【連載】あつまれ! 模型ホビー野郎どもよ
第3回:RCカー好き&タミヤ好きは“BHM”へGo!


BHMのコンセプトを体現した店内のRCカーメンテナンスエリア。木製のテーブルにウォールシェルフ、壁掛け時計にスタンドライト、壁に貼られたチラシなどはそのどれもがアメリカンビンテージの雰囲気を漂わせる。

モノマガ編集部が選ぶ今一番レアでディープなホビーのトピックをご紹介する「あつまれ! 模型ホビー野郎ども」の第3回は、ちょっと面白くて新しいスタイルを取り入れた“町の模型屋さん”の訪問記。何が面白くて何が新しいのかは本文を読んでみてのお楽しみだけど、RCカー好きやタミヤ好きだったら足を運びたくなること間違いなし!

いまだかつてなかったスタイリッシュな町の模型屋さん

京成津田沼駅南口から国道14号線まで真っ直ぐ伸びる約500mの津田沼商店街=“ワイがや通り”沿いにあるBHM。お店は建物の3階にあるが、1階の入り口には目立ち度抜群の看板もあるので通り過ぎることはない……ハズ!?

ちょっと面白くて新しいスタイルを取り入れた“町の模型屋さん”とは、今年5月に千葉県習志野市にオープンしたBLOCKHEAD MOTORS(以下BHM)。模型屋としては新参者のBHMだが、実はタミヤのビンテージRCカーをテーマにしたステッカー・Tシャツ・キャップ・バッグを中心にオリジナルプロダクトを展開しECサイトで販売する雑貨ブランドとして2016年から活動していて、新しいモノや面白いモノに敏感なRCカーフリークだけにとどまらず、これまでRCカーとは縁遠かった若者たちからも大きな注目を集めている。

そんなBHMの代表を務めるのは、デザイン会社『Hanakumo Inc』の代表にしてグラフィックデザイナーとしても活躍するJUN WATANABEさん。「子どもの頃から大のタミヤフリークだった」と語るJUNさんの名前がRCフリークの間で知られるきっかけになったのは、2台のシグネチャーモデルがタミヤから発売されたことによるところが大きい。その2台とは、ホワイトをベースに黒い水玉をあしらったボディにパープルのシャシーとブラックホイール&ピンクタイヤを組み合わせた『ホーネット by JUN WATANABE』(2012年発売)と、自らがカスタムしたマシンがそっくりそのままの姿で商品化された『ワイルドワンオフローダー BLOCKHEAD MOTORS』(2021年)で、いずれもいまでは入手困難な希少モデルとなっている。

BHM代表のJUN WATANABEさんはアパレルECサイトのZOZOTOWNの出身。その創業時から2017年までクリエイティブ責任者としてデザイン部門を統括するいっぽう、自身のブランド“JUN WATANABE”名義でもファッション・ホビーを中心に数多くの商品デザインも手がけている。

タミヤ好きのタミヤ好きによるタミヤ好きのための雑貨ブランド

小学生3年生のときに買ったタミヤのホットショットⅡでRCカーライフをスタートしたJUNさん。

「僕にとって初めてのRCカーはホットショットⅡでしたが、その後も好きになるRCカーはなぜかタミヤばかりでした。タミヤのRCカーは、他社製のものに比べて求心力がケタ違いだったんですよね。パッケージひとつとってもそうでした。わかりやすい日本語がいっさい書いていないんです。例えば、マイティフロッグは英語で“The FROG”と大きく書いてあるだけで、消費者を突き放したデザインというか(笑)。大人になったいまだから思うことなのかもしれませんが、当時のタミヤはオトナが本気で遊ぶモノとしてRCカーを販売していたのかなと。でも、そんなところに幼い頃の僕は憧れたんです」

