お酒博士・橋口孝司の酒千夜Vol.30 イベントレポート アイルランドの祝日「セント・パトリックス・デー」


「セントパトリックスデーパレード東京」の様子

世界5大ウイスキーの1つアイリッシュウイスキーやギネスビールで有名な国「アイルランド」。

アイルランドの祝日「セント・パトリックス・デー」を祝うイベントが、東京・表参道で開催されていたので行ってみました。今回はそのレポートをしたいと思います。たくさんの人が沿道に押しかけている中、頑張って写真撮影しました(笑)

※写真は全て橋口撮影

■セント・パトリックス・デーとは?

『セント・パトリックス・デー(3月17日/St. Patrick’s Day)』は、アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日で、1903年からアイルランドの祝日となっています。

聖パトリックは、アイルランドのシンボルとしても知られるシャムロック(クローバー)を手にキリスト教の三位一体を説いたといわれています。そのためシャムロックは聖パトリックのシンボルであり、アイルランドの国花にもなっています。

セント・パトリックス・デーには、アイルランド各地の街が緑色で飾られ、パレードやイベントが行われます。シャムロックや緑のものを身につけた多くの人が集まりお祝いするのです。首都ダブリンのパレードには50万人以上が参加するともいわれています。

アイルランド以外の国でも、アイルランド系移民の多いアメリカをはじめオーストラリア、ニュージーランド、フランス、カナダなどでも様々なイベントが開催されています。

日本では、1992年からアイリッシュ・ネットワーク・ジャパン(INJ)によって「セントパトリックスデーパレード東京」が行われています。東京・表参道で行われるこのパレードは、アジアで行われているセント・パトリックス・デー・パレードの中で最も長い歴史を持ち、最大規模を誇っています。今年は29回目の開催となり、2024年3月17日(日)に開催されました。表参道では、3月11日(月)~17日(日)には、道路の中央分離帯ポールにアイルランドと日本両国の国旗が掲揚され、グリーニング(グリーン・ライトアップ)も行われました。

■アイルランドのお酒

様々な「アイリッシュウイスキー」

アイルランドのお酒として有名なのは、ビールです。アイルランドのビールはイギリス同様にエール(上面発酵)ビールが主流で、その中でもアイルランドのビールとして最も有名なのが「ギネス」を筆頭としたスタウトビールです。黒くなるまでローストした大麦を原料に使っていて、黒い色や香ばしい香り、深い苦みが特徴です。
  
また、世界5大ウイスキーの1つでもある「アイリッシュウイスキー」も人気が高まっています。アイリッシュウイスキーの代表銘柄である「ジェムソン」をはじめアイリッシュウイスキーの人気の高まりに伴い、アイルランド国内ウイスキー蒸溜所もどんどん増えています。2000年にはわずか3カ所しかなかったウイスキー蒸溜所は、現在では計画中も含め約60カ所となっています。ウイスキー造りにおいては、伝統的な手法を見直しつつ、革新的ともいえる様々な方法が行われているのも特徴です。蒸溜所ならではの特徴をウリにする「シングルポットスチルウイスキー」や「シングルモルトウイスキー」も発売され、今までのアイリッシュウイスキーのイメージを一新するようなウイスキーが登場しています。その他にも近年アイルランドではプレミアムジン、ウオッカ、ミード、ラムなども盛り上がりを見せています。

アイルランドでお酒を愉しむ場所として有名なのは「パブ」です。お酒と一緒に料理や音楽を楽しみ、社交の場としても使われることが多く、街中には多くのパブがあります。日本でも“アイリッシュパブ”と呼ばれるお店が多くあり、アイルランドのお酒などを愉しむことができます。セント・パトリックス・デーには、多くのパブで緑色のビールが提供され、お酒と共に祝日をお祝いします。

■「セントパトリックスデーパレード東京」表参道

2024年3月17日(日)に開催された「第29回セントパトリックスデーパレード東京」の様子をお伝えします。

当日は13時から表参道の一部が交通規制となり、パレードが始まる前から沿道には多くの観客が集まっていました。
 
まず先頭で、アイルランド大使などが登場。

アイルランドを代表するお酒ブランドも参加していました。

ギネスビールのチーム
アイリッシュウイスキー「バスカー」
アイリッシュウイスキー「イーガンス」

■「グリーンアイルランドフェスティバル」代々木公園

表参道からすぐの場所にある代々木公園では3月16日~17日の2日間「グリーンアイルランドフェスティバル」が開催されていたので、そちらにも立ち寄ってみました。

緑豊かな代々木公園を、アイルランドの妖精レプラコーンが現れる森に見立て、アイルランドの音楽、ダンス、グルメ、カルチャーなど、アイルランドを体験できるイベントトの事。

パレードが行われている表参道を横目に見ながら会場へ向かいました。

まずは、「ギネスビール」を購入しビールを片手に会場を廻ってみました。

「ギネス」のドラフトはやっぱり美味い!

ステージでは「セントパトリックスデーパレード東京」にも参加していたアイルランド大使などによる挨拶が行われていました。

今年はアイリッシュウイスキーブランド「THE BUSKER(バスカー)」がエメラルドスポンサーとして初出展していました。ブースでは、ハイボールの販売などを行っていました。

バスカーのハイボールは、並ぶ人が途切れないほどの人気!
会場ではこんなキャンペーンも

■日本で開催されるイベント

セント・パトリックス・デーにちなんだイベントは、東京以外にも日本各地で開催されました。

来年の3月には、ぜひお近くで開催されるセント・パトリックス・デーのイベントに“緑色のモノ”を身につけて参加してみてはいかがでしょう?

