“心の豊かさ” を求める冒険の旅とは? JT企業CMが新たな展開をスタート!

JT(日本たばこ産業)の企業CMは、本年4月から新たなシリーズがスタートしている。テーマは前シリーズから引き継いでいるものの、これまでとはがらりと変わる内容になった新シリーズを紹介するとともに、その仕掛け人たちに新CMへの想いや裏話などを語ってもらった。

新キャラクターは探検家!

2026年4月2日から全国放映が開始されたJTの企業広告が『キャプテン・モットの冒険 船出篇』だ。俳優の柳楽優弥さん演じる探検家が、“心の豊かさ” を求めて大海原に漕ぎ出すという内容で、これから始まるシリーズのイントロダクションとなっている。

テーマとなっている “心の豊かさ” は、キャプテン・モットの冒険以前のシリーズから継承されているものであり、新シリーズでは探検家が実在のさまざまな人と出会うことによって、それぞれの “心の豊かさ” を見つけていく姿を描いていく。その旅を通じ、JTのGroup Purposeである『心の豊かさを、もっと。』に込められた想いを身近に感じてもらおうというのが狙いだ。

つまり、現在放映されている船出篇はあくまでもシリーズの起点にすぎず、今後はより幅広く奥深い展開が予定されているという。

探検家役は柳楽優弥さん。14歳のときに映画『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭・最優秀男優賞を受賞し、以降は映画やテレビドラマ、テレビCMなどで活躍している。
『キャプテン・モットの冒険 船出篇』のラストに書かれる『この広い広い世界で。』の文字がこれからの展開を予感させる。なお、続編の放映は2026年夏が予定されている。

人気シリーズからの転換とその理由

2024年4月から2年にわたって放映されていたJTの企業CMは『鬼のゆく道』シリーズで、人里に現れた鬼がさまざまな人と触れ合うことによって “心の豊かさ” を探していくという内容のもの。俳優の山田孝之さんが鬼になり、一般の人から心の豊かさを学んでいくシリーズは高い支持を得ていた。

そんな人気シリーズにあえて終止符を打ち、新たなキャプテン・モットシリーズをスタートさせた理由をJTのパブリックリレーション部に所属する古川将寛さんに語ってもらった。

「鬼シリーズも、開始時には何年続けるか決めていなかったんです。幸いなことにCMを見た人から好評をいただいていて、正直できることならずっと続けたいという気持ちもありました。しかし、鬼シリーズに限界があったのもまた事実です。鬼が人の心に触れ、人間を理解していくほどに、“鬼” という存在そのものが少しずつ変化していってしまう感覚もあったんです。鬼が人間を知りすぎると、もはや鬼ではなくなってしまう。そんな物語としての宿命のようなものを感じていました。だからこそ、単純にシリーズを延命するのではなく、“心の豊かさ” というテーマに対して、もう一歩踏み込むことを目的に新シリーズをスタートさせることにしました。

好評のものを変えるのは怖さもありました。ファンの方から『鬼がいなくなったら悲しい』とのご意見をいただくことも想定しましたが、それなら『でも新しいCMも楽しい』と思っていただけるようにがんばろうと。

新キャラクター役を柳楽さんにお願いしたのは、心の豊かさを求めて冒険の旅に出た探検家が、未知なものに出会ったときの驚きや感動をナチュラルに演じてくれると考えたからで、柳楽さんご本人のキャラクターと探検家のイメージがピッタリ合っていると思っています。

これから探検家がどのような出会いをしていくのか、視聴者の皆さんにも期待していただきたいです」(古川さん)

今回の取材にご協力いただいたJTパブリックリレーション部戦略担当部長の古川将寛さん(左)と同じくパブリックリレーション部戦略担当課長の久保田 調さん(右)。古川さんはコーポレートコミュケーションを統括し、久保田さんは企業CMの統括担当でキャプテン・モットCMはふたりのタッグで進められた。

ギリギリまで考えたシリーズ名

「じつはキャプテン・モットというシリーズ名は難産の末に生まれたんですよ」と古川さん。

新たなシリーズをスタートするにあたり、主役を探検家とするのは比較的スムーズに決まったが、そのCMシリーズをどんな名前にするのかはなかなか難しかったという。

「広告代理店担当者と何度も相談を繰り返したのですが、どうしても決めることができず、じつはCM撮影がスタートしてからもロケの船の上で話し合っていました。僕は船に酔っちゃって、かなり苦しい状態だったのですが、それでもシリーズ名をどうしようか考えていて(笑)。最終的に『心の豊かさを、もっと。』からキャプテン・モットに決まりました」(古川さん)