そんな“タミヤ愛”を大人になっても持ち続けていたJUNさんは、2016年に念願だったオリジナルブランドを立ち上げた。それが『BHM』だったというワケだ。このブランドは先述のとおり、1980年代のRCバギーブームを牽引したタミヤのオフロードバギーをバックグラウンドとしたオリジナルグッズ販売だけにとどまらず、模型ホビー・ガレージ・DIYを楽しむ人たちのライフスタイルをより豊かにする“コトづくり”も提案するブランドとして、いまやRCシーンには欠かせない存在なっている。

店内にはBHM定番のステッカー&Tシャツをはじめ、オリジナルアイテムがズラリ! ちなみに、JUNさんのイチ押しアイテムは写真の『BHオフロードTシャツ(ブラック/ブルー)』(価格3800円)。チェッカーフラッグ&ビンテージバギーの絵柄と、ノロマを意味するBHのロゴ&シンボルマークのキュートな亀が個性を主張する。

アメリカ西海岸の古き良き時代を連想させる店内がシャレオツです

2016年にBHMを立ち上げて以来、店舗を持たずECサイトでの販売をメインとしてきたJUNさんだったが、「ブランドに箔が付くので(笑)」と自身の夢でもあった実店舗を千葉県習志野市に開店したのは今年の5月。代表を務めるデザイン会社が入居しているビルの一室が空いていることを知り、「お店が出せるのではないか?」と思ったことがきっかけだった。

「そうはいっても、部屋の中は何から手をつければいいのかわからないくらいの完全無法地帯といった感じでした(笑)。そんな状態から天井板を剥がしたり、壁を張り替えたり、色を塗ったり、文字を描いたり……と、その大半の作業を会社のスタッフや仲間たちとDIYでリノベーションして、現在の状態にまでもっていったんです。お店のイメージは、RCカーのカスタムと同様に“古き良き時代のアメリカ西海岸風”です。店内で使用する机、椅子、インテリア小物はもちろん、壁に貼っているポスターやチラシ、看板のロゴなども、すべてそれに基づいています。商品のラインナップはBHMのオリジナルアイテムを中心にタミヤのRCカー、プラモデル、ミニ四駆なども豊富に取り揃えています。とはいっても基本的には僕が好きなモノ、もしくは僕が欲しいモノしか扱っていませんけどね(笑)。ゆくゆくはBHMオリジナルのRCカー用カスタムパーツも出せればいいなぁ、などとこっそり目論んでいます」

JUNさんがセレクトしたタミヤのRCカー、プラモデル、ミニ四駆はなかなかの品揃え。面白いのは模型とはいっさい関係ない小物雑貨も販売していることだ。「BHMのコンセプトにピタリとハマりそうなアメリカン雑貨もぜひチェックしてみてください!」とJUNさん。

RCカーをもっとカッコいい趣味にしたい!

最後にJUNさんからモノ・マガジンweb読者へのメッセージをお伝えしたい。

「日本では“RCカー=オタクカルチャー”というイメージが強いと思いますが、僕としてはRCカーという趣味をもっともっとカッコよくしたいんですよね。そう思って始めたブランドがBHMですので、スケートボードとかファッションとか、そういうものに興味がある人にも刺さるアイテムづくりやお店づくりを心がけています。既存のRCカーファンはもちろんですが、“子どもの頃やってたなぁ”とか“RCカーって懐かしいなぁ”という人に対しても、イマドキはこんなにカッコいいRCカーの見せ方をしている人たちがいるんだ! ということを積極的にアピールしていきたいと思っていますので、模型好きの方に限らず、多くの方にお店に足を運んでいただきたいです」

店内のウォールシェルフに飾られているRCカーは、すべてJUNさんのコレクション。RCカーカスタムのお手本となるようなマシンばかりが揃っているので、これらのコレクションを見に行くだけでもBHMへ足を運ぶ価値アリ!

BLOCKHEAD MOTORS

所在地 千葉県習志野市津田沼6-4-9 木村ビル3階(京成津田沼駅より徒歩約10分)
営業時間 平日/12時~20時、休日/11時~19時
定休日 火曜日、水曜日
問い合わせ(電話) 047-409-6375
問い合わせ(メール) store@blockheadmotorsinc.com
URL https://www.blockheadmotorsinc.com/


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