菊池雅之のミリタリーレポート サンディエゴ軍港ツアーはすごいゾ!!

呉や横須賀、舞鶴など、海自の基地を船で巡る港湾ツアーが大人気です。

これは、それぞれの基地の傍をクルーズ船で巡り、海側から停泊中の艦艇を見る観光用のツアーです。事前に予約、または当日カウンターでチケットを手に入れ乗船します。しかし、土日はすぐに満席となってしまうので、予定が判明したら速攻で予約するのが確実であるのは間違いありません。

世界では、なかなかこのようなツアーが成立しづらい一面もあります。というのも、多くの海軍では、基地が撮影禁止だからです。国によっては民間の港湾であっても撮影禁止というケースもかなり多いです。

そんな中で、筆者は世界でいくつかの軍港クルーズ船に乗ってきました(イベント用の臨時運行含む)。そこでおススメしたいのが、アメリカ西海岸有数の観光地サンディエゴでの軍港ツアーです。

サンディエゴには、太平洋艦隊の司令部があり、主として第3艦隊に所属する艦艇が母港としております。軍艦だけでなく、ノースアイランド航空基地もあり、ヘリや輸送機なども見られます。なお、映画「トップガン」の舞台となったミラマー海軍航空基地は、サンディエゴ近郊にあります。今では米海兵隊の航空基地となってしまいましたが、海軍機が使用することも多いです。そちらでは年に一度エアショーが開催されてます。

現役空母であるCV-71「セオドア・ルーズベルト」がノースアイランド航空基地側へと入港中だった。

クルーズ船は、2社が運航しており、北側もしくは南側を巡るルートと、その両方を巡るルートがあります。おすすめは両方も巡るルートで、2時間ほどかかります。

なお、軍港巡りツアー用の桟橋の隣には空母「ミッドウェイ」が記念艦として展示されており、こちらもおすすめです。この空母は横須賀に配備されていたこともあるので、ミリタリーファンにはお馴染みですね。

クルーズ船の船体は大きく、室内とデッキ(屋上)に分かれています。室内にはレストランのようにテーブルとイスが配置されており、軽食も食べられます。しかしながら、このページをご覧の皆様は、きっとデッキから動くことはできないでしょう。とにかく基地の桟橋に並ぶ艦艇の数が多い上に、出入港中の艦艇に出くわす機会もかなりあり、とてもではないが、離れられなくなります。私も毎回そのような状態であり、トイレに行く暇もありません。

先程の空母「ミッドウェイ」を洋上から見られるだけでなく、運が良ければ現役空母を見ることもできます。また姿形が異形過ぎて、軍艦に見えないミサイル駆逐艦「ズムウォルト」級の「ズムウォルト」と「マイケル・モンスーア」はサンディエゴを母港としています。南側には強襲揚陸艦などの大型艦艇が停泊しており、その数には圧倒されます。

正直言って、この軍港ツアーに参加することを目的にサンディエゴに行っても良いと思えるほど。皆様もご旅行をご計画されてはいかがでしょうか?

  • 軍事フォトジャーナリスト.。1975年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。講談社フライデー編集部専属カメラマンを経て軍事フォトジャーナリストとなる。主として自衛隊をはじめとして各国軍を取材。また最近では危機管理をテーマに警察や海保、消防等の取材もこなす。夕刊フジ「最新国防ファイル」(産経新聞社)、EX大衆「自衛隊最前線レポート」(双葉社)等、新聞や雑誌に連載を持つなど数多くの記事を執筆。そのほか、「ビートたけしのTVタックル」「週刊安全保障」「国際政治ch」等、TV・ラジオ・ネット放送・イベントへの出演も行う。アニメ「東京マグニチュード8.0」「エヴァンゲリオン」等監修も行う。写真集「陸自男子」(コスミック出版)、著書「なぜ自衛隊だけが人を救えるのか」(潮書房光人新社)「試練と感動の遠洋航海」(かや書房) 「がんばれ女性自衛官」 (イカロス出版)、カレンダー「真・陸海空自衛隊」、他出版物も多数手がける。YouTubeにて「KIKU CHANNEL」を開設し、軍事情報を発信中
  • https://twitter.com/kimatype75

関連記事一覧