モノマガ編集部が選ぶ今一番レアでディープなホビーのトピックをご紹介する「あつまれ! 模型ホビー野郎ども」の第13回は、2023年10月に創業60周年を迎える京商が突如発表した『’87 JJアルティマ レプリカ』をクローズアップ。上の写真を見て興奮が収まらないというアナタは迷わず買うべし!
7月に発売されたファントム EP 4WD Ext ゴールドに続く、京商の創業60年記念限定RCカーとして9月に発売が予定されている『’87 JJアルティマ レプリカ』。
手のひらサイズの本格RCカーとしておなじみのミニッツと並び、京商のドル箱RCカーであるビンテージシリーズの第13弾として登場する’87 JJアルティマ レプリカは、これまでのシリーズラインナップとは少々毛色が異なるモデルである。
何が異なるのかといえば、マシン名にあるシリーズ初の“レプリカ”ということ。「何のレプリカなのか?」ということになるが、そのヒントもまたマシン名のなかにある。キーワードは“JJ”。コアなRCカーフリークならば知る人ぞ知るRCカードライバーであるジョエル・ジョンソン選手のレプリカなのだ。
大半の読者は「ジョエル・ジョンソンって誰?」となるだろうが、同選手は13歳で1981年の1/12電動レーシングカー全米選手権を制し、1987年に今回紹介するアルティマで1/10電動オフロードカー世界選手権2WDクラスを制した、今も語り継がれるアメリカの伝説的RCカードライバー。1987年以降も国内外の選手権に参戦し続けており、現在も現役として活躍している。
これまでにRCカーのレースシーンで数多くの世界タイトルを手中に収めてきている京商ではあるが、1987年にジョエル・ジョンソン選手によってもたらされた世界選手権の優勝は、実は京商にとって初の世界タイトル獲得という、とんでもなくメモリアルなものだった。
そんな歴史的背景もあって(のことと推測するが)、京商が創業60周年を迎える記念すべき2023年に“JJアルティマ”と称されたジョエル・ジョンソン選手のワールドチャンピオンマシンがレプリカとして製品化されたのだ。
ボディを外すと高強度を誇るソリッドタイプのカーボングラファイト製メインシャシーに、形状とカラーを完全再現したFRP製の前後ダンパーステーやゴールドダンパーがひと際目を惹く。
京商のアルティマをベースに、ジョエル・ジョンソン選手が独自の改造を施したJJアルティマ。
その抜群の走行パフォーマンスとレーシーなルックスから当時のRCカーフリークにとっては垂涎の1台ではあったが、足回りなどの基本コンポーネントこそアルティマから流用しているもののメインシャシーや前後ダンパーステーなどは独自の改造が行われていたことから、JJアルティマを完全に再現するのは当時でも至難の業だった。
しかし! 今回発売される’87 JJアルティマ レプリカでは、現存するJJアルティマを基に各コンポーネントを新設計・製作し、当時のモデルを忠実に再現。加えて、ビンテージシリーズの他のモデルと同様に最新のRCメカやパワーソースにあわせた各部のアップデートも行われていて、心置きなく全開走行ができるというスペックも与えられている。
ギヤボックスに収められるボールデフが安定したトラクションを発揮。ドライブシャフトは駆動効率を高めるユニバーサルスイング仕様。前後タイヤはグリップ力を高めたソフトタイプを採用。
36年の時を経て現代によみがえったワールドチャンピオンマシンの組み立てキット。その価格は7万2600円(RCメカ、モーター、電気式スピードコントローラー、モーター、バッテリーは別売り)と値は張るが、生粋のRCカーフリークにとっては憧れの1台であることは間違いない。発売後はすぐに完売する可能性が高いだけに、「どうしても欲しい!」という人は早めに購入するのが吉かもしれない。
’87 JJアルティマ レプリカ60周年記念限定仕様
価格 | 7万2600円 |
サイズ | 1/10スケール(全長405×全幅250×全高172mm) |
全備重量 | 約1470g |
問い合わせ:京商 お客様相談室 ☎046-229-4115