●セント・パトリックス・デー関連イベント

<2024年>

3月3日(日)
 10時30分~、14時~:海外文化体験 in ふくろい第2弾「一緒にアイリッシュダンスを踊ってみませんか」(静岡県袋井市)
 12時~、14時~:セント・パトリックス・デー パレード in 岡山(岡山県岡山市)

3月9日(土)
 14時~:第18回セントパトリックデーパレード横浜元町(神奈川県横浜市)
 14時30分~:第18回セント・パトリックス・デイ・パレード熊本(熊本県熊本市)

3月10日(日)
 14時~:大阪セントパトリックデーパレードと交流会(大阪府大阪市)
 10時~:アイリッシュ・フェスティバル in Matsue 2024(島根県松江市)

3月16日(土)
 18時30分~:第28回エメラルドボール~チャリティ晩餐会~ (東京都目黒区)
 アイルランドフェスティバル2024 in いわてまち(岩手県岩手郡岩手町)
 12時~:St. Patrick’s Day in Kobe 2024 アイルランドフェスティバル(兵庫県神戸市)

3月17日(日)
 13時~:第29回 セントパトリックスデーパレード東京(表参道)
 18時30分~21時30分:セント・パトリックスデー・ケーリー(東京都世田谷区)
 11時~:St. Patrick’s Day in HIROSHIMA 2024(広島県広島市)
 13時~15時:セント・パトリックス・デー パレード in 福岡(福岡県福岡市)

3月24日(日)
 13時~:第9回セントパトリックス・ディ・パレード海浜幕張2024(千葉県千葉市)
 13時~15時:セントパトリックデーパレード松本(長野県松本市)
 14時~:ふくいパトリックスデー 2024(福井県福井市)

●グリーニング(グリーン・ライトアップ)

毎年セント・パトリックス・デーにちなんで世界中の象徴的なランドマークや建物が緑色に染まります。日本でも全国各地でグリーニング(グリーン・ライトアップ)が行われています。

<2024年>

3月1日(金)~17日(日)
 伊勢大鳥居(三重県伊勢市)

3月8日(金)~10日(日)
 日没~22時:松江城(島根県松江市)
 日没~22時:TSKさんいん中央テレビ鉄塔(島根県松江市)
 19時~22時:NHK松江放送局鉄塔(島根県松江市)

3月8日(金)~17日(日)
 よこはまコスモワールド大観覧車「コスモクロック21」(神奈川県横浜市)
 みなとみらい線 元町中華街駅舎(神奈川県横浜市)
 木更津かんらんしゃパークキサラピア大観覧車(千葉県木更津市)
 東名高速道路富士川サービスエリア大観覧車「フジスカイビュー」(静岡県富士市)
 名古屋港シートレインランド大観覧車(愛知県名古屋市)
 天保山大観覧車(大阪府大阪市)
 りんくうプレジャータウンSEACLE大観覧車「りんくうの星」(大阪府泉佐野市)
 神戸淡路鳴門自動車道淡路サービスエリア大観覧車(兵庫県淡路市)
 しものせき遊園地はい!からっと横丁大観覧車(山口県下関市)

3月9日(土)~10日(日)
 日没~22時:山陰合同銀行本店(島根県松江市)

3月11日(月)~17日(日)
 日本看護協会ビル(東京都渋谷区、表参道)

3月14日(木)~17日(日)
 神奈川県庁本庁舎(神奈川県横浜市)

3月17日(日)
 17時~21時:袋井市旧シンドラーエレベーター試験棟(現司企業株式会社所有のタワー)(静岡県袋井市)
 18時10分~20時:出雲日御碕灯台 (島根県出雲市)

<参考情報>
アイルランド大使館プレスリリース

  • 株式会社ホスピタリティバンク代表取締役 ホテルバーテンダーから料飲支配人、新規ホテル開業準備室長、運営などをてがけ26年間ホテルに勤務。2008年より株式会社ホスピタリティバンク代表取締役に就任。バー開業コンサルティングなどを手がけ酒類関連団体の顧問、理事を歴任し国内外で講演、セミナーを行っている。ウイスキーバープロデュース・運営(2017-2019)を行う。 シャンパーニュ騎士団「シュバリエ」、ベルギービールプロフェッサー、日本伝統濁酒学博士などの称号を持つ。 2015年からは「橋口孝司 燻製料理とお酒の教室」にてセミナーの開催や、ウイスキーを愉しむイベント「ザ・シークレットバー」も銀座と西麻布にて定期的に開催している。 「ディスティラリーパッケージ1992」を皮切りに、「ウイスキーの教科書」「カクテル&スピリッツの教科書」「本格焼酎名酒事典」「ビジネスエリートが身につける教養 ウイスキーの愉しみ方」などを執筆、「世界のウイスキー図鑑」「世界のベストウイスキー」「ハリウッドカクテル日本語版」などを監修。ウイスキー、カクテル、スピリッツを中心に酒類に関する執筆・監修は26冊以上。 Webでは、「たべぷろ」にて執筆(https://tabepro.jp/author/hashiguchi) 「江崎グリコ お酒の話」を監修(https://jp.glico.com/osake/index.html)
  • https://www.hospitality-bank.com/

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