【buy a good house】今ほど家を持つのが大切な時代はない! CASE 03:家づくりはスケッチブック!

3年前に手に入れた堀出 隼さんと美沙さんの家は、先代の家主の想いを引き継ぎつつ、クリエイティブな仕事に携わる夫婦のセンスと想いが溢れている。家族の輪や温かさを感じる、そんなこだわりの葉山町の一軒家を訪ねた。

写真/青木健格(WPP) 文/安室淳一

holiday
アートディレクターをしている堀出 隼さんと料理家をしている奥様の美沙さんのクリエイティブユニットの名称が「holiday」。2022年にこの家を手に入れ、息子さんと娘さん、そして愛犬2頭と生活をしている。

家を買うと決めた理由は?

家が広くなることは家族にとってプラスになること、また前家主さんの「堀出さんなら楽しく使ってくれそうだから」という言葉から決めました。

どうやって決めた?

この家は探したのではなく、隣に住んでいた前の家主さんと仲良くなり、その後に家を売りたいという話をされ、それを受けたカタチになります。

住んでみてどう?

心地良く住めているので幸福度はMAX。でも伸び代もあると思うので現状に満足せず、これからもっと満足ができるような家にしていきたいですね。

2階へと上がる階段まわりのスペースには子ども達の画やさまざまなアートがレイアウトされギャラリーのような雰囲気に。

想いを繋ぎ、育っていく家

 堀出邸があるのは、海と山に囲まれ、穏やかなときの流れと美しい景観が魅力の神奈川県葉山町。堀出さん家族が葉山に住み始めたのは11年前、自然に囲まれた暮らしと仕事の両立が可能な場所としてこの地を選んだという。

「僕はずっと都会暮らしをしていたのですが、結婚後、一時的に住んでいた箱根での生活から、自然とともに暮らすことが好きになり、箱根から引っ越す際、東京に戻るのではなく、途中下車をしようと考えて、この葉山町で家を見つけました。最初の家は賃貸、次に人生初の自分の家を手に入れ、そして3年前にあるご縁からこの家を購入をしました」。

 じつは堀出さんの家は、以前住んでいた家の隣にあり、不思議な家との巡り合わせがあったという。

「ここにはもともと老夫婦が暮らしていて、僕たちが隣に引っ越しをしてきて、挨拶からはじまり、次第に仲良くなっていきました。ある日、隣のご主人から突然、この家を買ってくれないか? と切り出され、その理由について色々とご主人が語ってくれたあと、僕は、考えておきますと返事をして話は終わりました。その後、ご主人が亡くなったと奥様から聞き、再び、家を売る話がご主人の遺言的なものとしてもち上がり、家族とじっくり考えた末に受けることにしました。不思議な縁でしたが、ご主人の気持ちを受け継ぐ感じもあり、またみんなが楽しく暮らせるような場所にしたいと考え、日々スケッチをするように少しずつ家づくりをしています。ただ最後に理想の画になるかどうかはわかりませんけどね(笑)」

BEFORE / AFTER

左/購入した当初の家はごく一般的なスタイルの外観となっており、緑が一面に広がる庭には家庭菜園もあった。右/家の外枠はそのままに外観を一新、陽の光をしっかりと採り入れつつスッキリとした印象とし、庭も整備された。
アートな門扉に備えられたポストには堀出夫妻のクリエイティブユニット名「holiday」がペイントされている。
カラフルな壁は引っ越す少し前に家族4人がひとりずつ、好みの色を選んで塗り、家族の思い出として刻まれている。
2階のこの窓は、隼さんがたまに家族が誰もいないときに外の風景をのんびりと眺めながら、日々のさまざまなご縁の素晴らしさに浸るスペースだという。
キッチンの脇には扉があり、その奥は美沙さんの仕事であるケータリングや弁当作りのための調理を行う本格的な厨房となっている。
ヨーロッパの素敵な広場をイメージした庭の階段は、上り下りだけでなく、人が集まった際に座ることもできるスタイルに。
左/家族を静観しながら、ラグで日向ぼっこを満喫していたブンちゃん。現在10歳で大人の落ち着きを感じる。右/隼さんの親友的な存在だというゴールデンレトリーバーのネムくん。現在1歳半の遊びたい盛りで元気一杯。

Favorite corner

夫婦それぞれにお気に入りの場所がある。右/隼さんはお気に入りの大きなデスクと快適なロッキングチェアー、そして窓の外に広がる爽やかな景色で仕事が進むワークスペース。左/美沙さんは料理のプロらしく、作業がしやすく自分好みに仕上げたキッチンスペース。

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