせて、手斧で左手の拳をかち割ってしまったのだ。その時にこのグリップスワニーが手を守ってくれた。骨までギリギリ到達せずに済んだ。もちろん、人生で見たことが無いほど血だらけになったグローブは切れ目は入っていたものの、これが無かったらと思うとゾッとする。

 そして、再び同じ物を購入。それからというものの焚き火で薪を割る際は必ず着用している。さらに、薪を割る時は自分も含めて周りが危なくないか気をつけるようになったり、割り方を指導する時は危なくないよう入念に教えるようになった。

ファッションモデル「山下晃和」の偏愛モノ図鑑 13
刃物だけでなく、木を扱う時もレザーグローブは手を守ってくれる。

 このGRIPSWANYはとにかく縫製が素晴らしい、ケブラーという超頑強な糸を使っているのにも関わらず歪みいっさいがなく、非常にキレイだ。ここに安物と雲泥の差がある。また前述の通り、革は北米産ステアハイド。使えば使うほどアジが出る。あの事件以来、かれこれ2年使い続けているが、ところどころに焚き火台のススが付き、木々を握った時のシワが輝きを放っている。また、革の匂いがいつまでも残っているのもいい。
 これは、もしかしたら人も一緒なのかもしれない。充実した人生を送った顔は、目尻のシワも美しい。

 これからもアジのあるグローブと共に、美しいキャンプ人生を送りたいものだ。

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焚き火台の上に置くだけで絵になるのは、職業モデルとして羨ましくもある。

GRIP SWANY G-1
【価格】7700円
【仕様】素材 : アメリカ産牛皮革/ケブラ
    備考 : レギュラータイプ、アウトドア全般

ホームページ: https://www.grip-swany.co.jp/
お問い合わせ:株式会社スワニー販売 03-3306-1411

山下晃和(akikazu yamashita)
  • 本業はファッションモデル(タイクーンエージェンシー)。自転車、バイク、クルマで旅をしながら旅の素晴らしさや旅に最適なアイテムを紹介するトラベルライターとしても活動。地方自治体サイクルマップやWEBで連載ページを持つ。 趣味は、旅行、キャンプ、草野球、オフロードバイク、自転車全般(ロードバイク、MTB、ランドナー、小径車)、トライアスロン、トレイルランニング、登山、パックラフト、サーフィン、スニーカー収集、NEWERAキャップ収集、ウエイトトレーニング、読書、インドカレーの食べ歩き、MLB観戦など。  スポーツトレーナーの資格はNASM-PES、小型船舶一級免許、小型特殊船舶免許、大型自動二輪免許、JACT認定自転車ツアーガイドなどを持つ資格マニアという一面も。かつて、海外30か国以上を自転車で旅したこともある放浪癖あり。好きなファブリックはキューベン、好きな金属はスカンジウム、好きな筋肉は三角筋。20代の頃は某アウトドアショップでバイトをしていた経験も。
  • http://akikazoo.net