【宙翔ける広報】恋愛と仕事は一緒なのだ! ACE・ジョニー物語 其の3

日本を代表するカバンメーカーのひとつ、ACE(エース)の名物広報”ジョニーさん”こと、難波敏史さん。仕事をする上で大切なのは愛で、仕事の仕方は恋愛と同じと言うが、そのココロとは?

ACE・ジョニー物語 其の3

mono:仕事の仕方と恋愛にはどこに共通点があるのですか?

ジョニー:例えば付き合っている人がいて、その人のために何かプレゼントしようかな、何が好きかな、ひょっとしたらこれプレゼントしたら喜ぶかなって考えている時って楽しいじゃないですか。さらに、それ渡して「コレ、欲しかったの!」と喜ばれたらサイコーでしょ。それを僕らの仕事に置き換えてみると、じゃあ、この編集者は何を求めているんだろう? こういうネタだったら喜んでくれるんじゃないかな。例えば、O川さん(モノマガweb担当編集)このネタ、モノマガにピッタリでしょ! とか。そういう感じで僕がモノを編集部に持って行って、「ジョニーさん、コレなんですよ!」って言われたらサイコーに嬉しいし、よっしゃ~! って思うじゃないですか。仕事は楽しくしなきゃならないんですよ。で、楽しく仕事するってどうするの? って考えたら、恋愛している時は楽しい。もちろん、想定外のことがあってお別れすることがあるかもしれない。でも、基本的に恋愛している時の楽しみと仕事のやり方は変わらないと思う。恋愛ブランディング、恋愛PRですね。

mono:ジョニーさんはメールでもマメですよね!

ジョニー:よく言われるんですけど、自分としてはマメとは思っていなくて。マスコミの人とのコミュニケーションは凄く大切。昔、広告代理店の人に言われたのと同じだけど、ちゃんといいリレーションができるということが大事で、そのためには腹を割ってきっちり仕事できる関係値がすごく大切だと思うんですよね。それがなくて上辺だけの付き合いだったらいい仕事はできないと思う。入り込んで入り込んで、だからこの取材の最初にO川さんに「僕に言うことはないのか」って※。大変だったって聞いているのに本人が何も言ってこないから、きょう会うから言ってやろうってね。

其の1冒頭で紹介した、担当編集O川が肋骨骨折をジョニーさんに報告しなかった件

ACE・ジョニー物語 其の3

mono:われわれメディア側としても気軽に相談できる、できないの差は大きいですよ!

ジョニー:お願い事をする時は、電話一本で済む場合でも僕はそれイヤなんですよね。電話してアポとってオフィスまで伺って、ちゃんとフェイスtoフェイスで相談したい、お願い事なので。あと、自分が売れれば商品の露出が高まると言われたけれど、それはちゃんとACEという金看板があるから。僕はその上に乗っかっているだけ。だから会社に愛情がないとダメなんですよ。看板を背負っているから恥ずかしいことはできないし、かといって自分のスタンスは崩さないけど。魅力のある人はどんな人? と考えた時、僕は周りに影響を与えられる人だと思うんです。じゃあ、影響を与えられる人ってどんな人? というと、「ジョニーさんが言うんだからやりますよ」と言ってくれる人がどれだけいるかってこと。それは僕に魅力があるのか、エースの看板に魅力があるのかだけどね(笑)。だから、魅力のある人間になるのが僕の目標です。

mono:部下とのやりとりで心がけていることはありますか?

ジョニー:教育方針というか、部下と接する際は1から10までは言わないですね。手取り足取り全ては教えない。こういうことやってもらうから、分からなかったら聞いてねと、自分で考えさせる。だって、考える力がなかったら仕事できないじゃないですか。考えられない人が今絶対多いと思うんですよね。ウチの部下はみんな優秀なので、ちゃんとやってくれていますし、私の両腕です。

mono:あえて必要以上に教えないということですね。

ジョニー:1から10まで全部言ってしまったら完璧な僕のコピーにしかならないじゃないですか。僕が個性を出しているように、部下にもそれぞれの個性があるだろう、と。だからやり方は問わない、結果が全て。自分のやり方でやりなさい、と。もしそれでダメだった時は僕の責任。いい結果が出た時は彼ら彼女たち自身の手柄にすればいいんですよ。

ACE・ジョニー物語 其の3

mono:名物広報としてACE商品の魅力とは?

ジョニー:ACEの創業者がずっとやってきたことは、どうしたらお客さまに喜んでいただけるかを考えようということ。それでウチは世の中に業界で初めてナイロン製のカバンを出したわけなんです。儲け云々ということではなくね。もちろん、商売をしているから儲からないと会社が続かないので、儲けることは考えないといけないんだけど、お客さまに喜んでいただけるためにはどうしたらいいかを考えた時にいい商品ができてきているのも事実。スーツケースも、海外から日本に最初に持ち込んだのがウチの創業者で、それも、スーツケースを日本人が持っていたらカッコいいじゃないか、と。ACEで生産するようになって、日本人の体にどうなんだろうと、最初は横型に車輪をつけて、それで取り回しがしづらいから縦にして車輪つけて……とお客さま目線で考えて作られたモノなんですよ。結果、すごくヒットしているし。だから、仕事は愛、恋愛ね。全部、通ずると思うんですよ。安全安心もそうだし、ACEが価格を超える価値を創出しているのも愛ですよね。                         其の4へ続く

ACE・ジョニー物語 其の3
  • 80’sをこよなく愛するグラサン男。モノづくりやライフスタイルに強いこだわりを持つ人々の熱血応援サポーター。みなさんの熱いハートと想いを写真と文でほどよくゆるくお届けします!

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