ファッションモデル山下晃和の偏愛モノ図鑑 67
厳冬期にサイクルジャージの下に着る吸湿発熱素材の無敵インナー!

MIZUNO ブレスサーモアンダー ワイズロードオリジナルモデル

冬場のサイクリングは、漕ぎ出すまでが極寒で、漕ぎ出してしばらくすると身体が温まりちょうどよくなる。しかし、キャンプ道具を積んで、坂道を登ると大汗をかいてしまう。

そして、峠道を過ぎた後に下りにさしかかると寒くて震えてしまう。また、キャンプをするとなると汗をかいたサイクリングジャージはみるみるうちに体温を奪っていく。

そんな悩ましい自転車の冬のスポーツライドにふさわしいのがMIZUNOのブレスサーモインナー。今回は、こちらの偏愛っぷりを語りたい。

グラベルツーリング中の標高が高い道でも温かいので安心して踏める。

私は、MIZUNO ブレスサーモアンダーのワイズロードオリジナルモデルを愛している。なぜこれほどまでに惚れ込んだのか?

MIZUNO(以下ミズノ )は、言わずと知れたスポーツブランド。1906年に水野利八さん、弟利三さんが大阪北区で「水野兄弟商会」を創業してスタート。

洋品雑貨のほか野球ボールなどを販売開始、創業当時の屋号は「イズ日」だったそう。1910年に美津濃商店に改名。その理由は、将来を考え、店が発展したときに、水野家の子孫以外にも立派な人材が現れることも考え、命名したと言われている。

「美津濃」の由来は、水野利八の故郷が美濃国(岐阜県)大垣であり、生まれた場所が船町であったことから、船にゆかりの「港」を指す「津」を、「美」と「濃」の間に入れて「美津濃」となったらしい。

現在も、美津濃株式会社となっていることを知っている人もいるかも。しかしながら、ミズノとカタカナ表記するほうが馴染みがあるように思う。

私も中、高校と野球をやっていたので、もちろんミズノ製品を愛用している。高校生のときに親に買ってもらったミズノプロのファーストミットは墓に入れてもらうつもりだ。

ミズノの歴史を知るならば、こちらのミズノ本がオススメ。村尾隆介著、株式会社ワニブックス(初版2021年8月)

一方、ワイズロードは日本最大級のスポーツ自転車専門店。1898年故吉田朝蔵が埼玉県志木町にて創業し、自転車「トライアンフ」の輸入を始め、1985年からトライアスロンに注目。

練習会などを行っていたり、業界初のPOSの導入だったり、オリジナルブランド「アンタレス」を出していたり、早くからECを立ち上げていたり、スポーツ自転車を扱う企業として革新的なチャレンジをし続けている。

現在は、北は東北、南は九州、オンラインを含めると全国に35店舗があり、自転車本体、パーツ、ウエアなど自転車にまつわる全てが揃い、10月21日には素晴らしい立地の新橋店がオープン。

広大な店舗に、様々な有名メーカーの自転車が並び、パーツも選びたい放題、自転車好きにとってはまさに楽園だ。

今年の10月21日にOPENしたワイズロード新橋店の店内。美しく並んだパーツにウットリ。

さて、今回の本題。ミズノのブレスサーモという素材をご存知だろうか? 体から発生する水分を吸収して発熱し、その発熱した空気を繊維の間に取り込んで保温する。優れた吸湿性能なので汗をかいてもムレを抑え、衣服内をドライで快適な状態に保つというすぐれもの。

こちらのインナーは、実は草野球のときにアンダーシャツとして着ていて、非常に温かく、なにより汗冷えが少ないことに感動。特にアンダーシャツの上に重ね着する暖Dというタートルネックのノースリーブシャツは発明品だと思う。

草野球の時にも愛用しているアンダーシャツもブレスサーモ。

その吸湿発熱素材ブレスサーモを使用した自転車専用設計のアンダーをワイズロードが別注。こちらは、厳冬期におけるアクティブシーンに対応するレベルのブレスサーモ原綿を含有し、発熱力と保湿性を兼ね備えた中厚タイプ。

人間工学に基づいたミズノ独自の設計「ダイナモーションフィット」を採用し、伸縮性があって着やすいのはそのままに、サイクルジャージとの相性が考えられたカッティングになっている。

