すべては映画『ロッカーズ』のビデオテープをニューヨークで預かったことから始まった……。1979から2020まで、レゲエとストリート・カルチャーの話がたっぷり41年分!

日本におけるレゲエ/ストリート・カルチャーの発展に貢献してきたオーバーヒート・ミュージック代表、石井 “EC” 志津男さんが自らの経験と足跡を語った初の書籍が発売された。

石井さんといえば、1980年に映画ロッカーズの日本配給をして以来、レゲエを中心としたレーベル「オーバーヒート」を立ち上げ、フリー・ペーパー『Riddim(リディム)』を38年間、コロナ禍の349号まで発行、さらに多くのレゲエ・コンサートを開催し、ジャマイカ人アーティストのプロデュースからミュート・ビート、ムーミンやプシンといった日本人アーティストの育成にも携わった偉大なお方。レゲエ界隈では知らない人はいないのではないだろうか。

モノ・マガジンとも浅からぬ縁があり、1995年3-16号「決めたぜジャマイカ」特集(表紙はバウンティ・キラー)で、ジャマイカ現地取材のコーディネートほか大変お世話になり、また、「ドキュメンタリー20世紀」という連載では、フリー・ペーパー『Riddim』を特集したこともあった。

本書は複数のインタビューで構成されており、聞き手を務めるのは、編集者の故・川勝正幸+下井草秀による文化デリック、ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB)、アーティストのUSUGROW+若林廣之(POSSESSED SHOE)、八幡浩司(24×7 RECORDS)、有太マンの5組。

さらに映画『ロッカーズ』の日本初公開時(1980年)のポスターや各種イベント・ポスター、キング・タビーがカッティングしたミュート・ビートのダブ・プレートといった長年保管されてきた貴重な資料のほか、石井さんが撮影したレゲエ・ミュージシャンのポートレート、オーバーヒート・レコード全ディスコグラフィ、『Riddim』全表紙などカラーページが大充実。史料価値も相まって見応えバツグン。

個人的には1987年に上京して、初めて行ったライブがミュート・ビートの渋谷公会堂ということもあり、その後、レゲエやスカにハマった口なので、読み進めていくうちにあの頃の情景がブアッと蘇ってきた。

また、石井さんの気取らない人柄がにじみ出るインタビュー、そして知られざる裏話や伝説のエピソードが満載で、ページをめくる手が止まらない。故・川勝氏による石井さんインタビューは必読。

ゲイリー・パンター氏による表紙が目印だ。ぜひ、手に入れてほしい。

【書名】Tail of Riddim
【著者】石井 “EC” 志津男
【判型仕様】A5変形判・288頁
【定価】本体3,000円+税
【出版元】リットーミュージック

【著者のプロフィール】
(株)OVERHEAT MUSIC 代表であり、OVERHEAT RECORDS プロデューサー、雑誌『Riddim』発⾏⼈。 1981 年(~85)に映画『Rockers』を⽇本配給したことがきっかけでジャマイカ、 NY のレゲエアーティストたちとの親交が始まる。 これまでに、サロンミュージック、 MUTE BEAT、 Thriller U、 MOOMIN、Pushim、H-MAN、t-Ace などのアーティストのマネージメントを⾏う。アルバム制作には伝説のスカ・バンド、Determinationsの『Full of Dterminatios』、監督としてジャマイカのヴィンテージミュージックのドキュメント映画『ラフン・タフ』(2006 年)、著書/監修として『レゲエ・ディスク・ガイド』(⾳楽の友社)、 「ラフン タフ: ジャマイカンミュージックの創造者たち」「The Rocksteady Book」リットーミュージック他、⽇本のレゲエ・ミュージック発展活動を行う。

ご購入はこちらから

関連記事一覧