Decipher the watch #08
ミリタリーウオッチ(軍用時計)は、過酷な環境での使用を前提としたハードな耐久性と堅牢性、瞬時に時刻を確認できる高い視認性を求められ、開発され続けている。つまり、ミリタリーウオッチを追うことは、腕時計の進化の一端を見ることでもある。世界的に有名な高級メーカーがそれぞれ独特の機能を持つ時計を生産してきた。今回は航空計器としての厳格な視認性と、クロノグラフ(ストップウォッチ)機能に強みを持ったドイツのミリタリーウオッチ、中でもランゲ&ゾーネ社によって作られた謎の超大型時計をクローズアップ。その第二弾だ!
写真/WPPアーカイブ 構成/ワールドムック編集部
ドイツのグラスヒュッテにあった時計メーカーGUBのナビゲーションウオッチ。大型のこの時計は長い革ベルトで大腿部につけて使用された。ムーブメントは金メッキ。裏ぶたには製造ナンバー、組立ナンバー等が刻印されている。
文字盤に記されたKMはKRIEGSMARINEの略で海軍を意味する。白文字盤は海軍で採用された。裏ぶたにはシリアルアンバーが刻まれる。
スイスのティソ製。ナチス・ドイツ時代のドイツ国防軍のマークが記される。裏ぶたに刻印なし。
ハーケンクロイツを記したグリシン製。詳細は不明。珍しい文字盤。文字盤と裏ぶたに記された950は独軍調達局から時計に与えられる納入ナンバー。
ヒトラーの肖像と「ドイツ帝国再興」の文字が入ったプロパガンダ用。裏ぶたに刻印なし。
スイスの17石のムーブメントを使ったムッソリーニのPR用時計。裏ぶたに刻印なし。
一般軍人用の時計、ドクサは防水時計等も多く生産した。ドイツ国防軍を示すDとシリアルナンバー、後にHがつけられる。
第二次世界大戦中の陸軍用。DとHの間には個別のシリアルナンバーが刻まれる。
ロンジンがヒトラー政権下のドイツ陸軍に納入した一般用。ドイツ陸軍を示すDとHの間にシリアルナンバーが刻印されている。
1942年ごろのシルバーナ社製陸軍時計。DとHの間にシリアル番号をはさむ。旧ドイツ陸軍時計に典型的な刻印。
黒文字盤、スモールセコンドはナチス・ドイツ政権下の陸軍服務用に共通する。第二次世界大戦中の陸軍用の裏ぶたには、制式時計を示すDと陸軍を示すHが刻まれた。
アルピナ592のドイツ陸軍の腕時計。刻印のDはDeutsche(制式時計の意)の略。そのあとにシリアルナンバーがつく。
レコード軍用時計。他の通常の軍用時計よりやや大ぶりなケースが使用されている。裏ぶたのD(Dienstahe)H(Heeh)の間にシリアルナンバーが入る。標準的なドイツのミリタリーウオッチのコードである。
第二次世界大戦中にチュチマ・グラスヒュッテが製造した空軍用。シリアル番号のみが刻印されている。ケースはたいへんに頑丈なつくり。
1940年代のハンハルト製の空軍用クロノグラフ。赤のボタンはクロノのリセット用。ステンレススチールの裏ぶたに国防軍の紋章を刻んでいる。
1940年代のユンハンス製空軍用クロノグラフ。コインエッジの回転ベゼルを備える。NATOの管理コードが刻印されている。
ドイツ海軍に納入されたハンハルト・クロノグラフ。KM(ドイツ海軍)のプリント。数字は蛍光ラジウム。精度が高い時計だった。裏ぶたには海軍支給のマークとシリアルナンバー、国有品の文字が刻印されている。
精度の高い時計をつくることで有名なミネルバのパイロット用クロノグラフ。帝国航空省に納入された。裏ぶたには防水性能の刻印とRLM(帝国航空省)の略印が刻印されている。
ドイツ海軍用のクロノグラフ。テレメーター目盛りを文字盤に配したハンハルト製。ハンハルトは精度の高いクロノグラフの開発で海軍から信頼を得ていた。防水性能も高い。
ハンハルト製のクロノグラフで第二次世界大戦後に西ドイツ空軍が採用。12-121-5208はハンハルト製の手巻きクロノグラフに与えられたNATOコード。
ドイツの時計メーカー、ハンハルトのクロノグラフで西ドイツ空軍が採用。第二次世界大戦後にはドイツ軍の軍事技術・調達局BWBが時計の供給を管理する。
東ドイツ軍のダイバーズウオッチ。裏ぶたには軍の使用を示す文字が刻印されている。
Part2に続く