大人のウイスキーの嗜み方が知りたい! #1まずは教養を身につけよう!

大人のウイスキーの嗜み方 #1

時勢柄、外でお酒を飲む機会がめっきり減り、その分、家飲みでゆっくりお酒を嗜む時間が増えたという人も少なくないだろう。これを機に自分の好みにあったお酒を探求するのもいいが、その前に大人の嗜みとして覚えておいて損のないのがウイスキーに関する教養だ。

「ビジネスエリートはお酒をブランドでは選びません。自分が好きな味を把握しながらお酒を選んでいくのがエリート。その上でウイスキーには知っておくと本当のお酒の愉しみ方がわかる教養がたくさんあるのです」とはモノマガの”ウイスキー名誉顧問”であるホスピタリティバンク代表の橋口孝司さん。”ウイスキーの味わいを知らずして一流にはなれない”をコンセプトに、このほど最新刊となる著書『ビジネスエリートが身につける教養 ウイスキーの愉しみ方』(あさ出版)を刊行した。

同書にはウイスキーにおける原産国・材料の話から、おいしいウイスキーに出逢うための製造工程に関する基礎知識、さらには知っていると教養が深まるウイスキーの歴史、ビジネスエリートのためのウイスキーの嗜み方まで、これまで全くと言っていいほど知らなかったウイスキーに関するタメになるウンチクが凝縮されている。

大人のウイスキーの嗜み方 #1
大人のウイスキーの嗜み方 #1

その一部をご紹介すると、まずはウイスキーのラベルの話。ね、全然気に留めたことなかったでしょ!?

「実はウイスキーのラベルには容量やアルコール度数のほかに、ブランド名や生産国・原料、製造方法の特長や熟成年数など様々な情報が表記されているのです。重要なのはその読み取り方ですが、例えば、国産クラフトウイスキーで人気のイチローズモルトの場合、『Ichiros Malt&Gran World Blended Whisky』という商品がありますが、これは世界の材料を使ったブレンデッドウイスキーという意味です」

ちょいと基礎知識を説明しておくと、ウイスキーには大きくわけると原料別に3種類あり、原料に大麦麦芽のみを使用したのが「モルトウイスキー」、原料に小麦、大麦、トウモロコシなどの穀物を使用したのが「グレーンウイスキー」、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせたのが「ブレンデッドウイスキー」。さらに「シングルモルト」は単一の蒸溜所で造られたモルトウイスキーのことを表している。

「それを踏まえて、イチローズモルトの『CHICHIBU』にはシングルモルト・ジャパニーズ・ウイスキーとあるので、これこそが日本の材料を使って秩父の蒸溜所で作ったウイスキー。さらに『AGED 10 YEARS』とあるので、10年以上熟成させたウイスキーということになりますね。銘柄によっては、000/0000というように総製造数のうちの何本目かがわかるものもあります」

ラベルで紛らわしいのが『ピュアモルト』という表記だという。

「シングルモルトは以前、『ピュアモルト』と呼ばれることもありましたが、現在では表記がシングルモルトに統一され、ウイスキーに『ピュアモルト』の分類はありません。ところが、日本では『ピュアモルト』をブレンデッドモルトウイスキーの商品名称に使っているものもあるのです。この辺りのラベル表記はとくに法律があるわけではないので、メーカー各社のコンプライアンスに委ねられるわけですが、実は中にはデザイン優先で必要な情報をほとんど表記していないラベルを採用しているメーカーもあるのですよ。その点、イチローズモルトは正しく情報を表記しているので良心的なメーカーと言えますね」

大人のウイスキーの嗜み方 #1

ちょっと話を聞いただけでも思わずなるほど!と唸ってしまったが、「普通の人はほとんどわからないですよ。でも、ラベルの件しかり、こういうことをちゃんと解説してあげたら、多くの人が”ウシシ”となるわけですよ。酒飲みのみなさん、知らないってなかなか言いにくいですから」。

遡ること1992年には自身の興味が高じて業界初となるウイスキーのデータ本まで作ってしまった橋口さんだが、「ウイスキーは大麦や小麦、トウモロコシが原材料になるわけですが、当然のことながらその地域で自然に穫れるものが材料の主流になっていきます。だから麦よりも米の方が穫れる日本は日本酒なわけです。お酒っていろんな要素が重なってできあがるものなのですよ」

なんだか、知っておくと愉しくなることがたくさんありそう。次回はウイスキーの正しい選び方から飲み方までを橋口さんにご紹介いただきます。お楽しみに!   = #2へ続く =

大人のウイスキーの嗜み方 #1
大人のウイスキーの嗜み方 #1
大人のウイスキーの嗜み方 #1

ホルピタリティバンク
代表取締役
橋口孝司さん

ホテルバーテンダーにはじまり料飲支配人、新規ホテル開業、運営などを手がけ26年間ホテルに勤務。2008年、ホスピタリティバンク代表取締役に就任。バー開業コンサルティングなどを手がけ、酒類関係団体の顧問、理事を歴任。国内外で講演、セミナーを行う。ウイスキーやスピリッツ、カクテルを中心に酒類に関する著書多数。

下川冬樹(fuyuki shimokawa)
  • 80’sをこよなく愛するグラサン男。モノづくりやライフスタイルに強いこだわりを持つ人々の熱血応援サポーター。みなさんの熱いハートと想いを写真と文でほどよくゆるくお届けします!