生粋のスポーツセダン スカイライン400Rに試乗!

レッドリストモデル

巷に流行るのはSUVばかり。高いアイポイントで運転のしやすさや乗り降りのしやすさ、積載性など、とっても実用的なのはよぉーくわかる。さらに最近のソレはスタイリッシュだったり、スポーツカー顔負けの運動性能を持っていたりと個性があるのもよぉーくわかる。しかしながら人と被ってしまいそう、と思ってしまったらここは原点回帰といこうではありませんか!

原点回帰? そうクルマの主流はセダンだったのです(遠い目)! と思って調べるとこれまたびっくりで生粋の3ボックスボディを持つセダンの数が少なかった。絶滅危惧種と言われるつづけるスポーツカーはよくわかるけれど、実用的なセダンはもっと絶滅危惧種になっている。トヨタはまだ種類があるけれど、それ以外の国産メーカーは1種ないしラインナップ落ちという状況。

そして日産のセダンを背負うのはスカイラインのみ。スカイラインは日産の名門中の名門と言っても差し支えのないクルマだ。1957年の初代以来、自動車業界の話題の中心で3代目のC10型には高性能スポーツバージョン「GT-R」がラインナップに加わった。それ以降はモータースポーツの代名詞的存在に。現行型は13代目モデルになる。そこにスポーティいや、歴代最強を謳うモデルが2019年に登場したスカイライン400Rだ。

今でこそ独立したモデルになってしまった(今は生産されていないけれど)が、GT-Rは「スカイライン」のネーミングがあってこそ、と思われる世代にとって400Rはグッとくるネーミングのはず。

なぜなら9代目R33型GT-Rをベースにニスモが究極のコンプリートカーとしてデビューさせたのが400Rだから。名機RB26DETTエンジンを2.8リッター化し、400PSを誇るマシン。レア度も高く世界限定55台と超希少車になる。当時の新車価格は1200万円(通常のGT-Rは478万5000円)だった。

話は現代の400Rに戻る。試乗車はワンガンブルーのボディカラーが似合う1台。現行型のデビューは2013年だけれども、見た目の古さはまったく感じない。なおこの素敵な青は日産でも一部のスポーツカーにしか設定されておらず、400Rもオプション扱いになる。エクステリアこそ空気をたくさん取り込むような大型のVモーショングリルがスポーツモデルらしいけれど、雰囲気は大人のセダンだ。

車内も同様。ブラウンのインテリア(オプション)が落ち着いた空間を形作っているだけでなく、高級感も演出。後席スペースも十分広い。もし古さを感じるならば後席向けにUSBポートがないくらいかもしれない。なお前席のシートヒーターは全モデルに標準装備される。センターディスプレイは上下2段構えで上はナビ画面、下はオーディオの操作などになっている。両脇に並ぶのは空調の物理スイッチ。デザイン優先っぽいけれど、押した感もある物理スイッチは慣れればブランドタッチ可能だ。

見た目の高級感同様におもてなしも充実する。エンジンを停止させ、ドアを開くと運転席が自動で後ろにさがり、ステアリングが上に上がって乗降性を高めてくれるし、走行中はアクティブノイズコントロールで静粛性を高めてくれる。内装や装備を見ている限りはとても大馬力後輪駆動なスポーツモデルとは思えない。

セダンだけどスポーツじゃだめですか??

搭載されるエンジンは3リッターのV6ツインターボ。最高出力は405PSを誇る。400R以外も同じエンジンを搭載するが、そちらは304PSに抑えられている。

走り出すとスカイライン史上最強の405馬力! という予備知識(思い込みともいう)からは想像できないしなやかな乗り心地。確かにスポーティかと聞かれれば、首を縦に数回は振ってしまうけれど段差などでダン! となっても跳ねることは決してなく何事もなかったように進む。筆者が驚いたのはタウンスピード域での燃費の良さ。メーターに表示される燃費は8km/L台。3リッターもあるのに! これはひとえに低速トルクの太さのおかげだ。街中ではちょこっと踏むだけで十分。回転にして2000rpmくらいだろうか。400Rは使い方によっては実用的な燃費を叩き出すのだ。アイドリングストップがないのにも関わらず。

クルマに用意されるドライブモードはスポーツ+、スポーツ、スタンダード、エコ、スノー、パーソナルの6つ。パーソナルは自分でステアリングレスポンスやエンジンレスポンスなどをカスタマイズ可能。お楽しみはスポーツモード以上だろう。高速の合流で少しばかり踏み込むと力強く加速する。目に入る豪華な内装との加速感のギャップも萌えポイント。組み合わされる7ATの低いギアを使って高回転まで回すとレッドゾーンまで気持ちよく回転が伸びていく。合わせて車内に聴こえてくるエンジンの甲高いサウンド。「これ、これよスポーツカーは!」と思う瞬間だ。

クネッた道に入ってもエンジンの気持ちよさは変わらず無駄に回転の上げ下げを楽しんでしまう。何かの拍子にリアがムズムズすると後輪駆動だった、と気づく。もちろんVDC(ビークルスタビリティコントロール)が効くので盛大に滑ることはないのだけれど、こういったクルマを運転しているゾ的感覚は今や貴重なシロモノ。

基本設計自体は古いかもしれないけれど実用的なセダンで、運転が楽しいクルマはまさにスカイラインだ。同車は日産の象徴のひとつ。次期型の噂も現実味を帯びてきたし、「今のうち」リストに入れてもいいのかも?

スカイライン400R

価格649万5500円から
全長 × 全幅 × 全高4810 × 1820 × 1440(mm)
エンジン2997ccV型6気筒ターボ
最高出力298kW(405ps)/6400rpm
最大トルク475Nm/1600-5200rpm
WLTCモード燃費10.0km/L

日産
スカイライン
問 お客様相談室 0120-315-232

海野大介(daisuke unno)
  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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