「ロイヤル・エンフィールド」が日本上陸!

東京・杉並にオープンした日本初のロイヤル・エンフィールドのショールーム。


世界最古のバイクブランド「ロイヤル・エンフィールド」が日本に上陸。そのニュースを聞いて、胸が高鳴った。我が国にはホンダを筆頭に、ヤマハ、カワサキといったバイク業界の巨人がいるだけに、年産75万台のバイクメーカーと言われてもピンとこないかもしれない。しかしながら、1901年に英国で創業した世界最古のバイクメーカーであり、中型のスポーティなモデルではなかなか存在感を持つブランドなのだ。

 筆者がその存在を知ったのは、北イタリア・コモ湖のほとりにある高級別荘地で開催されるコンクール・デレガンスでのことだった。クラス受賞を果たした1937年にイギリスで製造された「モデルKX」は、1140ccの大排気量Vツイン・サイドバルブエンジンを搭載し、ハーレー・ダビッドソンに匹敵するようなパワフルな大排気量マシンだった。

 1970年代に英国本国の経済が不調に陥るに伴って、50年代に進出していたインド拠点が生き残り、現在は商用車大手アイシャーグループの傘下で、中間排気量(250~750cc)のセグメントでリーダー的な存在となっている。2017年には英国に開発拠点を開設し、新エンジンの開発や往年の名車の復活など、矢継ぎ早に話題を振りまいている。

 だからこそ、今回の日本上陸のニュースを聞いて、ワクワクドキドキしてしまうワケだ。16店舗のディーラーと4店舗のサブディーラーが契約しているというのだから驚きだ。そのなかでも、東京・杉並区のブランド・ショールームは旗艦店としての役割を担っており、ブランド・イメージの向上に加えて、新型モデルの展示・販売・メインテナンスに加えて、アパレル、アクセサリーなどを全方位的に同社の製品をあつかうことで、国内シェアの向上を目指す。


ショールームでは、幅広いモデルを展示することに加えて、ライフスタイル商品の取り扱いもしている。


80年以上に渡って継続的に生産をしている古典的なフォルムの「Bullet 500」、第二次大戦後のレトロ・ストリート・モデルのスタイリングを今に伝える「Classic 500」、60年以上に渡るヒマラヤ山脈での経験に基づくアドベンチャー・ツーリングのためのオフロードバイク「Himalayan (411cc)」、伝統的なティアドロップ型タンクとキルトデザインのシート、ブレース付きハンドルバーといった60年代のカリフォルニアで生まれたストリート・スクランブラーの「INT650」、本格的なカフェ・レーサーの「Continental GT 650」といったレトロなスタイリングが、このブランドのセリングポイントだ。なかでも、インターセプターとコンティネンタルGTに関しては、現代的な英国・技術センターで開発された最新のテクノロジーと人間工学に基づいた設計を取り入れることに加えて、日本各地でメインテナンスを受けられる体制が整うことで、クラシック・バイクに憧れはあっても、本物のクラシックはちょっと…という向きにはうってつけだ。


世界的に見て、ミッドサイズセグメントで大きなシェアを誇るロイヤル・エンフィールドのラインナップの中でも、ど真ん中のツアラーである「コンティネンタルGT650」。
クラシックなアピアランスを持つものの、新開発の650cc並列2気筒ユニットを搭載した「INT650」は、ツアラーとしての人気を誇る。


 コロナ禍における緊急事態宣言中ということもあって、オンラインでの発表となったが、ロイヤルエンフィールドCEOのビノッド・ダサリ氏、アジア太平洋地域を統括するビマル・サムブリー氏が登壇するという豪華な顔ぶれが揃った。

「オーセンティックでリアルな人生経験がすべての中心にあるとの理念を持ち、これまでにも、時代を超えた魅力を持ちながらも、威圧的ではないモダンクラシックなモーターサイクルを提供してきました。モーターサイクルのピュアな魅力・楽しみを再発見するために、伝統的な職人技能と現代技術を駆使し、ミドルクラスのオートバイ業界を開拓・牽引し、拡大に貢献してきました。日本では本物のアドベンチャーや体験を求める人が数多くおり、日本市場でも同様の機会があると考えています。モーターサイクルのエコシステムが進化しており、ライディング文化も成熟している日本では、モーターサイクルだけではなく、アパレルやアクセサリーといった全方位のラインナップを提供することで、愛好者のご要望に応えていきます」(CEO・ビノッド・ダサリ氏)


1932年に初代モデルが登場し、その遺伝子が連綿と受け継がれているブリット・シリーズ。500ccの空冷単気筒エンジン搭載するスタンダードストリート・モデルが最新だ。
レトロな雰囲気のストリートモデルとして人気のクラシックは、500ccの空冷単気筒エンジンを搭載する。


「ライディングを最大限楽しめ、感性に訴えかけるような魅力を持つモーターサイクルを提供することで、ミドルクラス市場の拡大に貢献してきました。世界中のモーターサイクル愛好者にとって重要な地域の一つである日本へ公式に参入することができ、大変嬉しく思います。日本でより大きく、活気溢れるモーターサイクルのコミュニティを構築していきます」(アジア太平洋地域責任者・ビマル・サムブリー氏)


ロングセラーモデルであるヒマラヤンは、空冷単気筒エンジン搭載し、オフロードもなんなくこなす悪路走破性を誇る。
ロイヤル・エンフィールドの最新のツイン・ユニットを搭載した「コンティネンタルGT」と「INT650」が並ぶ。


 正直なところ、二輪の運転免許を持っておらず、”ニケツ評論家”を自称する筆者だが、コロナ禍において東京に閉じ込められたのを機に、大型二輪の免許を取得しようと一念発起したところだ。巷では、筆者のように「バイクに乗るのは不良」と言われた世代で当時は手が出せずにいた人が夢を実現すべく教習所に通いだしたり、若い頃に中型免許のみを取得していたが大型二輪にアップグレードしようとする人や、さらには子育てが一段落して再びバイクに乗ろうというリターンライダーといった”大人のライダー”が増えつつある。レーサーレプリカに代表されるスポーティなバイクにまたがろうとすると、腹がじゃま!?という世代にとって、クラシック・バイク風のスタイリングに現代のテクノロジーを投入した乗りやすいポジションのバイクというのは、嬉しい選択肢となるだろう。

公式ホームページ http://royalenfield.com/jp

  • ジャーナリスト(自動車および環境)、戦略イノベーション・スペシャリスト、工学修士。住友電気工業にて、デザイン・エンジニアとして研究・開発に携わる。二玄社にて、自動車雑誌『NAVI』の編集記者に。その後、『カーグラフィック』編集部に転属。ローランド・ベルガーにて、イノベーション・ダイレクターに就任。ジャーナリストと兼業しつつ、グローバルにおける最新テクノロジーの知見を礎にモビリティ以外の分野も含め、幅広い分野でイノベーション推進に取り組む(現アドバイザー)。ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー/グリーンカー・エキスパート。インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考員-FCCJ(日本外国特派員協会)レギュラーメンバー。内閣府・構成員、環境省有識者委員、国土交通省独法評価委員会委員なども歴任。

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