さらに、肌面に撥水ポリエステルを使用することで汗が外側へ移る。肌に汗が残りにくいので、汗冷えしにくく、温かさが続くというわけだ。

前傾姿勢でも背中が捲れ上がらないように後ろ身頃が長くなっている。

ハイネック仕様になっているので前方からの風もシャットアウト、首の後ろまで温かい。

さらに腰の後ろの身頃が長くなっていて、ロードバイクやグラベルバイクでの前傾になるポジションで背中が上がってこない。これは草野球においてもしゃがんだり立ったりの動作があるので、ぜひ取り入れてもらいたいところだ。

黒い生地のものがブレスサーモアンダーの袖。

サイクルジャージの袖に対して、袖が短くならないように手首も長くなっていて、風が入り込まないようにしっかりフィット感があるのもいい。

同じように汗冷えしにくい素材にウールがあるが、細かいメリノウールであっても、肌がデリケートな人は痒くなったり、ゴワつき感があるのは否めない。

さらに、防縮加工がされているものでも4、5年着ていると縮みが出てしまう。耐久性もないので、枝やベルクロに対して弱く、破けてしまうことも多い。

また、ウールは、動物の毛のためサスティナブルな素材としては明らかにブレスサーモに軍配が上がるだろう。ただし、抗菌消臭効果はウールのほうがやはり上だった。今後、さらなる改善に期待したいところ。

寒風吹きすさぶ厳冬期グラベルライドでもこのとおり。満面の笑み。

ちなみに、自転車キャンプのときの夜は、サイクルジャージだと焚き火の火の粉であっという間に溶けてしまい、タイトなシルエットだと急激に体温を奪われるので要注意。

ブレスサーモの上は、ややゆとりのあるインナーに着替えたほうがいい。そのほうがデッドエア(体温に近い36℃くらいの空気のこと)が作れる。

これがアウトドアウエアのレイヤリングの基本。つまり、ライドとキャンプは分けて考えたほうがいいだろう。

サイクルジャージの多くを占めるポリエステル素材は、速乾性がある反面、体温を下げてしまうこともある。またフィット感があればあるほど身体を冷やしてしまう。

なので、厳冬期のサイクルジャージが寒いようだったら、前面に防風性の高い素材を使用したものを選べば、さらにブレスサーモ素材の効果が得られるだろう。

身体が冷えなければ、冬ライドのパフォーマンスが上がるだけでなく、ケガの予防にもなる。冬が苦手な自転車乗りの方はぜひ試してみてほしい!

MIZUNO ブレスサーモアンダー ワイズロードオリジナルモデル


価格:6380円
カラー:ブラック
サイズ:M、L、XL(メンズサイズ)
温かさレベル:レベル3(最大4)
厚さ:中厚(ロードバイク乗車時の発汗量を考慮した中厚素材を採用)

問い合わせ:ワイズロードオンライン https://online.ysroad.co.jp/shop/contact/contact.aspx
商品ページ:https://online.ysroad.co.jp/shop/g/g4571546707143

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  • 本業はファッションモデル(タイクーンエージェンシー)。自転車、バイク、クルマで旅をしながら旅の素晴らしさや旅に最適なアイテムを紹介するトラベルライターとしても活動。地方自治体サイクルマップやWEBで連載ページを持つ。 趣味は、旅行、キャンプ、草野球、オフロードバイク、自転車全般(ロードバイク、MTB、ランドナー、小径車)、トライアスロン、トレイルランニング、登山、パックラフト、サーフィン、スニーカー収集、NEWERAキャップ収集、ウエイトトレーニング、読書、インドカレーの食べ歩き、MLB観戦など。  スポーツトレーナーの資格はNASM-PES、小型船舶一級免許、小型特殊船舶免許、大型自動二輪免許、JCTA認定自転車ツアーガイドなどを持つ資格マニアという一面も。かつて、海外30か国以上を自転車で旅したこともある放浪癖あり。好きなファブリックはキューベン、好きな金属はスカンジウム、好きな筋肉は三角筋。20代の頃は某アウトドアショップでバイトをしていた経験も。
  • http://akikazoo.net

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