
ノルウェーで1877年に創業し、約150年にわたり、防水テクノロジーを追求し、革新的な製品を開発してきた「ヘリーハンセン」。セーリングを始め、トレッキングやスノースポーツなど、海から山まで様々なアクティビティを網羅する。
多様性に満ちた、快適かつ機能的なウエアは、本物志向のプロにこよなく愛されている。オスロ本社にて、モノづくりの現場を取材した。

1877年、ノルウェーの港町モスで、商船艦長を務めていたヘリー・ジュエル・ハンセン氏が防水ウェアメーカーを設立。当時の船乗りたちの身体を保護する、しなやかな防水ウェアの発明に成功した。


ヘリーハンセンが生まれたノルウェーは、山、氷河、沿岸部のフィヨルドを擁し、その壮大な自然は、人々に恩恵をもたらすとともに過酷な厳しさも与える。
こうした背景から、ヘリーハンセンは、「信頼できる道具を作る」ことをモットーに、実用性を重視し、プロのニーズに応えるモノづくりを行なってきた。
特に、動きやすさや機能性、耐久性を追求し、北欧のミニマルなデザインに重点を置く。
素材の採用と設計にもこだわり、プロの現場からのフィードバックを取り入れ、長く愛用できるサービスの拡充にも取り組んでいる。その製品のクオリティの高さは、ISPOやレッド•ドット賞にも輝いている。

最大の魅力は、画期的な素材開発にある。コルクとカポックを使用した、ライフジャケットの開発から始まり、1961年には、フリースの祖先ともいうべき「ファイバーパイル」が生まれ、軽量で手入れのしやすいミッドレイヤーが生まれた。
1970年には、ベースレイヤー「LIFA®」を手掛け、1986年には、「ベースレイヤー」「サーマルレイヤー」「プロテクティブレイヤー」の3層を効果的にレイヤリングする「3レイヤー・システム」を発表。
テクニカルな各ウェアを組み合わせることで、機能の相乗効果を高める独自のスタイルを確立した。さらに2020年には、非フッ素の「LIFA INFINITY PRO」を発表。
断熱性・携帯性・動きやすさを改善する独自技術や、「LIFA®」とメリノウールを融合した高機能ベースレイヤーなどの開発も手掛けている。


オスロ市内にあるヘリーハンセン本社では、現在でも、革新的な製品開発が続いている。スポーツウェアに加え、スキーリゾート、レースや山岳救助隊、沿岸警備隊などのプロフェッショナルウェア、工事や建設現場向けのワークウェアの開発を行っている。








プロ仕様の高い基準を満たすため、製品開発には、通常18~24か月を費やすという。デザインから試験、実地テストまでを一貫して行い、防水性や通気性、UVカット、耐摩耗性など国際基準に基づいた厳しい検査を、オスロ本社の開発拠点で行っている。
セーリングウェアは、海水での試験や長時間の湿潤を想定した独自試験も実施し、高い耐久性が目指されると同時に、新基準も作られる。スノーギアも、強度試験が実施され、トップレベルの製品が完成する。
製品は循環型設計を用いて、素材選定、デザイン、調達、パッケージに至まで、全てにサステナビリティを組み込んでいるという。リサイクル素材やオーガニックコットン等の素材使いのほか、耐久性の改善、二酸化炭素排出削減など環境負荷削減にも力を注いでいる。
「私たちは、人と自然の力の間で人生を豊かにする体験を可能にし、人々が生き生きと過ごせるようにプロ仕様のギアを製造しています」と語るのは、最高製品・マーチャンダイジング責任者を務めるトア・ジェンセンさん。ヘリーハンセンの歴史についても教えてくれた。

来年行われる冬季スポーツの祭典では、ノルウェーとカナダのアルペンスキーチームの公式サプライヤーにもなり、アスリートと連携し、実際の競技シーンから得た知見を商品に盛り込んでいる。国際的な舞台で戦うトップアスリートに、認められたブランドなのだ。
問 ヘリーハンセン 0120-307-560
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