“特殊な”クラウンのパトカー増殖中! 新時代未来型パトカーの姿とは?

全国に先駆けて福島県警察交通部に配備されたクラウンFCEV。デザインも未来的であり、注目を集めている。

日本警察では、警視庁をはじめとして全国すべての警察本部にて、クラウン(トヨタ)のパトカーを配備しています。それも、生活安全部や地域部、交通部、警備部、各警察署などに配備されており、気が付けば、“パトカーと言えばクラウン” と言っても過言ではない主力パトカーとなっています。この状況につきましては、以前本連載で書かせて頂きました。→コチラ

さらに、クラウンパトカーは進化し、次のステップへと向かおうとしています。それが、福島県警察及び愛知県警察に配備された「クラウンFCEV」です。水素を燃料として発電し、モーターで走る燃料電池自動車であり、最大のメリットは、CO2を一切排出しないため、環境に優しい点です。

全国で初めてパトカーとして配備したのは福島県警察でした。2024年12月25日より運用を開始し、交通機動隊へと配備されました。

2026年4月3日に福島駅前で行われた春の全国交通安全運動の出発式に参加したクラウンFCEV。

価格は車両だけの価格で約800万円、これにパトカーへの改造費、諸経費を加え、約2000万円と公表していいます。その一部に令和6年度福島特定原子力施設地域振興交付金を活用したそうです。そこで車体にも同交付金事業名が記されています。

車体後部には、購入費に充てた「令和6年度福島特定原子力施設地域振興交付金事業」が表記されている。
福島市内を走るクラウンFCEVパトカー。車体後部には「POLICE」と英語表記が書かれている。

引き続き、2025年12月3日、愛知県警察もクラウンFCEVを配備しました。愛知県が掲げる「カーボンニュートラル社会の実現に向けた水素普及の取り組み」の一環として導入を決めました。地域部の無線警ら車として運用しておりますが、交通安全や防犯等のイベントで公開されるケースが多いことから、主な任務はPR活動となっているようです。価格は約1100万円と公表しています。

愛知県警察に配備されたクラウンFCEVパトカー。福島県警察に次いで2番目の配備となる。

また、愛知県警察では、全国で唯一の「クラウンスポーツPHEV」も配備しています。電気モーターとガソリンエンジンの両方を動力としたハイブリッド車です。「ジャパンモビリティショー名古屋2025」にて広く一般に公開されました。納車されたのは2025年3月だったそうです。配備先は総務部広報課ではありますが、今後は各種取り締まり活動にも活用していく考えがあり、他のパトカー同様に、パトライトやサイレンアンプなどが装備されており、街頭パトロールなどにもいつでも使用できる状態です。

愛知県警察は、全国で初となるクラウンスポーツPHEVパトカーを配備した。使い勝手の良いSUVタイプであり、各種イベントに活用されている。

このように、まだまだ限られた警察本部ではありますが、“特殊な” クラウンの配備が始まりました。しかしながら、警察活動というよりも、「環境活動に力を入れています」との県の方針をPRする目的が色濃いのは事実。パトカーとして全国へと配備していくにはまだまだ価格も高く、平素の警察活動用として配備を進めていくのは、正直なところ現実的には難しいようです。

しかし、未来へとつなぐ存在であるのは間違いがありません。今後は他の警察本部でも、これらクラウンが配備される可能性は非常に高いと思われます。

菊池雅之(masayuki kikuchi)
  • 軍事フォトジャーナリスト.。1975年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。講談社フライデー編集部専属カメラマンを経て軍事フォトジャーナリストとなる。主として自衛隊をはじめとして各国軍を取材。また最近では危機管理をテーマに警察や海保、消防等の取材もこなす。夕刊フジ「最新国防ファイル」(産経新聞社)、EX大衆「自衛隊最前線レポート」(双葉社)等、新聞や雑誌に連載を持つなど数多くの記事を執筆。そのほか、「ビートたけしのTVタックル」「週刊安全保障」「国際政治ch」等、TV・ラジオ・ネット放送・イベントへの出演も行う。アニメ「東京マグニチュード8.0」「エヴァンゲリオン」等監修も行う。写真集「陸自男子」(コスミック出版)、著書「なぜ自衛隊だけが人を救えるのか」(潮書房光人新社)「試練と感動の遠洋航海」(かや書房) 「がんばれ女性自衛官」 (イカロス出版)、カレンダー「真・陸海空自衛隊」、他出版物も多数手がける。YouTubeにて「KIKU CHANNEL」を開設し、軍事情報を発信中
  • https://twitter.com/kimatype75

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