CM撮影は主に船上で行われたが、「ここでもいろいろな苦労や心配事がありました」と語るのは久保田さん。

「現場には私を含めて船に慣れていない人が多く、ほとんどのスタッフが船酔いに悩まされたのですが、柳楽さんは平気で、おそらく現場にいるなかで一番元気でした(笑)。それがCM撮影の助けになったのはいうまでもありません。その点においても、探検家役に適任でしたね。

また、屋外ロケでは天気が最大の心配事になります。今回のCM撮影では天気予報が芳しくなく、代替の撮影案も用意していたのですが、予報に反して天気には恵まれ、大きなトラブルもなく進められました。海上での撮影は安全管理が重要で、さらに光の当たり方も陸上とは異なるためにさまざまな苦労があり、その都度工夫して乗り越えています。全行程の撮影には数日を要しましたが、無事に終えることができてホッとしました」(久保田さん)

久保田さんには、船出篇のCMで使われた楽曲のテーマについても聞いてみた。

「楽曲の『A Piece Of Gold』は、今回のCMのための書き下ろし。前向きな気持ちで世界に出ていくことをイメージできるように、作曲と作詞の先生にお願いして、何回かのやりとりの末に完成しました。当初考えていた“心のなかに、外に広がっていく情景が描かれるようにしてほしい”という目的は達成されたと思います」(久保田さん)

CM撮影の様子。探検家の船と並走する撮影船の後ろに控えるプロデューサー船に古川さんや久保田さんが乗り込み、船酔いとの闘いも大変だったとか。
海上で得られる光量が足りない場合、桟橋から光を当てることもあった。これもまた、船上ロケの苦労のひとつ。

JT企業CMに込められた想いと願い

ダイレクトに製品をアピールするのではなく、企業そのもののイメージを伝える企業CMには、製品CMとは違った狙いがある。そうした企業CMをどう考えているのか、古川さんと久保田さんに訊ねてみた。

「日本たばこ産業(JT)は、未成年には販売できないたばこを主に製造販売する会社であり、現代社会ではある種ユニークな立場にある企業だと思っています。だからこそ、単に事業や商品を伝えるのではなく、“JTは社会に対してどのような価値を提供したいのか” を、誠実に問い続ける必要があると考えてきました。

その中で生まれたのが、『心の豊かさを、もっと。』というキーワードです。JTをまだ知らない方にも私たちの考えや姿勢を知ってもらい、社会の中での存在意義や価値を感じてもらうことが、結果として企業価値の向上にもつながっていくと考えています。

探検家は冒険の旅に出ましたが、日常生活を送る人には、冒険は怖いものと思われている可能性があります。でも、そうではなくて、冒険はワクワクして楽しいものだと感じてもらうことにより、それまで以上に心が豊かになると考えています」(古川さん)

「CMを通じて『テレビやスマートフォンの前にいるあなたを応援していますよ』と伝えることも、JT企業CMの目的のひとつです。自分自身がすでにもっている心の豊かさに気づいてもらって、それで日々の生活がより充実したものなってくれればうれしいです。もちろん、JTという会社があることを周知することも重要なので、キャプテン・モットの冒険シリーズCMによってJTの認知度が高まることも願っています」(久保田さん)

「すでにキャプテン・モットの冒険シリーズCMの制作は進んでいて、具体的な日時は現段階でお教えできませんが、今夏には第2弾を公開する予定です。探検家がどんな出会いをして、どんな心の豊かさを見つけることができるのか? 視聴者の皆さんには楽しみに待っていていただきたいですし、私たちも第2弾を公開するのが楽しみです。これからの探検家にも注目していてください」(古川さん)

「キャプテン・モットの冒険シリーズCMによって、心の豊かさという抽象的なテーマを視聴者の皆さんにも楽しんでもらえれば成功です」と古川さん。
久保田さんからは「キャプテン・モットの冒険シリーズの世界はこれからもっと広がっていきます。皆さんも彼と一緒に冒険を楽しんでください」というメッセージをいただいた。
探検家の眼前に広がる大海原。心の豊かさを探す冒険の旅はまだ始まったばかりだ。

写真/青木健格(人物写真) 文/長谷川 敦

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