【防災クローズアップ!! その1】今年5月、運用開始! 5つのレベルと色で「逃げどき」がわかる! 新しい防災気象情報

水害や土砂崩れなど気象災害が頻発する中、警報・注意報の情報名に「レベル」が付記されて、避難すべきタイミングがわかりやすくなった。連携するサイト「キキクル」や気象アプリと併用し、自分や家族や仲間を守ろう!

写真/鶴田智昭 文/安室淳一
参考:気象庁ウェブサイト、国土交通省ウェブサイト

気象庁 大気海洋部 気象リスク対策課
山本太基さん

防災気象情報をわかりやすく提供するため、気象警報等の危険度を5段階のレベルに整理する情報改善を担当した。
気象庁マスコットキャラクター
はれるん
気象庁火山防災マスコットキャラクター
ぼるけん

近年、日本は短時間で激しく雨が降る「ゲリラ雷雨」が頻繁に起こるなど気候が変動。各地で大雨による洪水や、土砂崩れなど、痛ましい被害も毎年のように発生している。こうした状況の中、気象庁は2026年5月29日から、新たな防災気象情報の運用を開始した。何が変わり、どう活用すればいいのか。改訂に携わった気象庁の山本太基さんに話を聞いた。

「きっかけのひとつは、平成30年に起こった西日本豪雨です。このとき記録的な大雨が降り、気象庁は記者会見とともに特別警報も発表し、最大級の警戒を呼びかけましたが、結果として200人以上のかたが犠牲となりました。問題点として、気象庁が出す防災情報と自治体の避難情報が、必ずしも住民の避難行動に結びついていないことが指摘されました。そこで、より確実に分かりやすく情報を伝えるため、令和元年に5段階の警戒レベルの運用が始まりました。その際、気象庁の情報も警戒レベルに当てはめたのですが、うまく当てはめられない部分や、名称がわかりにくいなどの課題が残りました。この課題を解消したのが今回の新しい情報になります」

情報名称などが変わったのに加え、数字で危険度が明確になったのが特長だ。

「新たな防災気象情報では、5段階のレベルと数字を前につけ、どの気象災害でも名称と色分けを共通にしています。レベル4は避難が必要な状況であることなど、危険度とそれに応じてとるべき行動が分かりやすくなりました」

 また、「キキクル(危険度分布)」も実用性の高い防災情報サービスだ。土砂災害、低地の浸水害、河川の洪水という雨による3種類の災害の危険度を5段階の色分けで表し、地図上で分かりやすく確認ができる。

「各レベルの情報は、基本的に市区町村単位で発表されます。しかし、たとえば港区にレベル4の土砂災害の危険警報が出ても、危ないのは港区全域ではなく、区内の一部となります。自分のいる場所の危険度をピンポイントで、ほぼリアルタイムで示してくれるのが、『キキクル』の特徴です」

最後に山本さんに、日頃から災害に備えて意識すべきことを聞いた。

「いちばん重要なのは、自宅、職場、通勤ルートなどに、どんな気象災害が起こりすいか知っておくことです。日頃から自治体が発行するハザードマップで危ない場所や避難場所等を確認しておきましょう。そのうえで、レベル3やレベル4の情報がでたら、キキクルもうまく活用して、早めの避難を心掛けてください」

[大雨]
台風や局地的豪雨により大量の雨が短時間で降り、中小河川が増水したり堤防が決壊するなどして浸水や洪水などの水害が起こること。写真:気象庁提供
[土砂災害]
山や崖が崩れたり、崩れた土砂が雨水や川の水と混じって流れて、人命が奪われたり、建物を圧し潰す災害。写真:気象庁提供
[河川氾濫]
大雨で川の水位が上がって、堤防の高さを越えたり、堤防が壊れて、水があふれて浸水被害などを引き起こす災害。 写真:国土交通省ウェブサイト
[高潮]
台風や発達した低気圧に伴う気圧低下と強風により、海面(水位)が通常より異常に高く上昇して浸水被害を引き起こす災害。
7月の激しい雨で、担当のスマホに「レベル4大雨危険警報」が表示された! 最近のテレビやラジオの天気予報でも警戒レベルが活用されている。

新しい防災気象情報を伝えるフライヤーやリーフレット。

今いる場所の災害危険度がリアルタイムでわかる。気象庁HPから誰でも見られる!『キキクル』

キキクルは、気象災害の危険度の高まりを5段階に色分けして全国の地図上に示すWEBサイト。自分のスマートフォンやパソコンを使ってアクセスし、地図の色分けを見るだけで、自分のいる場所でも他の場所でも、今どれくらい災害の危険度が高まっているか把握できる。色分けは、防災気象情報の警報と同じ5段階でわかりやすい。。情報は数時間先までの予測も加味して10分ごとに更新され、避難行動を始める判断の助けにもなる。

便利! プッシュ通知で今の危険度が配信されるアプリ

キキクルと併せて、気象庁では民間事業者と連携して、ユーザーが登録した地域について、キキクルで危険度が高まった場合や警報等が発表された場合に自動で通知するサービスを提供している。また、噴火災害についても、噴火警報や噴火速報が発表された場合に自動で通知するサービスが民間の事業者から提供されている。何も起きていない平時からプッシュ型通知サービスを登録しておき、いざという時の避難や備えの判断に、ぜひ活かそう!

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