なんだか懐かしい4.9インチの「BALMUDA Phone」をいち早くチェック


革新的な扇風機やオーブントースターを生み出し、家電市場で注目を集めたバルミューダが、ITカテゴリーに進出。新たにBALMUDA Technologiesブランドを立ち上げ、第一弾となる製品、「BALMUDA Phone」をバルミューダの寺尾玄社長自ら発表した。製品発表会にていち早く触ってきたので、詳しく紹介しよう。

4.9インチ液晶のボディは懐かしさが漂う

まずはスペックを先に。

ボディサイズは幅69×高さ123×厚さ13.7mm、重量約138g。搭載するディスプレイサイズは約4.9インチで、解像度は1920×1080ドット。プロセッサにはQualcommのSnapdragon 765

(2.3GHz/1コア+2.2GHz/1コア+1.8GHz/6コア)を採用する。通信は5Gに対応。指紋認証機能やNFC、IPX4、IP4Xの防水防塵機能も備えている。

SIMフリーモデルに加えて、ソフトバンクからも発売される。本体価格はSIMフリーモデルが10万4800円、ソフトバンク版が14万3280円(新トクするサポート適用で実質負担額は7万1640円)だ。

「BALMUDA Phone」の最大の特徴はそのボディサイズとデザインにある。手に持ってみるとなんだか懐かしい。4.9インチディスプレイを採用したボディは自然に手になじむ。片手で裏返したり、操作するのもスムーズだ。

発表会において寺尾氏「最近のスマートフォンは大きすぎる」と語り、使いやすさを重視したらこのサイズに至ったという。実際、近年のスマートフォンは6インチ台が中心になるほどに大型化が進んでいる。小型サイズが売りの「iPhone 13 mini」も5.4インチと「BALMUDA Phone」より大きい。

さらに手になじむ理由の一つが曲線によるボディデザインだ。本体には一切の直線が使われていないといい、寺尾氏自らデザインを起こしたそうだ。

本体背面にはBALMUDA Technologieのロゴを配置。素材は「河原で拾った石のような」(寺尾氏)ざらっとしたシボ加工が施されている。これがまた手のひらになじむ感触を与えてくれた。つるっとした感触のスマートフォンとはちょっと違うなと感じた。

決してハイエンド・高級ではない

バルミューダが近年テーマにしているのが、「クラシック」という表現だ。詳しく聞くと、古いと言う意味ではなく、「古くからあり、今も残っているいいもの」と言う意味だと言う。

「BALMUDA Phone」もそういった位置付けのスマートフォンだ。寺尾氏は「スマートフォンを使う時間を減らしたい」といった。つまり、スマートフォンで写真を撮って動画を見て、SNSをフルに利用して、という使い方は想定していない。独自に開発したアプリが、「時計」「スケジューラ」「電卓」「メモ」という基本アプリなのもそれを示している。動画を見るためのスマートフォンではないから画面はそれほど大きくなくていい。カメラもそれほど高性能である必要がないという割り切りだ。

付属のスケジューラアプリ
メモアプリ
ダイバーズウォッチのような使い方ができるウォッチ
億万表記や為替計算ができる電卓

そう考えると「BALMUDA Phone」が目指した方向性は分かり易い。片手でさっと手に取り素早く基本機能が使える。もちろん、SNSやその他のアプリも素早く起動できる。さっと使ってさっとしまう。使い方の“スマートさ”を目指したスマートフォンだというわけだ。

スペックだけを見ると、割高感はある。ただし、これまでのバルミューダ製品はそのほとんどがそうだった。他社製品の価格は関係ないのだ。

非常に期待値が高かっただけに、期待はずれと思う人も多いかもしれない。しかし、スマホビジネスとして成功するかどうかは別として、バルミューダの提案に頷くユーザーも一定数はいるはず。その価値がわかる、共感できるユーザーにだけ届けばいいのではないだろうか。

Writer’s eye
発表会で見たときは、正直、ちょっと拍子抜けで、ターゲットが見えないな、と思った。しかし、実際に手に取り、時間を置いて考えてみると、決して悪くはないと思い始めた。そもそも、最新ハイスペックを狙ったスマートフォンではないのだ。物足りないと感じるなら、それはターゲットではないだけ。一部のひとには刺さる、そんなニッチなスマートフォンだと言うこと。3万円の扇風機も最初はそうだったのだ。

  • デジタルガジェット&家電ライター。大学在学中に男性ファッション誌でライターデビューした後、PCやデジタルガジェット、白物家電を専門分野として執筆活動を展開。家電のテストと撮影のための空間、家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。米・食味鑑定士の資格を所有。モノ系以外にビジネス記事やインタビューなども手掛ける。執筆以外に企業のコンサルティングやアドバイザーなども。
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