
海上自衛隊のヘリ搭載型護衛艦DDH「いずも」型が大きく変わろうとしています。
目指すところは戦後初となる “空母” 化です。2番艦である「かが」については、改修工事が大詰めを迎えております。
運用するのは、固定翼機であるF-35B戦闘機です。F-35シリーズの中で、このB型は、主として米海兵隊の強襲揚陸艦に搭載する短距離離陸・垂直着陸が可能なSTOVL機として開発されました。その他、イギリスやイタリアでは空母にて運用しています。ここに日本も名を連ねることになり、生まれ変わった「いずも」型の艦種記号は、“DDH” から、これまでの海自にはなかった “CVM” となることが決まりました。
日本におけるF-35Bは、航空自衛隊が運用します。空自では、すでに標準型となるA型の配備が進められており、3個飛行隊が存在しています。これにB型が新たに加わり、空母飛行隊となるわけです。
個人的には、海自が独自に戦闘機を運用して欲しかった気持ちもあります。ですが、教育や整備などバックアップ体制を一から構築するのは大変です。前述したように、空自がすでにA型を運用している実績も含めれば、海自ではなく空自に配備した方が効率的なのは間違いありません。
最初の日本向けF-35Bは、テキサス州のフォートワースにあるロッキードマーチン社の工場で製造されました。今後は日本で生産される予定です。
まずは、米国内で、生産された機体を使ってのパイロットや整備員の教育が始まりました。
一方、日本国内では、2025年3月24日に「臨時F-35B飛行隊」が新編され、F-35Bの受け入れ部隊となりました。
こうして準備は整い、2025年8月7日、いよいよF-35Bが日本へとやってくることになりました。
まずは米国で生産された3機が、米海兵隊のパイロットの手により、途中ハワイとグアムを経由しつつ、日本へと空輸されてきます。実は、当初は4機が同時に来日する予定でしたが、1機に不具合が生じ、機数が減りました。
運ばれてくる先は、新田原基地(宮崎県)です。この基地がF-35Bの配備先となります。臨時F-35B飛行隊で受け入れ、来年度からは、新編される第202飛行隊が運用します。
“新編” とは書きましたが、実はこの部隊は過去空自に存在していました。
1964年3月31日から2000年9月26日の部隊廃止まで、新田原基地を拠点として、日本の領空を守っていた部隊でした。ですから “復活” と言う方がしっくりきますね。
宮崎県にある西都原古墳群に因み部隊マークとして「埴輪」をモチーフとしていました。部隊復活の際には、是非ともF-35Bの垂直尾翼にも「埴輪」を描いて欲しいものです。
さて、日本初到着の記念すべき日であったのですが、当日はあいにくの空模様でした。

この場にいた誰もが「天気よ!なんとか持ってくれ!」と願いましたが、残念ながらちょうどF-35Bが到着するタイミングで大雨となってしまいました。

ただ着陸するだけでなく、F-35Bの性能の高さをアピールすべく、1機目は、STOVLモードによる垂直着陸、2機目はスローランディング(低速着陸)、3機目は通常の着陸と、それぞれ異なる着陸を行いました。

今年度中に、この日到着した3機を含む計8機を使い、錬成訓練が行われ、来年度より本格的に運用を開始する計画です。最終的に、F-35Bは42機配備されます。
来年度以降は、A型及びB型の2種類の “日の丸” F-35が日本の空を飛ぶことになります。






















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